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基本情報技術者 2010年 秋期 午前(科目A)20


問題文

2台のCPUからなるシステムがあり、使用中でないCPUは実行要求のあったタスクに割り当てられるようになっている。このシステムで、二つのタスクA、Bを実行する際、それらのタスクは共通の資源Rを排他的に使用する。それぞれのタスクA, BのCPU使用時間、資源Rの使用時間と実行順序は図に示すとおりである。二つのタスクの実行を同時に開始した場合、二つのタスクの処理が完了するまでの時間は何ミリ秒か。ここで、タスクA、Bを開始した時点では、CPU、資源Rともに空いているものとする。
基本情報技術者 2010年 秋期 午前(科目A) 問20の問題画像

選択肢

120
140(正解)
150
200

二つのタスクと共有資源Rの実行時間計算【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:両タスクを同時開始した場合の完了時間は140msで、タスクBが資源Rの待ちで遅延するため合計は140msになります。
  • 根拠:Aが10msでRを先取りして10–60msまで占有、Bは40msでR到達後60msまで待ち、Bの最終CPUは110–140msで完了します。
  • 差がつくポイント:R使用中はCPUを占有しない(ブロック状態でCPUが空く)という理解と、2台CPUが並行に最終CPUを割当てられる点を見落とさないこと。

正解の理由

タスクAは初期CPUを10msで終え、直ちに資源Rを獲得して50ms使用(10→60ms)。タスクBは初期CPUを40msで終えRを要求するが、AがRを占有中のため40→60msは待ち状態になりCPUを使いません。Aは60msにRを解放して最終CPU(60ms)を開始(60→120ms)。Bは60msからRを使用(60→110ms)し、R解放後に最終CPU(30ms)を直ちに割り当てられる(110→140ms)。したがって両タスクが完了するのは max(120,140)=140ms になります。よって正解は

よくある誤解

  • 「Rを使う間もCPUを使っている」と考え、R使用時間とCPU時間を同時に消費すると誤算する。今回の図ではRはCPUとは別の資源で、R使用中はCPUを放す前提です。
  • 「一つのCPUしかない想定で計算する」ことで、最終CPU時間が直列化され150msや200msを導きがちだが、問題は2台CPUがある点を活かす必要があります。
  • BがR待ちの間もCPUが使えると仮定して重複を過大評価する(逆に短く見積もる)ミス。

解法ステップ

  1. 各タスクの各段階(CPU1 → R → CPU2)の開始終了時刻を時系列で追う。
  2. 両タスク同時開始(t=0)から初期CPU終了時刻を計算:Aは10ms、Bは40ms。
  3. 先にRに到達したタスクがRを占有し、その間もう一方は待ち状態になる。R使用はCPUを占有しないので待ち時はCPUを放す。
  4. Rの占有終了時に解放→次のCPU段階へ遷移し、空いているCPUに割り当てる(2台あるため同時実行可能)。
  5. 各タスクの最終終了時刻の大きい方を答えとする。
タイムライン(主な時刻)
  • A: CPU1 0–10 → R 10–60 → CPU2 60–120
  • B: CPU1 0–40 → 待ち 40–60 → R 60–110 → CPU2 110–140

選択肢別の誤答解説

  • ア: 120
    誤り。120msはAの完了時刻であり、Bが110–140msで完了するため両者完了は140msになります。Bの最終CPU(30ms)をAの終了までに終わると誤認した場合に出る値です。
  • イ: (140)
    正解。上のタイムライン通り、BがR待ちのため最終完了が140msになります。
  • ウ: 150
    誤り。150msはたとえばR使用中にもCPUを占有するとか、最終CPUが直列に続くと誤って想定した場合に出やすい値です。本問では2台CPUで並行実行可能なため150msにはなりません。
  • エ: 200
    誤り。Rを含め全工程を完全に直列(A全完了→B全完了)した場合の近似値(10+50+60 + 40+50+30 = 240 など)とも異なります。200は誤った重複計算や資源割当の誤解による大きな過大評価です。

補足コラム

  • この種の問題は「クリティカルセクション(資源R)」と「CPU利用」の独立性を正確に理解することが鍵です。RがI/OやロックのようにCPUを使わない資源の場合、待ち行列が発生してもCPUは解放され、他のタスクに割り当てられます。
  • もしR使用中もCPUを消費する(RがCPU-boundな処理である)設計なら時刻は大きく変わります。問題文や図で資源の独立性を読み取ることが重要です。
  • 試験では図で並列機器台数(ここではCPU:2台)や「排他」表現を見落とさないようにしましょう。短い図の読み違いが致命的です。

FAQ

Q1: R使用中にタスクはCPUを占有しますか?
A1: 本問の表現・図ではRは別資源で排他利用を示しており、R使用中はCPUを使わない(ブロックしてCPUを放す)と解釈します。
Q2: 2台CPUの割当はどのように決まりますか?
A2: 「使用中でないCPUは実行要求のあったタスクに割り当てられる」とあるため、CPUが空いていれば即座に割当てられます。よってR解放時に空きCPUがあれば直ちにそのタスクのCPU処理が始まります。
Q3: 到達順が逆だったらどうなりますか?
A3: もしBが先にRに到達するとBが先にRを占有し、Aが待ちになる。その場合完了時間はタスク長の組合せで変わりますので同様に時系列で計算してください。

関連キーワード: 並列処理、排他制御、資源競合、スケジューリング、クリティカルセクション、待ち時間、CPU割当
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