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応用情報技術者 2023年 春期 午前260


問題文

金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(令和元年)”における、内部統制に関係を有する者の役割と責任の記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

株主は、内部統制の整備及び運用について最終的な責任を有する。
監査役は、内部統制の整備及び運用に係る基本方針を決定する。
経営者は、取締役及び執行役の職務の執行に対する監査の一環として、独立した立場から、内部統制の整備及び運用状況を監視、検証する役割と責任を有している。
内部監査人は、モニタリングの一環として、内部統制の整備及び運用状況を検討、評価し、必要に応じて、その改善を促す職務を担っている。(正解)

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内部統制の関係者の役割【午前2解説】

正解の理由

設問で求められるのは、内部統制の「整備・運用・モニタリング」における各関係者の役割分担です。内部監査人はモニタリング(監視・評価)機能の中で、内部統制の整備および運用状況を検討・評価し、必要に応じて改善を促す職務を担います。したがって設問の正答は であり、内部監査人がモニタリングの一環として評価・改善提言を行うことが基準に合致します。

解法ステップ

  1. 設問が「役割と責任」を問うている点を確認する(整備・運用・監視のどれかを想定)。
  2. 各選択肢の主体(株主、監査役、経営者、内部監査人)が通常どの機能を持つかを思い出す。
    • 経営者:整備・運用の責任者(内部統制の設計・実行)
    • 内部監査人:独立した立場での評価・改善提言(モニタリング)
    • 監査役:取締役等の業務監査(監査機能)
    • 株主:基本的には所有・選任・監督(業務執行責任はない)
  3. 各選択肢を整合性で検証し、内部監査の職務記述が基準に合致する選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「株主は、内部統制の整備及び運用について最終的な責任を有する。」
    誤り。株主は会社の所有者として経営陣を選任・監督する立場にあるが、内部統制の整備・運用の最終責任は経営者(取締役等)にあります。株主に日常的な整備・運用責任はありません。
  • イ: 「監査役は、内部統制の整備及び運用に係る基本方針を決定する。」
    誤り。基本方針の決定は経営陣や取締役会の職務です。監査役は取締役等の職務執行を監査する役割であり、方針決定権限を持つことは通常ありません。
  • ウ: 「経営者は、取締役及び執行役の職務の執行に対する監査の一環として、独立した立場から、内部統制の整備及び運用状況を監視、検証する役割と責任を有している。」
    誤り。経営者は内部統制の整備および運用に責任を負う主体であり、「独立した立場から」監査・検証することは矛盾します。独立した評価は内部監査人や監査役等の別の機関が担います。経営者自身の監視・検証は内部統制の運用過程に含まれるが、「独立性」はありません。
  • エ: 正答である。内部監査人はモニタリング(定期的評価や独立評価)の一環として、整備・運用状況を検討・評価し、改善を促す職務を担う。

よくある誤解

  • 「経営者は内部統制の監査も行う」と考える誤解:経営者は整備・運用の責任者であり、客観的・独立的な評価(監査)は内部監査部門や監査役が担う点を混同しやすいです。
  • 「内部監査人は経営者の指揮下にある」:内部監査の有効性は独立性に依存します。内部監査は経営から独立した立場で評価・報告できることが求められます(運用面での協働はあっても指揮監督下にはない)。

補足コラム

財務報告に係る内部統制(ICFR)に関する監督基準では、役割分担が明確に求められます。実務上は次のような層で対応します。
  • 経営層:内部統制の設計・導入・日常運用と責任表明(代表者の責任)
  • 業務部門:日々のコントロール実行(職務分掌・承認行為など)
  • 内部監査:独立評価、改善提言、経営層への報告(モニタリング担当)
  • 監査役・会計監査人:外部・社内の監査機能で独立性を保ち評価・報告する
内部監査の活動例:業務プロセスのレビュー、サンプルによる手続き検証、是正措置のフォローアップ、経営への改善提案。これらは監査証跡の確保と改善サイクル(PDCA)につながります。

FAQ

Q1: 内部監査人は経営者の指揮下に置かれるのですか?
A1: いいえ。内部監査人は業務の性質上、評価・報告の独立性が必要です。組織内に配置されても、職務遂行に際しては独立した立場で評価・報告できる体制(報告ルートや人事的独立性など)が確保されるべきです。
Q2: 監査役と内部監査人の違いは何ですか?
A2: 監査役は会社の機関として取締役等の業務執行を法的に監査する役割を持ちます。内部監査人は管理組織内で内部統制・業務プロセスを評価し、経営改善に資する提言を行う実務的な評価機関です。両者は目的や独立性の求められ方が異なりますが、相互に情報共有・協力することが望ましいです。
Q3: 「監視」と「評価」はどう違いますか?
A3: 監視は日常的・継続的なモニタリング(業務内チェックなど)を指し、評価はその結果を踏まえた独立的な検証・判断(内部監査等)を指します。内部統制の有効性確保には両者の組合せが必要です。

関連キーワード: 内部統制, 内部監査, 監査役, 経営者責任, モニタリング, ICFR, COSO
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