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応用情報技術者 2024年 春期 午前254


問題文

工場の生産能力を増強する方法として、新規システムを開発する案と既存システムを改修する案とを検討している。次の条件で、期待金額価値の高い案を採用するとき、採用すべき案と期待金額価値との組合せのうち、適切なものはどれか。ここで、期待金額価値は、収入と投資額との差で求める。   〔条件〕  ・新規システムを開発する場合の投資額は100億円であって、既存システムを改修する場合の投資額は50億円である。  ・需要が拡大する確率は70%であって、需要が縮小する確率は30%である。  ・新規システムを開発した場合、需要が拡大したときは180億円の収入が見込まれ、需要が縮小したときは50億円の収入が見込まれる。  ・既存システムを改修した場合、需要が拡大したときは120億円の収入が見込まれ、需要が縮小したときは40億円の収入が見込まれる。  ・他の条件は考慮しない。
応用情報技術者 2024年 春期 午前2 問54の選択肢の画像

選択肢

(正解)

🔒 解説は解答すると表示されます

期待金額価値の計算【午前2解説】

正解の理由

期待金額価値は「期待収入 − 投資額」で求めます。与えられた確率と収入を用いて各案の期待収入を計算すると、新規開発は 億円、既存改修は 億円となります。ここから投資額を差し引くと、新規開発の期待金額価値は 億円、既存改修の期待金額価値は 億円です。期待金額価値がより高いのは既存改修なので、採用すべき案は (既存システムの改修、期待金額価値46億円)です。

解法ステップ

  1. 各案について期待収入を計算する:
    • 新規開発:(億円)
    • 既存改修:(億円)
  2. 期待収入から投資額を引いて期待金額価値を求める:
    • 新規開発:(億円)
    • 既存改修:(億円)
  3. 期待金額価値が高い案を採用する:既存改修(46億円)が新規開発(41億円)より大きいので既存改修を採用。

選択肢別の誤答解説

  • (既存システムの改修|46)
    正しい。上記計算の通り期待収入96億円から投資50億円を引き、期待金額価値は46億円になる。よって最も高い値であるため採用すべき案である。
  • イ(既存システムの改修|96)
    これは期待収入(投資を差し引く前の値)をそのまま期待金額価値と誤認したケースと一致する。期待収入96億円は正しいが、期待金額価値はそこから投資50億円を差し引く必要があるため不正解。
  • ウ(新規システムの開発|41)
    新規開発の期待金額価値は確かに41億円で、この数値自体は計算上正しい。しかし問題は「期待金額価値の高い案を採用する」点で、既存改修の46億円の方が大きいため採用案としては不適切である。
  • エ(新規システムの開発|130)
    130億円は期待収入141億円や期待金額価値41億円のどちらとも一致しない。不適切な確率・算術の誤り、または投資や確率の取り扱いミスによる誤答と考えられる(いかなる正しい計算でもこの130という値は導出されない)。

よくある誤解

  • 期待収入と期待金額価値を混同する:期待収入は「確率×収入の和」、期待金額価値はそこから投資額を差し引くことを忘れやすい。
  • 確率の扱いミス:確率は和が1(100%)になることを確認し、各状態の重み付けを正しく行うこと。
  • 四則演算の単純な計算ミス:特に小数(0.7, 0.3)や掛け算・足し算の順序で誤差が出やすい。

補足コラム

期待金額価値(Expected Monetary Value, EMV)はリスク中立の意思決定基準です。リスク回避的・リスク志向的な意思決定を行う場合は、期待効用や分散・標準偏差などリスク指標も加味して比較する必要があります。また、非金銭的要因(導入期間、運用リスク、既存資産の寿命など)も現実の意思決定では重要です。
簡単な再計算用Python例:
p_up = 0.7
p_down = 0.3

# 新規開発
rev_new = 180*p_up + 50*p_down
emv_new = rev_new - 100

# 既存改修
rev_old = 120*p_up + 40*p_down
emv_old = rev_old - 50

rev_new, emv_new, rev_old, emv_old

FAQ

Q. 「期待金額価値が高い=必ず採用すべき」と言ってよいですか?
A. 金銭面のみでの意思決定なら基本的にそうですが、リスク許容度・資金制約・非金銭的影響(工期、技術的リスク等)を考慮する場合は別の評価軸(期待効用、感度分析など)も用いるべきです。
Q. 状態が3つ以上ある場合の計算方法は?
A. 同様に各状態の「確率×収入」を全部足して期待収入を求め、投資を引いて期待金額価値を出します。確率の総和が1であることを確認してください。
Q. 確率が不確かで推定がブレる場合は?
A. 感度分析(確率や収入の変動に対する結果の変化)やシナリオ分析、モンテカルロシミュレーションを用いると意思決定が安定します。

関連キーワード: 期待収入、期待値、投資評価、意思決定、感度分析、リスク評価
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