解説
関係AとBに対して和集合演算が成立するための必要十分条件【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:和集合演算が成立するには、関係AとBの次数が同じで対応する属性のドメインも等しいことが必要です。
- 根拠:和集合は同じ構造の集合同士でしか意味を持たず、属性の数や型が異なると集合演算ができません。
- 差がつくポイント:属性名の一致ではなく、属性の順序とドメインの一致が重要である点を理解しましょう。
正解の理由
和集合演算は、2つの関係(テーブル)が「同じ構造」であることが前提です。ここでいう構造とは、属性の数(次数)が同じで、かつ対応する属性のドメイン(データ型や値の範囲)が一致していることを指します。
選択肢イは「次数が同じで、対応する属性のドメインが等しい」と明確に述べており、和集合演算の必要十分条件を正確に表しています。
よくある誤解
属性名が同じであれば和集合ができると誤解しやすいですが、属性名よりも属性の順序とドメインの一致が重要です。
また、主キーやタプル数の一致は和集合の成立条件には関係ありません。
解法ステップ
- 和集合演算の定義を確認する。
- 和集合が成立するためには、2つの関係の属性数(次数)が同じである必要があることを理解する。
- 次に、対応する属性のドメイン(データ型や値の範囲)が一致しているかを確認する。
- 属性名の一致は必須ではないことを押さえる。
- 選択肢の中から「次数が同じで、対応する属性のドメインが等しい」ものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「同じ属性名でドメインが等しい属性が含まれている」だけでは不十分。属性の数や順序が異なれば和集合は成立しません。
- イ: 「次数が同じで、対応する属性のドメインが等しい」ため正解。和集合演算の必要十分条件を満たしています。
- ウ: 「主キー属性のドメインが等しい」ことは和集合の条件ではなく、主キーの有無や内容は関係ありません。
- エ: 「濃度(タプル数)が同じで、ドメインが等しい属性が少なくとも一つ存在する」では不十分で、タプル数の一致は和集合の条件ではありません。
補足コラム
関係代数における和集合演算は、集合論の和集合と同様に「同じ種類の要素の集合」を扱うため、属性の数や型が異なると意味を成しません。
また、SQLのUNION演算子も同様に、列数と対応する列のデータ型が一致している必要があります。属性名は異なっていても構いませんが、実務では混乱を避けるため同じ名前を使うことが多いです。
FAQ
Q: 属性名が違っても和集合はできますか?
A: はい。属性名は和集合の成立条件ではなく、属性の順序とドメインの一致が重要です。
Q: 主キーが異なっていても和集合は成立しますか?
A: はい。主キーの有無や内容は和集合演算の条件には含まれません。
Q: タプル数が違う場合は和集合はできませんか?
A: タプル数は和集合の成立条件ではありません。タプル数が異なっていても和集合は可能です。
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