1台のサーバと3台のクライアントの稼働確率問題【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:システムが利用できない確率は「サーバが停止かつ全クライアントが停止」の確率で表され、式は 1-(1-α)(1-β³) となる。
- 根拠:システム利用可能条件は「サーバ稼働かつ少なくとも1台のクライアント稼働」であり、利用不可はその否定。
- 差がつくポイント:クライアント3台の停止確率を累乗で表すことと、全体の否定を正しく理解することが重要。
正解の理由
この問題の利用不可条件は「サーバが停止している(確率α)かつ3台のクライアント全てが停止している(確率β³)」です。
したがって、利用不可の確率は α × β³ となります。
一方、選択肢アの式は 1-(1-α)(1-β³) であり、これは「サーバが稼働している確率 (1-α) とクライアントが全て停止していない確率 (1-β³)」の積の否定、すなわち利用不可の確率を正しく表しています。
他の選択肢はクライアントの停止確率の扱いや全体の否定の部分で誤りがあります。
よくある誤解
「クライアントの停止確率を単純に3倍する」や「利用可能条件の否定を誤って計算する」ことが多いです。
また、クライアントの停止確率を累乗で表すことを忘れがちです。
解法ステップ
- システム利用可能条件を明確にする:「サーバ稼働かつ少なくとも1台のクライアント稼働」
- 利用不可条件はその否定:「サーバ停止かつ全クライアント停止」
- サーバ停止確率は α、クライアント1台停止確率は β
- 3台全て停止の確率は β³(独立事象の積)
- 利用不可確率は α × β³
- 選択肢の式を確認し、利用不可確率を表す式は 1-(1-α)(1-β³) であることを理解する
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。サーバ稼働確率とクライアント全停止の否定を正しく表現。
- イ: クライアントの稼働確率を (1-β) として3乗しているが、これは「クライアント1台が稼働していない確率の3乗」で誤り。
- ウ: (1-α)(1-β)³ は「サーバ稼働かつクライアント全稼働」の確率であり、利用不可確率ではない。
- エ: 1-αβ³ は「1 - (サーバ停止 × クライアント全停止)」であり、利用可能確率の一部を誤って表現している。
補足コラム
この問題は「確率の独立性」と「全体の否定」を理解する良い例です。
複数の独立した機器の稼働・停止確率を扱う際は、各機器の状態を掛け合わせて全体の状態を求めることが基本です。
また、システム全体の可用性を考える際は「少なくとも1台が稼働している」などの条件を正しく否定して計算することが重要です。
FAQ
Q: なぜクライアントの停止確率は β³ になるのですか?
A: クライアント3台は独立しているため、全て停止する確率は各停止確率の積、すなわち β × β × β = β³ となります。
Q: 利用可能確率はどのように求めますか?
A: 利用可能確率は「サーバ稼働かつ少なくとも1台のクライアント稼働」の確率で、式は (1-α)(1-β³) となります。
Q: 選択肢イの (1-β)³ は何を意味していますか?
A: これは「クライアント1台が稼働している確率の3乗」であり、全クライアントが稼働している確率を表します。問題の条件とは異なります。
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