応用情報技術者 2023年 秋期 午前2 問53
問題文
プロジェクトのスケジュールを短縮したい。当初の計画は図1のとおりである。作業E を作業 E1, E2, E3に分けて、図2のとおりに計画を変更すると、スケジュールは全体で何日短縮できるか。

選択肢
ア:1(正解)
イ:2
ウ:3
エ:4
🔒 解説は解答すると表示されます
作業分割とクリティカルパス【午前2解説】
正解の理由
設問の趣旨は作業Eを分割して並行実行を可能にすることでプロジェクト全体の所要日数を短縮する点にあります。ここでは図2の点線矢印を「中間ノードX→中間ノードY(Xが先行)」と解釈すると、Eを分割した結果、Eの一部(E1+E3)がB以降の工程と並列化でき、全体所要日数が1日短縮されます。したがって選択肢の中では ア(1日)が正しい説明になります。
(注)図の点線矢印の向きはネットワークの論理的な依存を決める重要な要素です。本解説では設問の意図である「分割による短縮」を実現する実務的かつ試験上一般的な解釈として、点線を X→Y(Xが先行) として計算しています。
解法ステップ
-
元のネットワーク(図1)で各経路の所要日数を求め、クリティカルパス(最長経路)を求める。
- 上段(A→B→D→G): 日
- 下段左(A→C→F→H→I): 日
- 下段経由(A→B→E→H→I): 日
よって初期所要日数は 日(クリティカルパスは A→B→E→H→I)。
-
図2での分割後(点線を X→Y と解釈)に各ノード到達時刻を前方計算する。
- Start→A: 5 日
- A→B: 5+8 = 13 日(円ノード2)
- 円ノード2→E1→X: 13+3 = 16 日(X到達)
- X→E3→下段中央: 16+2 = 18 日 → H→I を経て終了: 日(この経路は24日で終了)
- 円ノード2→D→円ノード3: 13+7 = 20 日
- 円ノード3→E2→Y: 20+4 = 24 日(Y到達)
- 上段の A→B→D→G: 13+7+7 = 27 日(上段は27日で終了)
-
すべての経路の最長をとると、分割後の所要日数は 日。
したがって短縮量は 日。結論として選択肢 ア(1日)が正しい。
選択肢別の誤答解説
-
ア(1)
正しい。上記のとおり、点線を X→Y と解釈するとE分割によりEの主部分が並列化され、全体で1日短縮される。 -
イ(2)
誤り。2日短縮とする計算は、E分割後にE部分や他経路の時刻を誤って計算(例えばE1やE3の起点時刻を遅く見積もる、あるいはDやGの所要日を誤る)した結果で生じる。正しい前方計算をすれば24日/27日の比較になるため2日短縮にはならない。 -
ウ(3)
誤り。3日短縮は、Eの分割によって下段経路がさらに短縮されると過大に評価した場合に出やすい値。E1+E3の合計は5日で元のEは9日なので、単純に9→5で4日短縮と誤認する人がいるが、ネットワーク全体の最長経路(クリティカルパス)に着目しないと誤る。 -
エ(4)
誤り。4日短縮は、E全体9日→5日(E1+E3)として下段経路がそのまま4日短縮になると見なした場合に出る。しかしE2の配置や依存関係次第ではその4日が反映されない(または逆に増える)ため、検算が必要。正解は1日。
よくある誤解
-
ダミー(点線)矢印の向きを読み間違える
ダミーの向きは「どちらが先行か」を示す。向きを逆に解釈すると依存関係が変わり、短縮ではなく延長になることがある。 -
分割後の作業時間の単純合算のみで判断する
作業を分割して合計時間が同じでも、分割によって並列化(重なり)が発生すれば所要日数は変わる。必ず経路ごとの最長時間(クリティカルパス)で比較する。 -
ダミーは「時間を消費しない」と考えるが影響がないと誤認する
ダミーは所要日数0だが、依存関係を作るためプロジェクトの所要日数に影響を与える(開始可能時刻を制約する)。
補足コラム
ダミー(仮想作業)はネットワーク図で論理的依存を表現する手段です。実務でも「ある作業は別の作業の完成に依存するが、両作業に共通の始点や終点を持たない」場合にダミーを入れます。分割は「先行作業の一部を早く終わらせ、後続作業と並列化させる」ために使われますが、ダミーの向き次第でむしろ新たな順序制約を導入してしまうことがあるため注意が必要です。
簡単なチェックリスト:
- 分割後も各作業の合計所要日は等しいか(保存則の確認)
- ダミー矢印の向きが論理的に妥当か(意図通り並列化するか)
- クリティカルパスを再計算して最長経路が短くなっているか確認する
FAQ
Q1: なぜ点線矢印の向きを X→Y としたのですか?
A1: 設問の意図が「分割による短縮」であるため、その目的を達成するために合理的な依存(Xが先行してE2はXの完了を待つ)が必要です。X→Y と解釈するとE1/E3が早く完了して下段が短縮され、設問の選択肢にある「1日短縮」と整合します。
A1: 設問の意図が「分割による短縮」であるため、その目的を達成するために合理的な依存(Xが先行してE2はXの完了を待つ)が必要です。X→Y と解釈するとE1/E3が早く完了して下段が短縮され、設問の選択肢にある「1日短縮」と整合します。
Q2: ダミーの所要日数は常に0ですか?
A2: はい。ダミー(仮想作業)は時間を消費しないため所要日数は0になりますが、依存関係の表現には重要です。
A2: はい。ダミー(仮想作業)は時間を消費しないため所要日数は0になりますが、依存関係の表現には重要です。
Q3: 作業分割すれば必ず短縮できるのですか?
A3: いいえ。分割そのものは短縮を保証しません。どの作業をどの順序で分割・並列化するか、依存関係(ダミー含む)をどう設定するかで結果は異なります。
A3: いいえ。分割そのものは短縮を保証しません。どの作業をどの順序で分割・並列化するか、依存関係(ダミー含む)をどう設定するかで結果は異なります。
関連キーワード: クリティカルパス、ダミー作業、作業分割、前方計算、プロジェクト短縮

\ せっかくなら /
応用情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

