基本情報技術者 2009年 春期 午前(科目A) 問23
問題文
OSIによるオープンソースソフトウェアの定義に従うとき、適切なものはどれか。
選択肢
ア:ある特定の業界向けに作成されたオープンソースソフトウェアは、ソースコードを公開する範囲をその業界に限定することができる。
イ:オープンソースソフトウェアを改変し再配布する場合、元のソフトウェアと同じ配布条件となるように、同じライセンスを適用して配布する必要がある。
ウ:オープンソースソフトウェアを第三者が製品として再配布する場合、そのオープンソースソフトウェアの開発者は第三者に対してライセンス費を請求することができる。
エ:社内での利用などのようにオープンソースソフトウェアを改変しても再配布しない場合、改変部分のソースコードを公開しなくてもよい。(正解)
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オープンソースソフトウェアの定義【午前解説】
正解の理由
正解は エ です。
OSI(Open Source Definition)が要求する主要要件のひとつに「ソースコードの入手可能性(Source Code)」と「自由な再配布(Free Redistribution)」があります。これらは配布(第三者に渡す行為)に関する条件であり、組織内の利用や改変で第三者へ配布しない場合、一般的なオープンソースライセンスは改変部分を公開する義務を課しません。したがって、社内で改変して利用するだけならソース公開は不要です。ただし、AGPLのように「ネットワーク越しの提供」を義務付けるライセンスや、契約で別途義務を課す場合は例外となる点に注意してください。
OSI(Open Source Definition)が要求する主要要件のひとつに「ソースコードの入手可能性(Source Code)」と「自由な再配布(Free Redistribution)」があります。これらは配布(第三者に渡す行為)に関する条件であり、組織内の利用や改変で第三者へ配布しない場合、一般的なオープンソースライセンスは改変部分を公開する義務を課しません。したがって、社内で改変して利用するだけならソース公開は不要です。ただし、AGPLのように「ネットワーク越しの提供」を義務付けるライセンスや、契約で別途義務を課す場合は例外となる点に注意してください。
解法ステップ
- 問題文の各選択肢に含まれる主張を「配布」「ソース公開」「ライセンスの再適用」「料金請求」「利用制限」などの観点に分類する。
- OSIの主な要件(Free Redistribution、Source Code、Derived Works、No Discrimination など)と照合する。
- 「配布があるか否か」で義務発生の有無を判断する(公開義務は通常配布時に発生)。
- 特殊例(コピーレフト、AGPL、デュアルライセンス)を考慮して例外を確認する。
- 矛盾する選択肢を排除し、最もOSI定義に合致するものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 誤り。OSIは「特定の業界に限定して利用を禁止/限定する」ことを認めません(No Discrimination Against Fields of Endeavor)。特定分野だけに公開範囲を限定することはオープンソースの定義に反します。
- イ: 誤り。オープンソース全体で「必ず同じライセンスを適用しなければならない」わけではありません。GPLのように派生物に同一条件を要求するコピーレフト型ライセンスはありますが、MITやBSDなど許容的ライセンスは再配布時に別の条件を許します。
- ウ: 誤り。OSIの定義は再配布に関してロイヤリティや配布料金を課さないことを含んでいます。開発者が別途商用ライセンスで対価を求める「デュアルライセンス」は可能ですが、オープンソースライセンスそのものに基づく再配布に対してライセンス料を請求することは認められません。
- エ: 正しい。社内利用のみで改変を配布しない場合、一般的なオープンソースライセンスでは改変部分の公開義務は発生しません(ただしAGPL等の特殊条項や個別契約がある場合は注意)。
よくある誤解
- 「オープンソース=常にソースを公開しなければならない」:配布した場合に公開義務が生じるライセンスと、配布時にも公開義務のない許容的ライセンスがあるため一律ではありません。
- 「全てのオープンソースは同じライセンス条件(再配布時に同じライセンスを適用)で配布しなければならない」:これはGPL等のコピーレフトの特徴であり、MITやApacheなどの許容的ライセンスは異なります。
- 「開発者は再配布ごとにライセンス料を請求できる」:OSIの要件は再配布に対してロイヤリティを課さないことを含んでおり、オープンソースライセンスそのものに基づく請求は認められません(別途商用契約を結ぶことは可能)。
補足コラム
- OSIの「Open Source Definition(OSD)」は10項目から成り、代表的な項目に「Free Redistribution(無償再配布)」「Source Code(ソースコードの入手可能性)」「Derived Works(派生物の許容)」「No Discrimination Against Fields of Endeavor(用途差別の禁止)」などがあります。
- ライセンスの種類:許容的(MIT、BSD、Apache)とコピーレフト(GPL、AGPL、LGPL)に大別されます。許容的は自由に再利用・再配布・改変して再配布時にソース公開義務を課さないことが多く、コピーレフトは派生物に同一条件を要求してソース公開を強制する場合があります。
- 実務上の注意点:社内利用であっても、外部にサービス提供する場合や外注先に渡す場合は「配布」にあたるか検討が必要です。AGPLはネット越し提供に対して開示義務を課すため、SaaS提供時は要注意です。
FAQ
Q1: 社内だけで使う改変版を社外に渡さない限り、ソース開示は不要ですか?
A1: はい。一般的なオープンソースライセンスでは配布が発生しない限り開示義務は生じません。ただし、契約や特殊ライセンス(AGPL等)に注意してください。
A1: はい。一般的なオープンソースライセンスでは配布が発生しない限り開示義務は生じません。ただし、契約や特殊ライセンス(AGPL等)に注意してください。
Q2: オープンソースを製品に組み込んで販売したら必ずソース公開しなければなりませんか?
A2: ライセンス次第です。GPL系は配布(販売含む)時にソース公開を要求しますが、MITやApacheは必ずしも公開を要求しません。ライセンス条項を確認してください。
A2: ライセンス次第です。GPL系は配布(販売含む)時にソース公開を要求しますが、MITやApacheは必ずしも公開を要求しません。ライセンス条項を確認してください。
Q3: 開発者はオープンソースの再配布に対して料金を請求できますか?
A3: オープンソースライセンス自体は再配布にロイヤリティを課さないことを前提としています。ただし、商用サポートや別途商用ライセンスの販売(デュアルライセンス)は可能です。
A3: オープンソースライセンス自体は再配布にロイヤリティを課さないことを前提としています。ただし、商用サポートや別途商用ライセンスの販売(デュアルライセンス)は可能です。
Q4: AGPLは社内利用でも公開義務がありますか?
A4: 一般に社内利用のみで外部利用者へ提供しない場合は公開義務は生じませんが、社外ユーザへネットワーク経由でサービス提供する場合はAGPLの義務が問題になります。
A4: 一般に社内利用のみで外部利用者へ提供しない場合は公開義務は生じませんが、社外ユーザへネットワーク経由でサービス提供する場合はAGPLの義務が問題になります。
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