応用情報技術者 2023年 春期 午後 問02
中堅の電子機器製造販売会社の経営戦略に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
Q社は、中堅の電子機器製造販売会社で、中小のスーパーマーケット(以下、スーパーという)を顧客としている。Q社の主力製品は、商品管理に使用するバーコードを印字するラベルプリンター、及びバーコードを印字する商品管理用のラベル(以下、バーコードラベルという)などの消耗品である。さらに、技術を転用してバーコード読取装置(以下、バーコードリーダーという)も製造販売している。
顧客がバーコードラベルを使用する場合は、商品に合った大きさ、厚さ、及び材質のバーコードラベルが必要になり、これに対応してラベルプリンターの設定が必要になる。商品ごとに顧客の従業員がマニュアルを見ながら各店舗でラベルプリンターの画面から操作して設定しているが、続々と新商品が出てくる現在、この設定のスキルの習得は、慢性的な人手不足に悩む顧客にとって負担となっている。
〔現在の経営戦略〕
Q社では、ラベルプリンターの機種を多数そろえるとともに、ラベルプリンター及びバーコードリーダーと連携して商品管理や消耗品の使用量管理などを支援するソフトウェアパッケージ(以下、Q社パッケージという)を業界で初めて開発して市場に展開し、①競合がない市場を切り開く経営戦略を掲げ、次に示す施策に基づき積極的に事業展開して業界での優位性を保っている。
・顧客の従業員がQ社パッケージのガイド画面から操作して、接続されている全ての店舗のラベルプリンターの設定を一度に変更することで、これまでと比べて負担を軽減できる。さらに②顧客の依頼に応じて、ラベルプリンターの設定作業を受託する。
・ラベルプリンターの販売価格は他社より抑え、バーコードラベルなどの消耗品の料金体系は、Q社パッケージで集計した使用量に応じたものとする。
・毎年、従来機種を改良したラベルプリンターを開発し、ラベルプリンターが有する様々な便利な機能を最大限活用できるように、Q社パッケージの機能を拡充する。
これらの施策の実施によって、Q社は、aビジネスモデルを実現し、価格設定や顧客への対応などが受け入れられて、リピート受注を確保でき、業界平均以上の収益性を維持している。
〔現在の問題点〕
一方で、今後も業界での優位性を維持するには次の問題もある。
・最近開発したラベルプリンターで、設置される環境や操作性などについて、顧客ニーズの変化を十分に把握しきれておらず、顧客満足度が低い機種がある。
・ラベルプリンターは定期的に予防保守を行い、部品を交換しているが、交換する前に故障が発生してしまうことがある。故障が発生した場合のメンテナンスは、顧客の担当者から故障連絡を受けて、高い頻度で発生する故障の修理に必要な部品を持って要員が現場で対応している。しかし、故障部位の詳細な情報は事前に把握できず、修理に必要な部品を持っていない場合は、1回の訪問で修理が完了せず、顧客の業務に影響が出たことがある。また、複数の故障連絡が重なるなど、要員の作業が予測困難で、要員が計画的に作業できずに苦慮している。
・多くの顧客では、消費期限が近くなった商品の売れ残りが発生しそうな場合には、消費期限と売れ残りの見通しから予測した時刻に、値引き価格を印字したバーコードラベルを重ねて貼っている。食品の取扱いが多い顧客からは、顧客の戦略目標の一つである食品廃棄量削減を達成するために、値引き価格を印字したバーコードラベルを貼る適切な時刻を通知する機能を情報システムで提供するよう要望を受けているが、現在Q社パッケージで管理するデータだけでは対応できない。
・ラベルプリンターの製造コストは業界では平均的だが、バーコードリーダーは、開発に多くの要員を割かれていて製造コストは業界での平均よりも高い。バーコードリーダーの製造販売において、他社と差別化できておらず、販売価格を上げられないので利益を確保できていない。
・ラベルプリンターでは、スーパーを顧客とする市場が飽和状態になりつつある中で、大手の事務機器製造販売会社のS社がラベルプリンターを開発して、スーパーを顧客とする事務機器の商社を通して大手のスーパーに納入した。S社は、スーパーとの直接的な取引はないが、今後、Q社が事業を展開している中小のスーパーを顧客とする市場にも進出するおそれが出てきた。
