基本情報技術者 2009年 秋期 午前(科目A) 問56
問題文
ITIL v2において、日々のITサービス運営手法を示したサービスサポートに分類されている5プロセスと機能を一覧表にまとめたとき、表中の[ a ]に該当するプロセスはどれか。

選択肢
ア:ITサービス継続性管理
イ:問題管理
ウ:サービスレベル管理
🔒 解説は解答すると表示されます
問題管理【午前解説】
正解の理由
設問の概要が「インシデントや問題の根本原因を特定し、事業への悪影響を最小化し再発を防止する」というものであるため、これはITILにおける問題管理の役割に該当します。したがって該当する選択肢は イ(問題管理)です。問題管理は「根本原因(Root Cause)の解析」と「既知エラーや恒久対策の導入」によって再発防止を図るプロセスであり、設問の説明と機能が一致します。
解法ステップ
- 設問文のキーワードを抽出する:ここでは「根本原因の特定」「再発防止」「事業への悪影響の最小化」など。
- ITILの各プロセスの主要目的を照合する:
- インシデント管理=速やかなサービス復旧(対症療法)
- 問題管理=原因の追及と恒久対策(根本解決)
- 構成管理=CIの正確な把握
- 変更管理=変更の評価と認可
- リリース管理=承認済み構成の展開
- キーワードとプロセスの目的が合致するプロセスを選ぶ(ここでは問題管理)。
選択肢別の誤答解説
- ア: ITサービス継続性管理
- 誤り。ITサービス継続性管理(ITSCM)は災害や大規模障害時の業務継続性・復旧計画(BCP/DR)を扱う。設問のような個別の障害原因解析や再発防止を主眼とするものではありません。
- イ: 問題管理
- 正答。インシデントの背景にある根本原因(Problem/Root Cause)を特定し、恒久対策を講じることで再発を防止することが主目的です。既知エラーの記録(Known Error Database)やワークアラウンドの管理も含まれます。
- ウ: サービスレベル管理
- 誤り。サービスレベル管理はSLAやOLAの策定・評価を通じてサービス品質や合意事項を管理するプロセスであり、個別障害の原因解析や再発防止を目的とはしていません。
よくある誤解
- インシデント管理と問題管理を混同する
- 両者は関連するが役割が異なる。インシデント管理はサービスの即時復旧(短期的対応)、問題管理は根本原因の究明と恒久対策(長期的対応)を担います。
- 問題管理は常に変更を起こすとは限らない
- 恒久対策が必須という誤解。恒久対策は変更を伴うことが多いが、運用手順の改善やワークアラウンドの確立など、必ずしも変更管理プロセスでのRFC発行だけとは限りません。
- 既知エラー=問題の解決済み、という誤解
- 既知エラーは根本原因が特定され恒久対策が未実施の状態も含む。既知エラーDBは情報共有のための資産です。
補足コラム
問題管理には「リアクティブ問題管理」と「プロアクティブ問題管理」があります。リアクティブは発生したインシデントに起因して原因解析を行う方法、プロアクティブは傾向分析やトレンド監視から潜在的な問題を先取りして対策を講じる方法です。実務では、インシデント管理→問題管理→変更管理→リリース管理という流れで協調して対応することが多く、情報は構成管理データベース(CMDB)やサービスデスクで連携・共有されます。
実務的なヒント:
- 重大インシデントからは必ずポストモーテム(根本原因分析)を実施する。
- 既知エラーDBとワークアラウンドを整備しておくとインシデント復旧時間(MTTR)を短縮できる。
FAQ
Q1: 問題管理で見つけた対策は必ず変更管理を通すべきですか?
A1: 恒久対策がシステム構成や設定の変更を伴う場合は変更管理での評価・承認が必要です。一方、運用手順の改善など影響範囲が限定的で管理ルールに従えば変更管理プロセスを簡略化できる場合もあります。
A1: 恒久対策がシステム構成や設定の変更を伴う場合は変更管理での評価・承認が必要です。一方、運用手順の改善など影響範囲が限定的で管理ルールに従えば変更管理プロセスを簡略化できる場合もあります。
Q2: 「既知エラー」と「問題」の違いは何ですか?
A2: 問題は根本原因が未確定の事象や原因そのものを指します。既知エラーは根本原因が特定され、原因と暫定対策(または恒久対策の計画)が記録された状態を指します。
A2: 問題は根本原因が未確定の事象や原因そのものを指します。既知エラーは根本原因が特定され、原因と暫定対策(または恒久対策の計画)が記録された状態を指します。
Q3: 小規模組織で問題管理は必須ですか?
A3: 規模に関わらず、インシデントの再発防止や原因管理は有効です。組織規模に応じてプロセスを簡素化して導入できます(例:問題ログの簡易化、定期レビュー)。
A3: 規模に関わらず、インシデントの再発防止や原因管理は有効です。組織規模に応じてプロセスを簡素化して導入できます(例:問題ログの簡易化、定期レビュー)。
関連キーワード: ITIL v2、問題管理、インシデント管理、既知エラー、CMDB、変更管理、リリース管理、サービスデスク、ITサービス継続性管理、サービスレベル管理

\ せっかくなら /
基本情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

