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応用情報技術者 2024年 春期 午前279


問題文

不正競争防止法の不正競争行為に該当するものはどれか。

選択肢

A社と競争関係になっていないB社が、偶然に,A社の社名に類似のドメイン名を取得した。
ある地方だけで有名な和菓子に類似した商品名の飲料を、その和菓子が有名ではない地方で販売し、利益を取得した。
商標権のない商品名を用いたドメイン名を取得し、当該商品のコピー商品を販売し、利益を取得した。(正解)
他社サービスと類似しているが、自社サービスに適しており、正当な利益を得る目的があると認められるドメインを取得し、それを利用した。

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表示による混同惹起【午前2解説】

正解の理由

が不正競争行為に該当するのは、ドメイン名に当該商品の表示を使用し、さらにその表示が付されたコピー商品を販売して利益を得ているため、消費者に対する商品出所の混同を惹起しうるからです。不正競争防止法は、他人の商品等表示を不正に用いて商品や営業について混同を生じさせる行為(いわゆる混同惹起行為)や、著名な表示を冒用する行為を不正競争行為として禁止しています。ここでは著名な登録商標が存在しない場合でも、表示の使用とそれに伴う混同の可能性があれば保護の対象となります。したがって、ドメイン取得とコピー商品の販売という行為の組合せは不正競争に当たります。
(注:これは「営業秘密の侵害」ではなく、表示の冒用・混同惹起など表示に関する不正競争類型に該当する、という点に注意してください。)

解法ステップ

  1. 争点を特定する:表示(商品名・ドメイン)と商品の関係、消費者の混同可能性、悪意(不正の目的)の有無を確認する。
  2. 表示の性質を確認する:登録商標であるか、あるいは周知・引受けられている表示か。周知性がなくとも混同可能性があれば該当し得る。
  3. 行為の態様を見る:単に類似ドメインを取得しただけか、当該表示を使って実際に商品販売や利益取得が行われているか。販売や利益取得があれば不正競争に該当しやすい。
  4. 地域性・対象者を検討する:表示の周知範囲や販売地域によって混同の有無を判断する。
  5. 選択肢と照合して最も要件を満たすものを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: A社と競争関係にないB社が偶然似たドメインを取得した場合
    • 単なる偶然の取得であり、営業上の利用や消費者の混同を惹起する行為が認められない限り、不正競争とはならない可能性が高い。悪意(不正の目的)や混同の結果が問題となるため、事実関係次第で判断されるが、設問文のままでは不正競争にあたるとは言えない。
  • イ: ある地方だけで有名な和菓子に類似した商品名の飲料を、その和菓子が有名ではない地方で販売して利益を得た場合
    • 重要なのは「混同を惹起することがあるか」および「表示の周知範囲」です。和菓子が有名でない地域での販売であれば、現地の消費者が混同する蓋然性が低く、不正競争に当たらないと評価される場合がある。したがって本選択肢は必ずしも不正競争行為に該当するとは言えない(設問では該当とされていない)。
  • : 商標権のない商品名を用いたドメイン名を取得し、当該商品のコピー商品を販売し、利益を取得した場合
    • ドメイン表示による表示冒用と実際のコピー商品の販売が結びつき、消費者に商品の出所や出品者の信用について誤認を与える可能性が高い。商標登録の有無に関わらず表示の不正使用・混同の惹起に当たるため、不正競争行為に該当する。
  • エ: 他社サービスと類似しているが、自社サービスに適しており、正当な利益を得る目的があると認められるドメインを取得し、それを利用した場合
    • 競合する類似サービスであっても、表示の使用が正当業務の範囲内であり、混同を惹起する意図や混同の可能性が認められない場合は不正競争に当たらない。正当な利用目的と実際の誤認回避措置の有無が判断の鍵となる。

よくある誤解

  • 商標登録がないと保護されない:誤り。商標登録がなくても、周知性や混同惹起の恐れがあれば不正競争防止法による保護対象となり得る。
  • 類似ドメインの取得だけで直ちに不正競争:誤り。単なる取得だけではなく、表示利用による販売や利益取得、消費者混同の蓋然性などが必要である。
  • コピー商品の販売は営業秘密侵害である:誤り。コピー商品販売は通常、混同惹起や著名表示の冒用・毀損、商標権侵害等の類型に該当しうるが、「営業秘密の侵害」とは別の類型である。

補足コラム

  • 救済手段:不正競争防止法に基づく差止請求、損害賠償請求、商品の廃棄請求などの民事救済が可能です。悪質な場合は刑事罰(罰則)も適用される類型があります。
  • ドメイン紛争:ドメイン名そのものが問題になる場合、ICANNのUDRP等の国際的手続きや国内のドメイン紛争解決手続きを利用することもあります。
  • 試験対策の観点:出題では「表示の使用+混同の蓋然性+利益取得(営業行為)」という要素がセットで問われることが多いので、これらを切り分けて判断する練習をするとよいです。

FAQ

Q1: 商標登録がない「商品名」を使っても不正競争に問えるのですか?
A1: はい。商標登録の有無にかかわらず、ある表示を用いて消費者に出所混同を生じさせる行為は不正競争防止法で保護され得ます。表示の周知性や混同の蓋然性が判断基準となります。
Q2: 類似ドメインの単独取得は違法になりますか?
A2: 単独の取得自体は直ちに不正競争とは限りません。取得後の利用態様(商品販売、利益取得、混同を惹起する表現の使用など)で違法性が判断されます。
Q3: コピー商品を販売したら必ず不正競争ですか?
A3: コピー商品の販売は多くの場合、不正競争(混同惹起、著名表示の冒用、商標権侵害など)に当たりますが、具体的事情(表示の使用の有無、出所混同の蓋然性、地域性など)により判断されます。

関連キーワード: 不正競争防止法、混同惹起、著名表示の冒用、ドメイン名、コピー商品、差止請求、表示保護、周知性、商標非登録の保護
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