将来に備えて経営戦略を強化することを考えたQ社のR社長は、外部企業へ依頼して、Q社が製造販売する製品と提供するサービスに関する調査を行った。
〔経営戦略の強化〕
調査の結果、R社長は次のことを確認した。
・ラベルプリンターの開発において、顧客ニーズの変化に素早く対応して他社との差別化を図らなければ、顧客満足度が下がり業界での優位性が失われる。
・メンテナンス対応において、故障による顧客業務への影響を減らせば顧客満足度が上がる。顧客満足度を上げれば、既存顧客からのリピート受注率が高まる。
・顧客満足度を上げるためには、製品開発力及びメンテナンス対応力を強めることに加えて、顧客が情報システムに求める機能の提供力を強めることが必要である。
・バーコードリーダーは、Q社のラベルプリンターやQ社パッケージの製造販売と競合せず、POS端末及び中小のスーパーで定評のある販売管理ソフトウェアパッケージを製造販売するU社から調達できる。
そして、Q社及びS社の現状に対して、競争要因別の顧客から見た価値の相対的な高さと、R社長が強化すべきと考えたQ社の計画を図1に示す戦略キャンパス(抜粋)にまとめた。

R社長は戦略キャンパス(抜粋)に基づいて、業界での優位性を維持するために社内の幹部と次に示す重点戦略をまとめた。
(1) ラベルプリンターの製品開発力
ラベルプリンターの製品開発において、顧客のニーズを聞き、迅速にラベルプリンターの試作品を開発して顧客に確認してもらうことで、従来よりも的確にニーズを取り込めるようにする。
ラベルプリンターの試作や顧客確認などの開発段階での業務量が増えることになるが、b。これによって、開発要員を増やさないことと製品開発力を強化することとの整合性を確保する。
(2) メンテナンス対応力
R社長は、メンテナンス対応の要員数を変えず、③メンテナンス対応力を強化して顧客満足度を上げることを考えた。具体的には、④Q社パッケージが、インターネット経由で、Q社のラベルプリンターの稼働に関するデータ、及びモータなどの部品の劣化の兆候を示す電圧変化などのデータを収集して適宜Q社に送信する機能を実現する。
(3) 情報システムの提供力
Q社の業界での優位性を更に高めるために、⑤SDGsの一つである“つくる責任、つかう責任”に関して、顧客が食品の廃棄量の削減を達成するための支援機能など、Q社パッケージの機能追加を促進する。そのために、U社と連携して、Q社パッケージとU社の販売管理ソフトウェアパッケージとを連動させる。
設問1:〔現在の経営戦略〕について答えよ。
問題文を見る(1)本文中の下線①について、Q社が実行している戦略を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:コストリーダーシップ戦略
イ:市場開拓戦略
ウ:フォロワー戦略
エ:ブルーオーシャン戦略
模範解答
エ
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では、Q社が「①競合がない市場を切り開く経営戦略」を掲げたと記載されています。
- 「競合がない市場を切り開く」という表現は、既存プレイヤーとの直接競争を避け、未開拓の需要を創出して利益を上げる考え方です。
- 解答群を照合すると、同様の概念を示すのは「エ:ブルーオーシャン戦略」です。ブルーオーシャン戦略は、競争の激しい“レッドオーシャン”ではなく、競争相手が存在しない“ブルーオーシャン”を創造することで高い収益を目指す戦略を指します。
- 以上より、下線①に該当する戦略は「エ:ブルーオーシャン戦略」であると論理的に帰結します。
誤りやすいポイント
- 「イ:市場開拓戦略」と混同するケース
- 市場開拓は既存製品を新市場に投入する戦術であり、「競合がない市場を切り開く」ことと似て見えますが、ブルーオーシャンは価値提案の再設計を伴い競争を無意味化する点が異なります。
- 「ア:コストリーダーシップ戦略」との取り違え
- 問題文では価格を抑えた施策も示されていますが、主旨はコスト競争ではなく“競合がいない”状況を作ることに置かれています。
- 「ウ:フォロワー戦略」と勘違い
- 業界初のパッケージ開発と明記されており、追随ではなく先行しているためフォロワーには該当しません。
FAQ
Q: ブルーオーシャン戦略は必ずしも価格を下げる必要がありますか?
