基本情報技術者 2009年 秋期 午前(科目A) 問41
問題文
PCからサーバに対し、IPv6を利用した通信を行う場合、ネットワーク層で暗号化を行うのに利用するものはどれか。
選択肢
ア:IPsec(正解)
イ:PPP
ウ:SSH
エ:SSL
IPv6でのネットワーク層暗号化に使うものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:IPv6のネットワーク層で暗号化を行うのはIPsecであり、IPヘッダ単位での認証・暗号化が可能です。
- 根拠:IPsecはOSI参照モデルのネットワーク層(IP層)で動作し、ESP/AHで機密性・完全性を提供する仕様だからです。
- 差がつくポイント:SSHやSSLは上位層(アプリ/トランスポート)で動作し、PPPはリンク層なので「ネットワーク層」の要件に合致しません。
正解の理由
正解は ア(IPsec)です。IPsecはIPパケット自体を保護するためのプロトコル群で、ESP(暗号化+オプションで認証)やAH(認証のみ)を用いて、送受信されるIPパケットの機密性・完全性をネットワーク層で確保します。IPv6でもIPsecは標準的にサポートされ、トランスポートモードとトンネルモードで用途に応じた保護が可能です。
よくある誤解
- 「SSL/TLSがあれば十分」は誤りで、SSL/TLSはトランスポート層以上の保護であり、IPレベルの保護にはならない。
- 「SSHはネットワーク層の暗号化」は誤解で、SSHはアプリケーション/トランスポート層での保護手段である。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「ネットワーク層(Network layer)」を確認する。
- 各選択肢がOSI参照モデルのどの層で動作するかを対応づける。
- ネットワーク層に該当するプロトコルを選ぶ(IPsecが該当)。
- IPv6との関係性(IPv6でサポートされること)を確認して確定する。
選択肢別の誤答解説
- ア: IPsec — 正解。IP層での認証・暗号化を行い、ESP/AHで機密性・完全性を提供する。IPv6でも利用可能。
- イ: PPP — 誤り。PPPはポイント・ツー・ポイントのリンク層プロトコルで、物理リンク上のフレーム境界で動作するためネットワーク層の暗号化ではない。
- ウ: SSH — 誤り。SSHはリモートシェルやトンネルを提供するアプリケーション/トランスポート層のプロトコルで、IPパケット全体の暗号化ではない。
- エ: SSL — 誤り。SSL/TLSはトランスポート層上での通信保護(アプリケーションとトランスポートの間)を提供し、IPレベルの暗号化とは異なる。
補足コラム
- IPsecは主にESP(Encapsulating Security Payload)で暗号化を行い、AH(Authentication Header)はヘッダの改竄検出や認証に用いられます。
- IPsecの動作モード:トランスポートモード(エンドツーエンドでペイロードを保護)とトンネルモード(IPパケットを別のIPでカプセル化し保護、VPNで多用)。
- 実装例:strongSwan、Openswan、LibreSwanなどのLinux用IPsec実装や、各種ルータ・ファイアウォールでサポートされています。
- 注意点:NAT環境下ではESPが直接扱えない場合があり、NATトラバーサル(NAT-T)やUDPカプセル化が必要になることがあります。
FAQ
Q: IPsecはIPv4でも使えますか?
A: はい。IPsecはIPv4でも利用可能で、IPv6と同様にESP/AHを用いてIPレベルの保護を行えます。
A: はい。IPsecはIPv4でも利用可能で、IPv6と同様にESP/AHを用いてIPレベルの保護を行えます。
Q: SSL/TLSで通信を暗号化しておけばIPsecは不要ですか?
A: 用途次第です。特定アプリケーションだけ保護すれば良いならSSL/TLSで十分ですが、ネットワーク層で全トラフィックを一括で保護したい場合はIPsecが適します。
A: 用途次第です。特定アプリケーションだけ保護すれば良いならSSL/TLSで十分ですが、ネットワーク層で全トラフィックを一括で保護したい場合はIPsecが適します。
Q: IPsecのどちらを選べばよいですか(ESP vs AH)?
A: 機密性(暗号化)が必要ならESPを利用します。AHは暗号化せずヘッダ認証のみで、両者を併用するケースもあります。
A: 機密性(暗号化)が必要ならESPを利用します。AHは暗号化せずヘッダ認証のみで、両者を併用するケースもあります。
関連キーワード: IPv6、IPsec、ESP、AH、トランスポートモード、トンネルモード、NATトラバーサル、暗号化、ネットワーク層、VPN

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