基本情報技術者 2009年 秋期 午前(科目A) 問57
問題文
情報システムを落雷によって発生する過電圧の被害から防ぐための手段として、有効なものはどれか。
選択肢
ア:サージ保護デバイス(SPD)を介して通信ケーブルとコンピュータを接続する。(正解)
イ:自家発電装置を設置する。
ウ:通信線を経路の異なる2系統とする。
エ:電源設備の制御回路をディジタル化する。
##: 情報システムを落雷によって発生する過電圧の被害から防ぐための手段として、有効なものはどれか。 【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論: ア のサージ保護デバイス(SPD)を通信ケーブルと機器の間に挟むことが最も有効である。
- 根拠: SPDは過渡的な高電圧を接地側へ逸らし、機器へのクランプ(抑制)で直接的な過電圧被害を防ぐ。
- 差がつくポイント: SPDの選定・設置(適切な定格、配置、確実な接地とアース配線の太さ・短さ)が効果を左右する。
正解の理由
落雷による過電圧(サージ)は通信線や電源線を通じて機器に侵入します。サージ保護デバイス(SPD)は過電圧が所定の閾値を超えた際に低インピーダンス経路を形成してエネルギーを接地へ逃がし、機器側に到達する電圧をクランプします。通信ケーブル用のSPDは信号ラインの特性を保ったまま過渡電圧を抑えるため、落雷による過電圧対策として直接かつ実効性が高く、選択肢の中で最も適切です。
よくある誤解
自家発電装置は停電対策であり過電圧(雷サージ)対策にはならない。経路を2系統にする冗長化は可用性向上でありサージの直接防御策ではない。
解法ステップ
- 問題のキーワード「落雷」「過電圧」を確認し、対象はサージ(過渡電圧)対策であると把握する。
- 各選択肢が「過電圧(サージ)を直接抑えるか」を基準に評価する。
- サージを抑えるのはSPDや避雷器などの保護素子であり、選択肢に該当するものを選ぶ。
- 他の選択肢(発電、経路冗長化、制御のデジタル化)は目的(過電圧防護)と合致しないため除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: サージ保護デバイス(SPD)は過電圧を接地に逃がして通信機器を保護するため正解。通信線用のSPDを用いることで信号系も保護できる。
- イ: 自家発電装置は電源の継続(停電対策)を目的とし、落雷による過電圧を防ぐ手段ではない。
- ウ: 通信線を経路の異なる2系統にすることは冗長化による可用性向上にはなるが、雷サージは誘導や共通モードで両系統に影響するため過電圧防御とはならない。
- エ: 電源設備の制御回路をディジタル化しても雷サージの流入自体を防げず、むしろデジタル回路は過電圧に弱い場合がある。
補足コラム
- SPDの種類: ガス放電管、MOV(酸化亜鉛バリスタ)、スパークギャップなど。用途に応じて選ぶ(通信線用はインピーダンス整合が必要)。
- 設置場所: 電源の引込点(主幹)や分岐盤、機器直近(末端保護)と多段で配置すると効果的(Type1/2/3の使い分け)。
- 接地の重要性: SPDは確実な接地が前提。アース線は短く太く、複数の接地点を共通接地にすることが推奨される。
- 通信保護: 光ファイバは電磁誘導に対して有利(絶縁)で、雷耐性向上の手段として有効。
FAQ
Q: SPDを設置すれば雷被害は完全に防げますか?
A: 完全には防げません。直撃雷や極めて大きなエネルギーには限界があり、SPD自体が損傷することもあります。多段保護と良好な接地が重要です。
A: 完全には防げません。直撃雷や極めて大きなエネルギーには限界があり、SPD自体が損傷することもあります。多段保護と良好な接地が重要です。
Q: 通信線を光ファイバにすれば雷対策は不要ですか?
A: 光ファイバは電気的伝搬が無いため雷誘導に強いですが、システム内の他設備(電源や機器)は別途保護が必要です。
A: 光ファイバは電気的伝搬が無いため雷誘導に強いですが、システム内の他設備(電源や機器)は別途保護が必要です。
Q: UPSは雷サージ対策になりますか?
A: UPSは瞬時停電や電圧変動に対する保護を提供しますが、強い雷サージはUPSを通過して被害を与えることがあるため、UPSとSPDの併用が望ましいです。
A: UPSは瞬時停電や電圧変動に対する保護を提供しますが、強い雷サージはUPSを通過して被害を与えることがあるため、UPSとSPDの併用が望ましいです。
関連キーワード: サージ保護、SPD、雷対策、過電圧対策、接地(アース)、通信ケーブル保護、過渡電圧、避雷器

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