データベーススペシャリスト試験 2022年 午前2 問23
問題文
分散処理システムに関する記述のうち、アクセス透過性を説明したものはどれか。
選択肢
ア：遠隔地にある資源を、 遠隔地での処理方式を知らなくても、 手元にある資源と同じ操作で利用できる。（正解）
イ：システムの運用及び管理をそれぞれの組織で個別に行うことによって、 その組織の実態に合ったサービスを提供することができる。
ウ：集中して処理せずに、 データの発生場所やサービスの要求場所で処理することによって、 通信コストを削減できる。
エ：対等な関係のコンピュータが複数あるので、 一部が故障しても他のコンピュータによる処理が可能となり、 システム全体の信頼性を向上させることができる。
分散処理システムに関するアクセス透過性の説明【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論：アクセス透過性とは、遠隔地の資源を手元の資源と同じ操作で利用できる性質です。
- 根拠：利用者が資源の物理的な場所や処理方式を意識せずに操作できるため、利便性が高まります。
- 差がつくポイント：アクセス透過性は「利用のしやすさ」に着目し、分散環境の複雑さを隠蔽する点が重要です。
正解の理由
選択肢アは「遠隔地にある資源を、遠隔地での処理方式を知らなくても、手元にある資源と同じ操作で利用できる」と述べており、これはアクセス透過性の定義そのものです。利用者が資源の場所や処理方法を意識せずに操作できるため、分散システムの複雑さを隠し、利便性を向上させます。
よくある誤解
アクセス透過性は単に「遠隔地の資源を使うこと」ではなく、「利用者がその遠隔性を意識しないで使えること」です。場所の違いを隠す点が重要です。
解法ステップ
- 問題文の「アクセス透過性」の意味を確認する。
- 各選択肢が「利用者が資源の場所や処理方式を意識しないで使えるか」を判断する。
- アが「手元の資源と同じ操作で利用できる」と明示しているため正解と判断。
- 他の選択肢は管理方法や処理方式、信頼性に関する説明であることを確認。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。アクセス透過性の定義に合致。
- イ: システムの運用管理の分散化に関する説明で、アクセス透過性とは異なる。
- ウ: 処理の分散化による通信コスト削減の説明で、アクセス透過性の説明ではない。
- エ: システムの信頼性向上（冗長性）に関する説明で、アクセス透過性とは別の概念。
補足コラム
アクセス透過性は分散システムの「透過性」の一種で、他に「位置透過性」「移動透過性」「複製透過性」などがあります。これらは利用者に分散環境の複雑さを隠し、システムの利用を容易にするための重要な設計指針です。
FAQ
Q: アクセス透過性と位置透過性は同じですか？
A: 位置透過性は資源の物理的な位置を隠すことに特化した透過性で、アクセス透過性は操作方法も含めた広い概念です。
A: 位置透過性は資源の物理的な位置を隠すことに特化した透過性で、アクセス透過性は操作方法も含めた広い概念です。
Q: なぜアクセス透過性が重要なのですか？
A: 利用者が分散環境の複雑さを意識せずに資源を利用できるため、システムの利便性と生産性が向上します。
A: 利用者が分散環境の複雑さを意識せずに資源を利用できるため、システムの利便性と生産性が向上します。
関連キーワード: 分散処理、アクセス透過性、分散システム、透過性、システム設計