データベーススペシャリスト試験 2016年 午前2 問16
問題文
WAL(Write Ahead Log)プロトコルの目的に関する説明のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア：実行中のトランザクションを一時停止させることなく、 チェックポイント処理を可能にする。
イ：デッドロック状態になっているトランザクションの検出を可能にする。
ウ：何らかの理由でDBMSが停止しても、 コミット済みであるがデータベースに書き込まれていない更新データの回復を可能にする。（正解）
エ：ログを格納する記録媒体に障害が発生しても、 データベースのデータ更新を可能にする。
WAL(Write Ahead Log)プロトコルの目的に関する問題【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論：WALプロトコルは、障害発生時にコミット済みの更新データを確実に回復するための仕組みです。
- 根拠：トランザクションの更新内容を先にログに書き込み、データベース本体への反映は後で行うことで整合性を保ちます。
- 差がつくポイント：WALはデータの耐障害性を高めるための技術であり、デッドロック検出やチェックポイント処理とは目的が異なります。
正解の理由
選択肢ウは「何らかの理由でDBMSが停止しても、コミット済みであるがデータベースに書き込まれていない更新データの回復を可能にする」と述べています。
これはWALの本質的な目的に合致します。WALでは、更新内容をデータベースに反映する前にログに書き込むため、障害発生時にログから未反映のコミット済みデータを復元できます。
この仕組みにより、データベースの整合性と耐障害性が保証されます。
これはWALの本質的な目的に合致します。WALでは、更新内容をデータベースに反映する前にログに書き込むため、障害発生時にログから未反映のコミット済みデータを復元できます。
この仕組みにより、データベースの整合性と耐障害性が保証されます。
よくある誤解
WALはデッドロック検出やチェックポイント処理のための技術ではありません。
また、ログ記録媒体の障害に対する耐性を直接高めるものでもありません。
また、ログ記録媒体の障害に対する耐性を直接高めるものでもありません。
解法ステップ
- WALの基本動作を理解する（ログ先行書き込みの原則）。
- トランザクションのコミットとログの関係を確認する。
- 障害発生時の回復処理の役割を考える。
- 選択肢の内容がWALの目的に合致しているかを検証する。
- 他の選択肢がWALの目的と異なることを確認し除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: チェックポイント処理はWALと関連しますが、WALの主目的は回復性の確保であり、トランザクションの一時停止とは直接関係ありません。
- イ: デッドロック検出はトランザクション管理の別機能であり、WALの目的ではありません。
- ウ: 正解。WALはコミット済みだが未反映の更新をログから回復可能にします。
- エ: ログ記録媒体の障害に対する耐性はWALの範囲外であり、別途冗長化などの対策が必要です。
補足コラム
WALはデータベースの耐障害性を高めるための基本技術で、障害発生時のロールフォワード回復に不可欠です。
また、チェックポイント処理と組み合わせることで、回復時間の短縮も実現します。
近年の分散データベースやクラウド環境でもWALの考え方は重要な役割を果たしています。
また、チェックポイント処理と組み合わせることで、回復時間の短縮も実現します。
近年の分散データベースやクラウド環境でもWALの考え方は重要な役割を果たしています。
FAQ
Q: WALはなぜログを先に書き込むのですか？
A: 障害発生時にログから未反映の更新を復元し、データの整合性を保つためです。
A: 障害発生時にログから未反映の更新を復元し、データの整合性を保つためです。
Q: WALはデッドロック検出に関係ありますか？
A: いいえ。デッドロック検出はトランザクション管理の別機能で、WALの目的とは異なります。
A: いいえ。デッドロック検出はトランザクション管理の別機能で、WALの目的とは異なります。
関連キーワード: WAL, Write Ahead Log, トランザクション管理、データベース回復、障害耐性、ログ管理