A: いいえ。重要なのは差別化と低コストの両立ですが、必ず価格を下げるわけではなく、顧客に新たな価値を提供する点が核心です。
A: いいえ。重要なのは差別化と低コストの両立ですが、必ず価格を下げるわけではなく、顧客に新たな価値を提供する点が核心です。
Q: 市場開拓戦略とブルーオーシャン戦略を見分けるコツは?
A: キーワードが「競合が存在しない」「価値を再定義する」「需要を創造する」であればブルーオーシャン戦略である可能性が高いです。既存製品を単に新地域へ販売する程度なら市場開拓戦略と判断できます。
A: キーワードが「競合が存在しない」「価値を再定義する」「需要を創造する」であればブルーオーシャン戦略である可能性が高いです。既存製品を単に新地域へ販売する程度なら市場開拓戦略と判断できます。
Q: 試験でブルーオーシャン戦略が問われる場合、典型的なフレーズは?
A: 「競争を無意味化する」「未開拓需要」「差別化と低コストの同時追求」などが頻出です。
A: 「競争を無意味化する」「未開拓需要」「差別化と低コストの同時追求」などが頻出です。
関連キーワード: ブルーオーシャン, 差別化, 競争優位, 未開拓需要, 価値創造
設問1:〔現在の経営戦略〕について答えよ。
問題文を見る(2)本文中の下線②について、Q社が設定作業を受託する背景にある顧客の課題は何か。25字以内で答えよ。
模範解答
設定スキルの習得に人手を割けないこと
解説
解答の論理構成
- 顧客が直面している課題を本文から抽出します。
- 「商品ごとに顧客の従業員がマニュアルを見ながら各店舗でラベルプリンターの画面から操作して設定しているが、続々と新商品が出てくる現在、この設定のスキルの習得は、慢性的な人手不足に悩む顧客にとって負担となっている。」
- ②の施策は「顧客の依頼に応じて、ラベルプリンターの設定作業を受託する」と記載されています。つまり設定作業を肩代わりする理由は、上記引用にある“人手不足ゆえに設定スキルを習得できない”という顧客の悩みを解消するためです。
- よって、設問が問う「背景にある顧客の課題」は、
「設定スキルの習得に人手を割けないこと」
という結論になります。
誤りやすいポイント
- 「慢性的な人手不足」と「設定作業が大変」の2つを別々に書いて字数を無駄にする。
- 「設定が複雑」など作業難易度だけに焦点を当てて“人手不足”の要素を落とす。
- 「プリンタ設定の外部委託を希望」と書くと課題ではなく解決策になってしまう。
FAQ
Q: 顧客の課題を答えるのに「慢性的な人手不足」を入れるのは必須ですか?
A: はい。本文が「慢性的な人手不足に悩む顧客にとって負担」と明示しているため、人手不足を示す語は欠かせません。
A: はい。本文が「慢性的な人手不足に悩む顧客にとって負担」と明示しているため、人手不足を示す語は欠かせません。
Q: 「設定スキルが不足している」と書くだけでは不正解ですか?
A: 不正解ではありませんが、“スキル不足の原因=人手を割けない”点が抜けると趣旨が弱まります。
A: 不正解ではありませんが、“スキル不足の原因=人手を割けない”点が抜けると趣旨が弱まります。
Q: 設定作業の受託が直接の課題ではないのですか?
