基本情報技術者 2009年 春期 午前(科目A) 問48
問題文
ソフトウェアのテスト工程において、バグ管理図を用いて、テストの進捗状況とソフトウェアの品質を判断したい。このときの考え方のうち、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:テスト工程の前半で予想以上にバグが検出され、スケジュールが遅れたので、スケジュールの見直しを行い、数日遅れてテスト終了の判断をした。
イ:テスト項目がスケジュールどおりに消化されていれば、バグ摘出の累積件数が増加しなくても、ソフトウェアの品質は高いと判断できる。
ウ:テスト項目消化の累積件数、バグ摘出の累積件数及び未解決バグの件数の推移がすべて横ばいになった場合は、解決困難なバグに直面しているかどうかを確認する必要がある。(正解)
エ:バグ摘出の累積件数の推移とテスト項目の未消化件数の推移から、テスト終了の時期をほぼ正確に予測できる。
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バグ管理図による進捗と品質判断【午前解説】
正解の理由
正解は ウ です。
テスト項目の消化累積、バグ摘出累積、未解決バグ件数の推移がすべて横ばいになる状況は、単にテストが終盤で不具合が減ったことを示す場合もありますが、むしろ「テストが進んでいない」「バグが再現できない」「優先度が高い未解決バグで作業が停滞している」など、解決困難あるいはプロセス上の阻害要因がある可能性を示唆します。したがって、放置せず原因を確認し、再現性調査やバグトリアージ、テスト設計見直しなどの対策を行う必要があります。
テスト項目の消化累積、バグ摘出累積、未解決バグ件数の推移がすべて横ばいになる状況は、単にテストが終盤で不具合が減ったことを示す場合もありますが、むしろ「テストが進んでいない」「バグが再現できない」「優先度が高い未解決バグで作業が停滞している」など、解決困難あるいはプロセス上の阻害要因がある可能性を示唆します。したがって、放置せず原因を確認し、再現性調査やバグトリアージ、テスト設計見直しなどの対策を行う必要があります。
解法ステップ
- グラフの状況を確認:テスト消化累積、バグ摘出累積、未解決バグのトレンドを比較する。
- 横ばいの期間とタイミングを特定:いつから停滞が始まったかを確認する。
- 未解決バグの内訳確認:再現性・優先度(重大度)・担当・依存関係を洗い出す。
- テスト網羅と実行状況を評価:新しいテストケースの追加や特定領域のカバレッジ不足がないか見る。
- トリアージと対策実施:再現性が低いバグはログ/環境収集、重大バグは専任で対応、必要ならスコープ調整。
- 処置後にグラフの変化を監視:改善(再び増加や解消)が見られるかで追加対策を判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: テスト工程前半でバグが多発してスケジュールが遅れたから単に数日遅延で終わらせる判断は不十分です。原因分析や品質評価、影響範囲の確認が先であり、単純な日程変更だけでは再発や品質問題を見落とします。
- イ: テスト項目がスケジュールどおり消化されていても、バグ摘出累積が増えない場合はテストの妥当性(網羅性・難易度)が疑われます。テストが浅く不具合を見つけられていない可能性があるため、品質が高いとは断定できません。
- ウ: 正解。三つの指標がすべて横ばいの場合、単なる安定化か解決困難な障害による停滞かを確認する必要があります。
- エ: バグ摘出累積と未消化テスト件数だけでテスト終了時期をほぼ正確に予測するのは過信です。未解決バグの重大度、再発率、テストの残りの難易度次第で大きく変動します。
よくある誤解
- バグの発見数が減った=品質が高い:発見数減少はテストの網羅性不足や不具合の再現性欠如による見かけ上の減少のことが多いです。
- 早期のバグ発生=ただちにスケジュール見直し:初期スパイクは設計上の欠陥顕在化やテスターが浅い箇所を集中的にテストした結果のことがあり、原因分析なしに単純なスケジュール延長は適切でないことがあります。
- 累積推移だけで終了予測が可能:累積グラフは有益ですが、バグの影響度や未検証領域、依存する外部要因を無視しては正確な終了判断はできません。
補足コラム
バグ管理図(バグ管理チャート)でよく使われる指標には次があります:累積発見数(Cumulative Defects)、累積テスト実行数、オープンバグ数、解析中・保留中の件数、削除率。一般的な振る舞いとしては、テスト開始直後に発見率が高まり中盤でピーク、終盤で減少する「山型」が期待されます。だが「横ばい(フラットライン)」は、テスト活動の停滞や再現性の低いバグ、テストカバレッジ不足を疑う重要なシグナルです。テスト終了判断はグラフに加え、品質ゲート(重要障害ゼロ、カバレッジ閾値達成、顧客影響評価など)で行うと安全です。
FAQ
Q1: バグが出なくなったらいつリリースしてよいですか?
A1: 出なくなっただけで決めず、未解決高優先度の存在、テストカバレッジ、顧客影響を評価して品質ゲートを満たしているか確認してください。
A1: 出なくなっただけで決めず、未解決高優先度の存在、テストカバレッジ、顧客影響を評価して品質ゲートを満たしているか確認してください。
Q2: 横ばいで最初に確認すべき項目は何ですか?
A2: 未解決バグの再現性と重大度、テスト実行の継続性(担当者・環境)、テストケースの網羅性を優先して確認します。
A2: 未解決バグの再現性と重大度、テスト実行の継続性(担当者・環境)、テストケースの網羅性を優先して確認します。
Q3: 解決困難なバグの対処はどうすればよいですか?
A3: 根本原因分析、回避策やワークアラウンドの提示、優先度再設定、必要に応じて設計変更やスコープ調整の合意を行います。
A3: 根本原因分析、回避策やワークアラウンドの提示、優先度再設定、必要に応じて設計変更やスコープ調整の合意を行います。
関連キーワード: バグ管理図、バグトリアージ、テストカバレッジ、累積グラフ、未解決不具合、再現性調査、テスト終了基準、テスト進捗管理

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