エンベデッドシステムスペシャリスト 2020年 午前2 問17
問題文
楕円曲線暗号に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:AESに代わる共通鍵暗号方式としてNISTが標準化している。
イ:共通鍵暗号方式であり、ディジタル署名にも利用されている。
ウ:公開鍵暗号方式であり、TLSにも利用されている。(正解)
エ:素因数分解問題の困難性を利用している。
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楕円曲線暗号【午前2解説】
正解の理由
楕円曲線暗号(ECC)は、楕円曲線上の離散対数問題の解きにくさを利用する公開鍵暗号方式です。TLSでは、鍵交換やディジタル署名などに楕円曲線を利用する方式が使われています。
したがって、「公開鍵暗号方式であり、TLSにも利用されている」とするウが適切です。
解法ステップ
- 楕円曲線暗号が、共通鍵暗号か公開鍵暗号かを確認します。
→ 公開鍵暗号方式です。 - 楕円曲線暗号が、どの数学的問題の困難性を利用するかを確認します。
→ 楕円曲線上の離散対数問題です。 - TLSでの利用や、素因数分解との関係を選択肢と照らし合わせます。
→ TLSで利用され、素因数分解問題を利用する方式ではありません。
選択肢別の誤答解説
- ア:楕円曲線暗号は共通鍵暗号ではなく、AESに代わる方式ではありません。AESは共通鍵暗号方式です。
- イ:楕円曲線暗号は共通鍵暗号方式ではありません。楕円曲線を使ったディジタル署名方式(ECDSAなど)はありますが、選択肢の前半が誤りです。
- ウ:楕円曲線暗号は公開鍵暗号方式であり、TLSの鍵交換やディジタル署名などに利用されています。
- エ:素因数分解問題の困難性を利用する代表的な公開鍵暗号はRSAです。楕円曲線暗号が利用するのは、楕円曲線上の離散対数問題です。
よくある誤解
- 「暗号」と名が付く方式は、すべて同じ種類だと思う
AESは共通鍵暗号、楕円曲線暗号は公開鍵暗号です。分類を区別しましょう。 - ディジタル署名に使えるなら、共通鍵暗号だと思う
楕円曲線を使ったディジタル署名方式はありますが、楕円曲線暗号そのものは公開鍵暗号の考え方に基づきます。 - 公開鍵暗号の安全性の根拠を混同する
RSAは素因数分解問題、楕円曲線暗号は楕円曲線上の離散対数問題に基づきます。
補足コラム
楕円曲線暗号は、同程度の安全性を実現する場合に、RSAなどと比べて短い鍵で済むことが特徴です。TLSでは、楕円曲線を用いた鍵交換方式や署名方式が利用されます。ただし、TLSそのものが楕円曲線暗号というわけではなく、複数の暗号方式を組み合わせる通信プロトコルです。
FAQ
Q. 楕円曲線暗号は、TLSで通信内容を直接暗号化しますか?
A. TLSでは、楕円曲線を用いた鍵交換などで通信に使う共通鍵を共有し、その後の通信データは主に共通鍵暗号で暗号化します。
A. TLSでは、楕円曲線を用いた鍵交換などで通信に使う共通鍵を共有し、その後の通信データは主に共通鍵暗号で暗号化します。
Q. 楕円曲線暗号はディジタル署名にも使えますか?
A. はい。ECDSAなど、楕円曲線を利用するディジタル署名方式があります。
A. はい。ECDSAなど、楕円曲線を利用するディジタル署名方式があります。
Q. RSAと楕円曲線暗号の違いは何ですか?
A. どちらも公開鍵暗号方式ですが、RSAは素因数分解問題、楕円曲線暗号は楕円曲線上の離散対数問題を安全性の根拠としています。
A. どちらも公開鍵暗号方式ですが、RSAは素因数分解問題、楕円曲線暗号は楕円曲線上の離散対数問題を安全性の根拠としています。
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