A: 受託はQ社側の施策であり、設問が聞くのはその施策を必要とした“顧客の課題”です。
A: 受託はQ社側の施策であり、設問が聞くのはその施策を必要とした“顧客の課題”です。
関連キーワード: ビジネスモデル, 顧客満足度, 作業自動化, メンテナンス, 人手不足
設問1:〔現在の経営戦略〕について答えよ。
問題文を見る(3)本文中のaに入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:Q社パッケージの販売利益でバーコードラベルなどの消耗品の赤字を補填する
イ:バーコードラベルなどの消耗品で利益を確保する
ウ:バーコードラベルなどの消耗品を安く販売し、リピート受注を確保する
エ:ラベルプリンターの販売利益でバーコードラベルなどの消耗品の赤字を補填する
模範解答
a:イ
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では、価格戦略について
「ラベルプリンターの販売価格は他社より抑え、バーコードラベルなどの消耗品の料金体系は、Q社パッケージで集計した使用量に応じたものとする。」
と記述されています。 - さらに、同じ段落で
「価格設定や顧客への対応などが受け入れられて、リピート受注を確保でき、業界平均以上の収益性を維持している。」
とあり、収益源は主に“消耗品”であることがうかがえます。 - 以上より、aに入るのは「バーコードラベルなどの消耗品で利益を確保する」を示す記述が適切です。
- 解答群の中で該当するのは
「イ:バーコードラベルなどの消耗品で利益を確保する」
です。
誤りやすいポイント
- 「ラベルプリンターの販売価格は他社より抑え」という部分から“赤字補填”と早合点し、アやエを選びがちです。実際には販売価格を下げても赤字とまでは書かれておらず、利益確保の主体が消耗品である点を見落とさないよう注意が必要です。
- “リピート受注”というキーワードに引きずられ、ウを選択するケースもあります。ウは「安く販売し」とあるため利益確保の主体が不明確で、収益性を維持しているという記述と噛み合いません。
FAQ
Q: ラベルプリンターの価格を下げても利益は圧迫されないのですか?
A: 【問題文】にあるように、消耗品である「バーコードラベルなど」で利益を取るビジネスモデルなので、プリンタ本体の薄利を補う仕組みになっています。
A: 【問題文】にあるように、消耗品である「バーコードラベルなど」で利益を取るビジネスモデルなので、プリンタ本体の薄利を補う仕組みになっています。
Q: 「赤字を補填する」という言葉が選択肢にありますが、赤字の記述はなかったのですか?
A: はい。本文には「赤字」という直接的な記述がなく、「業界平均以上の収益性を維持」とあります。したがって“補填”という発想自体が本文と合致しません。
A: はい。本文には「赤字」という直接的な記述がなく、「業界平均以上の収益性を維持」とあります。したがって“補填”という発想自体が本文と合致しません。
関連キーワード: サブスクリプション, リピート受注, 価格戦略, 収益モデル, 消耗品ビジネス
設問2:〔経営戦略の強化〕について答えよ。
問題文を見る(1)本文中のbに入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:Q社パッケージの販売を中止し、開発要員をラベルプリンターの開発に振り向ける
イ:バーコードリーダーの開発を中止し、開発要員をラベルプリンターの開発に振り向ける
ウ:メンテナンス要員をラベルプリンターの開発に振り向ける
エ:ラベルプリンターの機種を減らし、開発要員を減らす
模範解答
b:イ
解説
解答の論理構成
-
開発リソースの不足
- 戦略強化(1)では「ラベルプリンターの試作や顧客確認などの開発段階での業務量が増える」と述べられています。
- それにもかかわらず「開発要員を増やさないことと製品開発力を強化することとの整合性を確保する」必要があります。
-
余剰ではなく“転用できる”要員の候補
