データベーススペシャリスト 2022年 午前2 問22
問題文
ストレージ技術におけるシンプロビジョニングの説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:同じデータを複数台のハードディスクに書き込み、冗長化する。
イ:一つのハードディスクを、OSをインストールする領域とデータを保存する領域とに分割する。
ウ:ファイバチャネルなどを用いてストレージをネットワーク化する。
エ:利用者の要求に対して仮想ボリュームを提供し、物理ディスクは実際の使用量に応じて割り当てる。(正解)
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シンプロビジョニング【午前2解説】
正解の理由
シンプロビジョニングは、ストレージ管理で仮想ボリューム(論理容量)を利用者へ要求どおりに即座に提示しつつ、物理ディスクへの割当は実際のデータ書き込み(使用量)に応じて行う技術です。選択肢の中では、エがこの特徴を正確に表しています。具体的には、仮想容量の合計が物理容量を上回る(オーバーコミット/オーバープロビジョニングを許容する)ことにより、初期の物理割当を遅延させて資源を効率的に利用します。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「仮想ボリューム」「物理ディスク」「実際の使用量に応じて割り当てる」を確認する。
- 各選択肢を、RAIDやパーティション、ネットワーク化など既知の概念と照らし合わせる。
- 「仮想的な見せかけの容量」と「物理割当の遅延」を含む説明を選ぶ(これがシンプロビジョニングの本質)。
- 上記に合致する選択肢があればそれを正解とする(本問ではエ)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 同じデータを複数台のハードディスクに書き込み、冗長化する。
- これはミラーリングやRAID1などの冗長化技術の説明であり、シンプロビジョニングとは無関係です。
- イ: 一つのハードディスクを、OSをインストールする領域とデータを保存する領域とに分割する。
- これはパーティション分割の説明であり、仮想ボリュームと物理割当の遅延という観点を含みません。
- ウ: ファイバチャネルなどを用いてストレージをネットワーク化する。
- これはSAN(ストレージエリアネットワーク)やストレージネットワーキングの説明で、シンプロビジョニングの機能説明ではありません。
- エ: 利用者の要求に対して仮想ボリュームを提供し、物理ディスクは実際の使用量に応じて割り当てる。
- これが正答。仮想的に大きな容量を提示し、実使用に応じて物理容量を割り当てる点がシンプロビジョニングの本質です。
よくある誤解
- シンプロビジョニングは「物理容量を無駄に増やす」技術である
- 誤り:むしろ「物理割当を遅延」することで、初期の無駄な物理確保を減らし利用効率を高めます。結果として、仮想容量の合計が物理容量を上回る(オーバーコミット)状況を管理・許容することが多いです。
- オーバーコミットは常に安全である
- 誤り:ワークロード次第では物理容量不足を招き、サービス停止や性能劣化を引き起こすため、監視や閾値設定、予備容量の確保が必須です。
- シンプロビジョニングは性能改善の手段である
- 部分的に正しいが誤解もある:容量効率を改善する技術であり、必ずしも性能向上を目的とするものではありません。逆に、過度なオーバーコミットや断片化が性能低下を招くことがあります。
補足コラム
- 実運用でのポイント
- モニタリング:物理使用率、割当率、オーバーコミット比率を常時監視し、警報設定を行う。
- 空き領域の回収(リクレイム):ゲストOSから不要になった領域を通知してホスト側で解放する仕組み(例:SCSI UNMAP、TRIM)をサポートしているか確認する。
- スナップショットとの関係:スナップショットや重複排除・圧縮と併用すると容量管理の挙動が複雑化するため、挙動を理解して設計する。
- 例:物理10TBのストレージ上に、合計50TB分の仮想ボリュームを割り当て、実使用量が4TBで推移している場合、シンプロビジョニングにより最初から50TB分の物理を確保せず運用できます(オーバーコミット比率は5:1)。
FAQ
Q: シン(thin)プロビジョニングとシック(thick)プロビジョニングの違いは何ですか?
A: シンプロビジョニングは仮想容量を先に割り当て、物理割当は書き込み時に行う(遅延割当)方式です。シックプロビジョニングは仮想容量と同量の物理領域を初期に確保する方式で、物理容量不足のリスクは低いが初期コストが高くなります。
A: シンプロビジョニングは仮想容量を先に割り当て、物理割当は書き込み時に行う(遅延割当)方式です。シックプロビジョニングは仮想容量と同量の物理領域を初期に確保する方式で、物理容量不足のリスクは低いが初期コストが高くなります。
Q: オーバーコミットしても問題ない状況はありますか?
A: ワークロードが予測可能で使用率が低い/突発的に増えない場合や、追加物理容量を迅速に用意できる運用体制が整っている場合は有効です。ただし常時の監視と容量アラートは必須です。
A: ワークロードが予測可能で使用率が低い/突発的に増えない場合や、追加物理容量を迅速に用意できる運用体制が整っている場合は有効です。ただし常時の監視と容量アラートは必須です。
Q: 既存環境でシンプロビジョニングを導入する際の注意点は?
A: ゲストOS・ファイルシステムの未使用領域を確実に開放できるか(UNMAP/TRIM対応)、スナップショットや重複排除との相互作用、監視とアラートの設計を事前に検討してください。
A: ゲストOS・ファイルシステムの未使用領域を確実に開放できるか(UNMAP/TRIM対応)、スナップショットや重複排除との相互作用、監視とアラートの設計を事前に検討してください。
関連キーワード: シンプロビジョニング、ThinProvisioning、オーバーコミット、ストレージ仮想化、UNMAP、容量管理、スナップショット、リクレイム

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