応用情報技術者 2024年 秋期 午前2 問04
問題文
自動車の先進運転支援システムで使用されるセンサーの説明のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:可視光カメラは、天候などの影響を受けやすいが、交通標識の認識に使用できる。(正解)
イ:超音波センサーは、天候などの影響を受けやすいが、測定可能距離が500メートル以上と長い。
ウ:ミリ波レーダーは、天候などの影響を受けにくく、交通信号機の灯色の判別に使用できる。
エ:レーザーレーダーは、天候などの影響を受けにくく、建物の後ろにある物体を検知できる。
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車載センサー特性【午前2解説】
正解の理由
選択肢アは、可視光カメラの長所と短所を正しく記述しています。可視光カメラは色や文字、細かな形状の識別に優れており、交通標識の識別(色・文字・図形の判別)に適しています。一方で、夜間や逆光、濃霧や豪雨など視界を遮る環境では性能が低下しやすいため「天候などの影響を受けやすい」という記述も妥当です。これらの点が選択肢の主張と一致するため、選択肢アが妥当です。
解法ステップ
- 各選択肢が述べる「能力(何ができるか)」と「制約(影響を受けやすい/受けにくい)」を分けて把握する。
- センサーごとの一般的な特性(可視光カメラ、超音波、ミリ波レーダー、レーザーレーダー)を思い出す:検出距離、分解能(形状・色の識別可否)、天候耐性、視線依存(遮蔽の影響)など。
- 各選択肢の主張を照合し、実際の特性と矛盾がないものを選ぶ。特に「色判別」「長距離(数百メートル)」「遮蔽の後ろの検知」等は誤りを見つけやすい指標。
選択肢別の誤答解説
-
ア(可視光カメラは、天候などの影響を受けやすいが、交通標識の認識に使用できる)
→ 正答。可視光カメラは色・形状識別に向き、標識認識に適する。一方で光学的条件に弱い。 -
イ(超音波センサーは、天候などの影響を受けやすいが、測定可能距離が500メートル以上と長い)
→ 誤り。超音波センサーは音波を用いる近距離センサーで、通常の車載用途では検出距離は数十センチ〜数メートル程度(例:0.2〜5m)です。500メートルという長距離は現実的でなく、範囲表記が明らかに誤っています。天候(風や強い降雨)や音波の反射条件に影響を受ける点はあるものの、長距離という部分が致命的に不正確です。 -
ウ(ミリ波レーダーは、天候などの影響を受けにくく、交通信号機の灯色の判別に使用できる)
→ 誤り。ミリ波レーダー(電波)は雨・霧などの影響を受けにくく検出距離や速度検出に優れますが、色(赤・黄・緑)などの光学的情報を取得することはできません。したがって信号の灯色判別には適しません。 -
エ(レーザーレーダーは、天候などの影響を受けにくく、建物の後ろにある物体を検知できる)
→ 誤り。レーザーレーダー(LiDAR)は高分解能で詳細な距離・形状情報を得られますが、レーザー光は雨・霧・雪などの気象条件で散乱や減衰を受け性能が低下します。またLiDARは基本的に直線経路(視線)での測定のため、建物等の遮蔽物の後ろにある物体は直接検出できません(遮蔽の影響あり)。
よくある誤解
- ミリ波レーダーは「完全に天候に無関係」ではない:雨や霧に比較的強いものの、反射や吸収の影響はゼロではなく、分解能や検出精度に影響が出る場合があります。
- 超音波センサーは遠距離用ではない:車載で使う超音波は短距離向け(駐車支援等)であり、長距離検出を期待してはいけません。
- LiDARは万能ではない:高精度な点群を得られるが、降水や飛散物、さらに遮蔽の裏側検知は苦手です。複数センサーの補完が重要です。
補足コラム
- 代表的な自動車用センサー用途(目安)
- 可視光カメラ:色・文字・形状認識(標識・信号の番地認識、車線検出、物体分類)
- ミリ波レーダー(76–81GHz帯など):距離・相対速度検出、悪天候での前方車検知(数十〜数百メートル)
- LiDAR:高解像度の3D形状取得(短中距離〜中長距離、数十〜数百メートル)だが気象に弱い場合あり
- 超音波センサー:短距離障害物検出(数十センチ〜数メートル)、駐車支援など
- 実運用では各センサーの長所短所を組み合わせる「センサフュージョン」により、天候や遮蔽などの課題を補完し、安全性を高めています。
FAQ
Q1. ミリ波レーダーで信号機の色を識別できることはありますか?
A1. 通常はできません。レーダーは電波反射の強度や時間差・ドップラー情報を得るもので、色(光の波長情報)は分かりません。信号の色識別は可視光カメラや補助的な光学処理が必要です。
A1. 通常はできません。レーダーは電波反射の強度や時間差・ドップラー情報を得るもので、色(光の波長情報)は分かりません。信号の色識別は可視光カメラや補助的な光学処理が必要です。
Q2. LiDARは夜間でも使えますか?
A2. 基本的には使用可能ですが、雨・霧・雪などによりレーザー光が散乱・吸収されて精度が低下するため、単独での運用には限界があります。夜間でも可視光カメラと併用することで情報を補完します。
A2. 基本的には使用可能ですが、雨・霧・雪などによりレーザー光が散乱・吸収されて精度が低下するため、単独での運用には限界があります。夜間でも可視光カメラと併用することで情報を補完します。
Q3. センサーが一つだけで十分なことはありますか?
A3. 高い安全性を求める自動運転・ADASでは、1種類のセンサーだけに頼るのはリスクが高いです。異なる原理のセンサーを組み合わせることで、各センサーの弱点を補い合います。
A3. 高い安全性を求める自動運転・ADASでは、1種類のセンサーだけに頼るのはリスクが高いです。異なる原理のセンサーを組み合わせることで、各センサーの弱点を補い合います。
関連キーワード: 車載センサー, 可視光カメラ, ミリ波レーダー, レーザーレーダー, 超音波センサー, センサフュージョン

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