- 「バーコードリーダーは、開発に多くの要員を割かれていて製造コストは業界での平均よりも高い。…利益を確保できていない」と利益面で問題が示されています。
- さらに「バーコードリーダーは…U社から調達できる」と、内製を継続しなくても調達で補えることが明記されています。
-
代替調達が可能 → 自社開発をやめてもサービス提供に支障なし
- 外部調達が可能なので、自社でのバーコードリーダー開発は必須ではありません。
- したがって、ここに充てている開発要員を「ラベルプリンターの開発」に振り向ければ、追加採用なしに開発力を底上げできます。
-
他の選択肢との比較
- ア:「Q社パッケージの販売を中止」すると、同パッケージこそが「競合がない市場を切り開く経営戦略」の核であり、優位性を失います。
- ウ:「メンテナンス要員を…開発に振り向ける」と③でメンテナンス対応力強化を掲げる方針と矛盾します。
- エ:「ラベルプリンターの機種を減らし、開発要員を減らす」は、開発力を“強化”する目的に逆行します。
-
よって「バーコードリーダーの開発を中止し、開発要員をラベルプリンターの開発に振り向ける」が最適です。
- 選択肢イがこれに該当するため、b=イ となります。
誤りやすいポイント
- 「Q社パッケージ」は事業の中核なので中止できない点を見落としやすい。
- メンテナンス要員を減らす案は、③で強化すると述べているため選べない。
- 「機種を減らす→開発力を強化」という発想は、一見負荷軽減に見えるが “強化” の目的と相反する。
FAQ
Q: バーコードリーダー開発をやめると製品ラインが弱まらないのですか?
A: 「U社から調達できる」と明記されており、機能を外部調達で補完できるため製品ラインは維持できます。
A: 「U社から調達できる」と明記されており、機能を外部調達で補完できるため製品ラインは維持できます。
Q: Q社パッケージを縮小してはダメなのですか?
A: 「Q社パッケージ」は“競合がない市場を切り開く経営戦略”の要であり、値引き時刻通知など今後の差別化施策⑤にも不可欠です。
A: 「Q社パッケージ」は“競合がない市場を切り開く経営戦略”の要であり、値引き時刻通知など今後の差別化施策⑤にも不可欠です。
Q: メンテナンス要員を開発に転用するほうが早いのでは?
A: ③で「メンテナンス対応力を強化して顧客満足度を上げる」と宣言しているため、人員を減らすと戦略方針と衝突します。
A: ③で「メンテナンス対応力を強化して顧客満足度を上げる」と宣言しているため、人員を減らすと戦略方針と衝突します。
関連キーワード: ブルーオーシャン戦略, 戦略キャンパス, 内製と外部調達, 製品差別化, リソース再配置
設問2:〔経営戦略の強化〕について答えよ。
問題文を見る(2)本文中の下線③について、R社長の狙いは何か。〔経営戦略の強化〕中の字句を用い、15字以内で答えよ。
模範解答
リピート受注率を高めること
解説
解答の論理構成
- 【問題文】の記述確認
- 〔経営戦略の強化〕には、メンテナンス対応について
「顧客満足度を上げれば、既存顧客からのリピート受注率が高まる。」
と明記されています。
- 〔経営戦略の強化〕には、メンテナンス対応について
- 下線③の内容
- 「メンテナンス対応力を強化して顧客満足度を上げる」
─ 目的は“満足度向上”。
- 「メンテナンス対応力を強化して顧客満足度を上げる」
- 満足度向上で得られる成果
- 上記引用のとおり、満足度向上の直接的な帰結として「リピート受注率が高まる」ことが示されています。
- したがって、下線③の狙いは
「リピート受注率を高めること」
となります。
誤りやすいポイント
- 「新規顧客の獲得」を狙いと誤認しやすい
→ 文中には“既存顧客”へ言及があるため新規ではない。 - 「メンテナンスコストの削減」を主目的と読み違える
→ 要員数を変えない記述はあるが、狙いはあくまで顧客満足度向上とリピート受注率。 - 図1の評価段階を根拠にしてしまい、直接的な目的を見落とす
→ 目的は図ではなく本文の記述に明示されている。
FAQ
Q: メンテナンス対応力を強化する手段は具体的に何ですか?
