エンベデッドシステムスペシャリスト 2020年 午前2 問11
問題文
PLLのブロック図中のa~cに入れるべき回路の組合せとして、適切なものはどれか。


選択肢
ア:
イ:(正解)
ウ:
エ:
🔒 解説は解答すると表示されます
PLLの基本構成【午前2解説】
正解の理由
イが適切です。PLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)は、入力信号とフィードバック信号の位相差を検出し、その差が小さくなるように出力信号を調整する回路です。
図では、入力信号とフィードバック信号の両方が入るaが位相比較器です。位相比較器の出力は、低域通過フィルタを通ってcに入力されます。制御電圧に応じて出力信号の周波数を変えるcは**電圧制御発振器(VCO)**です。
また、出力信号から分岐したフィードバック経路にあるbは、出力周波数を下げて位相比較器に戻す分周器です。したがって、aが位相比較器、bが分周器、cが電圧制御発振器となる組合せが正解です。
解法ステップ
-
2つの信号が入力される回路を探します。
入力信号とフィードバック信号を受け取るaは、両者の位相差を比較する位相比較器です。 -
低域通過フィルタの後ろにある回路を考えます。
フィルタは、位相比較器が出した信号から高周波成分などを取り除き、VCOを制御するための電圧を整えます。その後段のcは電圧制御発振器です。 -
出力から位相比較器へ戻る経路を確認します。
出力周波数を比較に適した周波数へ変換して戻すbは、分周器です。
選択肢別の誤答解説
- ア:aの位相比較器は正しいですが、bとcが逆です。フィードバック経路のbは分周器、低域通過フィルタの後段cは電圧制御発振器です。
- イ:aが位相比較器、bが分周器、cが電圧制御発振器であり、図の信号の流れと一致します。
- ウ:aとbの役割が逆です。入力信号とフィードバック信号を比較するaは位相比較器であり、出力をフィードバック経路で分周するのがbです。
- エ:aとcの役割が逆です。2つの信号を受け取るaは位相比較器で、低域通過フィルタの後段で発振するcは電圧制御発振器です。
よくある誤解
- 低域通過フィルタを位相比較器や発振器と混同する
フィルタは位相比較器の出力を整える回路であり、位相を比較したり、信号を発振したりする回路ではありません。 - フィードバック経路の回路を見落とす
PLLでは、出力を入力側へ戻す経路も重要です。図のbは、その経路で出力信号を分周する役割を持ちます。 - VCOを入力信号の発生回路と考える
VCOは入力信号そのものを作るのではなく、位相比較器の結果に応じてPLLの出力信号を発振します。
補足コラム
PLLは、位相比較器・低域通過フィルタ・電圧制御発振器を基本要素とするフィードバック回路です。フィードバック経路に分周器を入れると、出力周波数を基準となる入力信号に対して所定の比率にできます。周波数シンセサイザや通信機器のクロック生成などに利用されます。
FAQ
低域通過フィルタはなぜ必要ですか?
位相比較器の出力に含まれる不要な変動を抑え、VCOを安定して制御するためです。
位相比較器の出力に含まれる不要な変動を抑え、VCOを安定して制御するためです。
分周器がないPLLもありますか?
あります。基本的なPLLでは分周器を使わない構成もありますが、出力周波数を入力信号の整数倍などに設定する構成では、フィードバック経路に分周器を置きます。
あります。基本的なPLLでは分周器を使わない構成もありますが、出力周波数を入力信号の整数倍などに設定する構成では、フィードバック経路に分周器を置きます。
PLLは何を同期させますか?
出力信号の位相を入力信号に追従させます。位相が同期すると、周波数も入力信号に対応した関係になります。
出力信号の位相を入力信号に追従させます。位相が同期すると、周波数も入力信号に対応した関係になります。
関連キーワード: PLL、位相比較器、低域通過フィルタ、電圧制御発振器、分周器、フィードバック回路

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