エンベデッドシステムスペシャリスト 2015年 午前2 問15
問題文
マイコンに供給するクロックとシリアル通信ポートに使用するクロックを共用するマイコンシステムがある。クロックを分の1に分周するだけでビット/秒の通信速度を得るためには、マイコンに供給するクロックを何MHzにするのが最も適切か。ここで、シリアル通信ポートのクロックの精度は5%以内に収まればよいものとする。

選択肢
ア:52
イ:60(正解)
ウ:66
エ:72
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分周による通信クロック設定【午前2解説】
正解の理由
シリアル通信ポートに使うクロックは、マイコンのクロックを 分の1にしたものです。したがって、分周比は のような2の累乗に限られます。
通信速度の許容範囲は、57.6 kビット/秒の5%以内なので、
つまり、54.72 kビット/秒以上、60.48 kビット/秒以下です。
マイコンのクロックを60 MHzとし、 で分周すると、
となります。57.6 kビット/秒との差は約1.7%で、許容範囲内です。そのため、イの60 MHzが適切です。
解法ステップ
-
目標の通信速度をビット/秒に直します。
57.6 kビット/秒は57,600ビット/秒です。 -
許容される通信速度の範囲を求めます。
5%以内なので、54,720〜60,480ビット/秒です。 -
各クロックを2の累乗で分周し、許容範囲に入るか確認します。
- 許容範囲内になるクロックを選びます。
選択肢別の誤答解説
- アの52 MHz:1,024分周では約50.78 kビット/秒となり、許容される下限を下回ります。512分周では約101.56 kビット/秒となり、速すぎます。
- イの60 MHz:1,024分周で約58.59 kビット/秒となり、5%以内に収まります。
- ウの66 MHz:1,024分周では約64.45 kビット/秒となり、許容される上限を超えます。
- エの72 MHz:1,024分周では約70.31 kビット/秒となり、許容される上限を超えます。
よくある誤解
- 分周比を自由に選べると思い込むことがあります。この問題では、分周比は に限られます。
- 目標速度と完全に一致するクロックを探そうとすることがあります。今回は精度が5%以内ならよいため、許容範囲に入るかで判断します。
- 分周後の速度の誤差を、クロック周波数の誤差と混同しないようにします。判定対象は、分周後の通信速度です。
補足コラム
分周後の通信速度は、次の式で求められます。
60 MHzの場合、分周比1,024は なので、分周設定は です。目標速度と完全一致しなくても、指定された精度の範囲に入れば条件を満たします。
FAQ
なぜ分周比を1,024にするのですか?
1,024は2の累乗であり、60 MHzを分周すると約58.59 kビット/秒となって許容範囲に入るためです。
1,024は2の累乗であり、60 MHzを分周すると約58.59 kビット/秒となって許容範囲に入るためです。
60 MHzなら57.6 kビット/秒に完全一致しますか?
いいえ。1,024分周後は約58.59 kビット/秒です。ただし、目標速度との差が5%以内なので条件を満たします。
いいえ。1,024分周後は約58.59 kビット/秒です。ただし、目標速度との差が5%以内なので条件を満たします。
関連キーワード: 分周、クロック周波数、通信速度、許容誤差、シリアル通信

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