A: 「Q社パッケージが…データを収集して適宜Q社に送信する機能」を実装し、故障を予兆保全的に捉える仕組みです。
A: 「Q社パッケージが…データを収集して適宜Q社に送信する機能」を実装し、故障を予兆保全的に捉える仕組みです。
Q: なぜ人員を増やさずに満足度を上げられるのですか?
A: 故障部位の事前把握などにより現場対応を効率化でき、同じ要員数で迅速・的確なサービスが可能になるためです。
A: 故障部位の事前把握などにより現場対応を効率化でき、同じ要員数で迅速・的確なサービスが可能になるためです。
Q: リピート受注率が高まるとどのような効果がありますか?
A: 安定的な売上確保に加え、長期的な関係構築による追加提案の機会増大など、収益性の向上が期待できます。
A: 安定的な売上確保に加え、長期的な関係構築による追加提案の機会増大など、収益性の向上が期待できます。
関連キーワード: 顧客満足度, リピート受注, メンテナンス対応, 予兆保全, バリューチェーン
設問2:〔経営戦略の強化〕について答えよ。
問題文を見る(3)本文中の下線④について、顧客の業務への影響を減らすために、Q社において可能となることを二つ挙げ、それぞれ15字以内で答えよ。また、それらによって、Q社にとって、どのようなメリットがあるか〔現在の問題点〕を参考に、15字以内で答えよ。
模範解答
可能となること:
①:タイムリーな予防保守
②:詳細な故障部位の把握
メリット:要員が計画的に作業できる。
解説
解答の論理構成
-
④で実現する新機能
- 【問題文】「④Q社パッケージが、インターネット経由で、Q社のラベルプリンターの稼働に関するデータ、及びモータなどの部品の劣化の兆候を示す電圧変化などのデータを収集して適宜Q社に送信する機能を実現する」
⇒ 稼働状況と劣化兆候を“リアルタイム”に取得できる仕組みである。
- 【問題文】「④Q社パッケージが、インターネット経由で、Q社のラベルプリンターの稼働に関するデータ、及びモータなどの部品の劣化の兆候を示す電圧変化などのデータを収集して適宜Q社に送信する機能を実現する」
-
現状の課題把握
- 【問題文】「交換する前に故障が発生してしまうことがある。」
- 【問題文】「故障部位の詳細な情報は事前に把握できず、…1回の訪問で修理が完了せず」
⇒ 故障発生の“予知”と“部位特定”が出来ていない。
-
新機能によって可能となること
- 稼働データと劣化兆候を常時取得 → 故障発生前に部品交換時期を判断=「タイムリーな予防保守」。
- 電圧変化等を分析 → 故障が起きた際の箇所を遠隔で把握=「詳細な故障部位の把握」。
-
Q社に生じるメリット
- 【問題文】「要員の作業が予測困難で、要員が計画的に作業できずに苦慮している。」
- 故障予知と部位特定により訪問計画と部品準備が立てやすくなる → 「要員が計画的に作業できる」。
誤りやすいポイント
- 「予防保守」を単に“保守”とだけ書くと、通常保守と区別が不明確になる。
- 「詳細な故障部位の把握」を“故障部位検知精度向上”など長い表現にすると設問の条件を満たせない。
- メリットを「顧客満足度向上」と書くだけではQ社側の効果が具体化されない。
FAQ
Q: 予防保守と事後保守の違いは?
A: 予防保守は故障が起こる前に部品交換や調整を行うこと、事後保守は故障発生後に修理を行うことです。
A: 予防保守は故障が起こる前に部品交換や調整を行うこと、事後保守は故障発生後に修理を行うことです。
Q: 故障部位の把握がなぜ要員計画に寄与するのですか?
