基本情報技術者 2010年 秋期 午前(科目A) 問19
問題文
四つの装置A~Dで構成されるシステム全体の稼働率として、最も近いものはどれか。ここで、各装置の稼働率は、AとCが0.9、BとDが0.8とする。また、並列接続部分については、いずれか一方が稼働しているとき、当該並列部分は稼働しているものとする。

選択肢
ア:0.72
イ:0.92
ウ:0.93
エ:0.95(正解)
四つの装置A〜Dで構成されるシステムの稼働率【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:全体稼働率は で、正解は エ です。
- 根拠:AとC、BとDはそれぞれ並列(どちらかが動けば部分は動作)で、並列の稼働率は だからです。
- 差がつくポイント:並列部分は和ではなく「失敗確率の積」を用いる点を必ず押さえ、直列は部分稼働率の積で求めます。
正解の理由
図は「(AとCの並列)」が左段、「(BとDの並列)」が右段の直列接続になっています。
並列二要素の稼働率は一般に です。よって、
並列二要素の稼働率は一般に です。よって、
- 左側(AとC)の稼働率
- 右側(BとD)の稼働率
左段と右段は直列(両方動作してはじめて全体が動作)なので全体稼働率は積:
したがって選択肢の中では エ(0.95)が最も近い値です。
よくある誤解
- 誤解1:並列は単純に確率を足し合わせると考える。(重複分を引く必要があり、和だけでは1を超えることがある)
- 誤解2:並列部分を無視して単純に一番短い経路や一方の経路だけで計算してしまう(冗長性を活かせない)。
- 誤解3:独立性の確認を怠り、相関のある故障を独立と仮定して過大評価する(本問は独立を仮定)。
解法ステップ
- 図面から「並列→直列→並列」という構成を読み取る。
- 並列部分の公式 を適用して左右の部分稼働率を求める。
- 直列接続なので部分稼働率同士を掛け合わせて全体稼働率を求める。
- 得られた小数を選択肢と比較して最も近いものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 0.72
典型的な誤りは「片方の経路(例:A→B)のみを直列とみなして と計算する方法。並列冗長を無視しているため過小評価になります。 - イ: 0.92
並列の計算を片側だけ正しくしてもう片側を過小または過大評価した場合に出やすい値です。たとえば左を0.99と正しく出して右を0.93と誤算すると 0.99×0.93 ≈0.92 となりやすく、並列の失敗確率の扱いを誤った可能性があります。 - ウ: 0.93
並列の合成を「単純平均」や「一方が動けばよい」を誤解して計算すると出る近似値です。どの段階かで誤った合成ルールを適用した結果で、正しい公式を使えば0.9504になります。 - エ: 0.95(正解)
正しい並列合成と直列の積を用いた結果です。
補足コラム
- 一般化:並列 n 要素の稼働率は 、直列は です。
- 実務では構成要素の故障が完全に独立でないことが多く、共通故障(電源、環境など)を考慮すると理論値より低くなります。
- 本問では小数第3位以下を四捨五入して選択肢と比較して問題ありません(0.9504→0.95)。
FAQ
Q1: なぜ並列は なのですか?
A1: 並列が停止するのは「両方が同時に停止する場合のみ」なので停止確率は 、稼働確率はその補集合です。
A1: 並列が停止するのは「両方が同時に停止する場合のみ」なので停止確率は 、稼働確率はその補集合です。
Q2: 値は独立性を仮定しているのですか?
A2: はい。本問の計算は各装置の故障が統計的に独立である前提です。相関があると結果は変わります。
A2: はい。本問の計算は各装置の故障が統計的に独立である前提です。相関があると結果は変わります。
Q3: より多くの冗長化は常に良いですか?
A3: 理論上は良いですが、コスト・共通故障・運用負荷が増えるためトレードオフの評価が必要です。
A3: 理論上は良いですが、コスト・共通故障・運用負荷が増えるためトレードオフの評価が必要です。
関連キーワード: 稼働率、可用性、信頼性、並列接続、直列接続、冗長化、フォールトトレラント、信頼度ブロック図

\ せっかくなら /
基本情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

