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応用情報技術者 2024年 秋期 午前215


問題文

あるクライアントサーバシステムにおいて、クライアントから要求された 1件の検索を処理するために、サーバで平均100万命令が実行される。1件の検索につき、ネットワーク内で転送されるデータは平均バイトである。このサーバの性能は100MIPSであり、ネットワークの転送速度はビット/秒である。このシステムにおいて、1秒間に処理できる検索要求は何件か。ここで、処理できる件数は、サーバとネットワークの処理能力だけで決まるものとする。また、1バイトは8ビットとする。

選択肢

50(正解)
100
200
400

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サーバとネットワークの処理能力【午前2解説】

正解の理由

このシステムの処理能力は、サーバの命令処理力とネットワークの転送力のうち低い方(ボトルネック)で決まります。サーバ側の処理能力は 100MIPS で 1件あたり 100万命令なので 件/秒、一方ネットワークは 1件あたり バイト ビットを転送するため 件/秒となり、低い方が有効です。したがって制限はネットワーク側にあり、処理件数は の 50 件/秒となります。

解法ステップ

  1. サーバ(CPU)による上限を求める
    • 1件あたり命令数 命令
    • サーバ性能
    • CPU上限
  2. ネットワークによる上限を求める
    • 1件あたりデータ量
    • 帯域
    • ネットワーク上限
  3. システム全体の処理件数はボトルネックの小さい方(min)

選択肢別の誤答解説

  • (50)
    正しい。上記の通りネットワークがボトルネックで 50 件/秒。
  • イ(100)
    CPU のみを見た場合の値(100 件/秒)です。ネットワーク転送量を無視しており、ネットワークがボトルネックであるため誤りになります。
  • ウ(200)
    200 件/秒を達成するにはいずれかが十分に高速でなければなりません。必要条件を数値で示すと:
    • CPU 側でボトルネックを解消するには 200 件/秒 × 命令 = 命令/秒 → 200 MIPS(現状の2倍必要)。
    • ネットワーク側で解消するには 200 件/秒 × ビット = ビット/秒 = 320 Mbps(現状の4倍)。
      いずれも現状の性能を超えるため、200 は達成できません。
  • エ(400)
    400 件/秒を出すにはさらに大きな増強が必要です。具体的には:
    • CPU:400 MIPS(現状の4倍)、または
    • ネットワーク:400 × = ビット/秒 = 640 Mbps(現状の8倍)。
      先の誤説明(2倍で 400 件になる等)は数値根拠と合致しません。正確には 2倍ではなく上記の倍率が必要です。

よくある誤解

  • 処理時間を単純に足して逆数を取ればよいと考える誤り
    • 例:CPU時間 、ネットワーク時間 を足して とし、 件/秒とする誤りがあります。これは「逐次的に一件ずつしか扱えない」とする仮定の式で、実際には複数の要求が並行に進行して各資源が独立に動作できるため、ボトルネック資源のスループットが支配します。したがって足し算は過小評価(実際より低い値)を招きます。
  • バイトとビットの単位変換ミス
    • 1バイトを8ビットとするのを忘れて計算すると、ネットワーク上限を誤って大きく見積もる原因になります。
  • MIPSの意味を勘違いする
    • MIPS は「百万命令/秒」の単位であり、命令数ベースの計算に直接用いる点を忘れないこと。

補足コラム

この種の問題は「どの資源がボトルネックか」を見抜く練習になります。実務ではさらに複数のユーザが同時接続するスレッド数、TCP の遅延・オーバーヘッド、パケットヘッダ分の追加データ、往復時間(RTT)による影響なども考慮します。教科書的解法ではまず各資源の単独処理能力(スループット)を計算し、最小値がシステム全体の上限になると判断します。

FAQ

Q. なぜ処理時間を足して 1/合計時間 にしないのですか?
A. その手法は「1件が完了するまで次を開始できない」逐次処理のモデルです。クライアントサーバやネットワークでは複数要求が並行して進行できるため、各資源の並列処理能力(スループット)を比較し、ボトルネックを選びます。
Q. MIPS と帯域幅、どちらが重要かはどう判断しますか?
A. それぞれが「命令/秒」「ビット/秒」という異なる資源です。求める件数をそれぞれの単位に換算して算出したスループットを比較し、低い方が重要です。
Q. 実務でスループットを改善する方法は?
A. ボトルネックがネットワークなら帯域増強やデータ圧縮、CDN キャッシュの導入。CPUなら処理の高速化(アルゴリズム改善、並列化、より高性能なCPU)などが有効です。

関連キーワード: MIPS、帯域幅、ボトルネック、単位変換、パイプライニング、スループット、命令数、ビット換算
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