A: 必要な部品と工具が事前に分かるため、1回の訪問で修理を完了させやすくなり、訪問予定を組みやすくなるからです。
A: 必要な部品と工具が事前に分かるため、1回の訪問で修理を完了させやすくなり、訪問予定を組みやすくなるからです。
Q: データ送信にセキュリティ対策は必要?
A: はい。稼働データには業務情報が含まれる可能性があるため、通信の暗号化や認証が必須です。
A: はい。稼働データには業務情報が含まれる可能性があるため、通信の暗号化や認証が必須です。
関連キーワード: 予防保守, リモートモニタリング, 故障診断, データ収集, 作業計画
設問2:〔経営戦略の強化〕について答えよ。
問題文を見る(4)本文中の下線⑤の支援機能として、情報システムで提供する機能は何か。35字以内で答えよ。
模範解答
値引き価格を印字したバーコードラベルを貼る適切な時刻を通知する機能
解説
解答の導き方
- 設問が求める箇所を確認します。本文の下線⑤は、SDGsに関する「顧客が食品の廃棄量の削減を達成するための支援機能」をQ社パッケージに追加することを示しています。ここから支援機能の目的は食品廃棄量削減であると読み取れます。
- 次に、本文の「現在の問題点」を見ます。そこには、顧客が消費期限が近い商品のために「値引き価格を印字したバーコードラベルを重ねて貼っている」現状と、顧客から「値引き価格を印字したバーコードラベルを貼る適切な時刻を通知する機能を情報システムで提供するよう要望を受けている」と明記されています。
- ③と2を合わせると、下線⑤で求められている支援機能は、顧客の要望で示された「値引き価格を印字したバーコードラベルを貼る適切な時刻を通知する」機能と一致します。したがって、設問の答えとして求められるのはその機能の記述です。
- 結論(解答) 値引き価格を印字したバーコードラベルを貼る適切な時刻を通知する機能
誤りやすいポイント
- 回答を「通知機能」だけにすると具体性が不足し減点されやすい。何を、いつ通知するのかを書く。
- 「値引きラベル」と曖昧に省略すると意図が伝わらない可能性がある。本文の表現にある「値引き価格を印字したバーコードラベル」を含める。
- 「印字する機能」や「自動で貼る機能」と混同しない。問われているのは適切な時刻を知らせること(通知)である。
- 「時刻」か「タイミング」かの表現を変えて意味は通じるが、問題文に近い表現を用いると安全である。
- 設問は35字以内と制限があるため、冗長な説明は避けて要点だけを短く記述する。
FAQ
Q: 回答を「値引きタイミングの通知」で短く書いてもよいですか。
A: 意味は伝わりますが、具体性を欠くと減点される恐れがあります。本文の「値引き価格を印字したバーコードラベルを貼る適切な時刻を通知する機能」に沿って書くのが安全です。
A: 意味は伝わりますが、具体性を欠くと減点される恐れがあります。本文の「値引き価格を印字したバーコードラベルを貼る適切な時刻を通知する機能」に沿って書くのが安全です。
Q: 「値引き価格を印字したラベルを貼る時刻を通知する」と書き換えてもよいですか。
A: 意図は同じですが、「バーコードラベル」を省略すると情報が不足する場合があります。本文の語句に近い表現を維持してください。
A: 意図は同じですが、「バーコードラベル」を省略すると情報が不足する場合があります。本文の語句に近い表現を維持してください。
Q: なぜQ社パッケージ単独で対応できないとあるのですか。
A: 本文はQ社パッケージで管理するデータだけでは対応できないと述べており、適切な通知には販売データや店舗の売れ行き予測など外部データの連携が必要であることを示しています。
A: 本文はQ社パッケージで管理するデータだけでは対応できないと述べており、適切な通知には販売データや店舗の売れ行き予測など外部データの連携が必要であることを示しています。
関連キーワード: 通知機能、需要予測、在庫管理、センサデータ収集、アラート



