基本情報技術者 2010年 秋期 午前(科目A) 問21
問題文
仮想記憶方式では、割り当てられる実記憶の容量が小さいとページアウト、ページインが頻発し、処理能力が急速に低下することがある。このような現象を何というか。
選択肢
ア:スラッシング(正解)
イ:スワッピング
ウ:フラグメンテーション
エ:メモリリーク
仮想記憶方式でページアウト、ページインが頻発する現象は何か【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論: ページアウトとページインが頻発して CPU 利用率が低下し処理能力が急激に落ちる現象はスラッシングです。
- 根拠: 実記憶が不足するとページフォルトが増加し、ディスク I/O とコンテキスト切替で有効作業時間が失われます。
- 差がつくポイント: 「頻発するページアウト/ページイン」と「処理能力の急速な低下」がセットで記述されていればスラッシングを最優先で判断します。
正解の理由
正解: ア
スラッシング (thrashing) は、仮想記憶方式で実記憶が不足しているためにページフォルトが頻発し、CPU が実際の処理よりもページング処理(ページアウト/ページイン)に時間を取られてシステム全体のスループットが著しく低下する現象を指します。設問の「実記憶の容量が小さい」「ページアウト、ページインが頻発」「処理能力が急速に低下する」の三点はスラッシングの定義に合致します。
スラッシング (thrashing) は、仮想記憶方式で実記憶が不足しているためにページフォルトが頻発し、CPU が実際の処理よりもページング処理(ページアウト/ページイン)に時間を取られてシステム全体のスループットが著しく低下する現象を指します。設問の「実記憶の容量が小さい」「ページアウト、ページインが頻発」「処理能力が急速に低下する」の三点はスラッシングの定義に合致します。
よくある誤解
- スラッシング=単にメモリ不足だと思い込む誤解:メモリ不足が原因の一つですが、特徴は「ページング処理がシステム性能を著しく損なう」点にあります。
- スワッピングと混同する誤解:スワッピングはプロセス全体を入れ替える操作で、ページ単位の頻発とは概念が異なります。
- フラグメンテーションやメモリリークと同一視する誤解:これらはメモリ効率やプロセスバグの問題で、ページアウト/ページイン頻発と即結び付くわけではありません。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「実記憶の容量が小さい」「ページアウト、ページインが頻発」「処理能力が急速に低下」。
- 各選択肢の意味を頭の中で短く定義(スラッシング、スワッピング、フラグメンテーション、メモリリーク)。
- 「ページング頻発+性能低下」に一致する用語を選ぶ。該当するのはスラッシングのみ。
- 必要なら他選択肢が該当しない理由を確認して確信を固める。
選択肢別の誤答解説
- ア: スラッシング — 正解。ページフォルトの頻発でディスク I/O とオーバーヘッドが増え、処理スループットが低下します。
- イ: スワッピング — 説明: プロセス全体を主記憶と補助記憶間で入れ替える操作。マルチプログラミング制御などで用いられるが、設問の「ページ単位で頻発する」状況とは異なります。
- ウ: フラグメンテーション — 説明: メモリの断片化(内部/外部)により有効利用が損なわれる現象で、断片化自体はページアウト/ページインの頻発を直接意味しません。
- エ: メモリリーク — 説明: プログラムが確保したメモリを解放しない不具合で、長時間で利用可能メモリが減るが、短時間にページイン/アウトが頻発して性能が急落する状態とは区別されます。
補足コラム
- 原因と対策の観点:スラッシングはワーキングセット(プロセスが短期間に必要とするページ群)が実記憶に収まりきらないと発生します。対策は物理メモリ増設、負荷(同時実行プロセス数)制限、ワーキングセットベースのページ置換やロード制御によるスロットリングなどです。
- 運用時の検知指標:ページフォルト率の急上昇、CPU 利用率の低下(CPU 待ちが増える)、ディスク I/O 活動の異常増加が典型的なシグナルです。
- ストレージの影響:HDD と比べて SSD はページングコストが低いが、根本的なスラッシングは解消されないため、単に高速ストレージにするだけでは抜本対策にならない場合があります。
FAQ
Q: スラッシングは必ずしもメモリ不足が原因ですか?
A: 主原因はワーキングセットが物理メモリに収まらないことですが、同時実行数やページ置換アルゴリズム、I/O 遅延など複合要因が関与します。
A: 主原因はワーキングセットが物理メモリに収まらないことですが、同時実行数やページ置換アルゴリズム、I/O 遅延など複合要因が関与します。
Q: すぐにできる対処法は?
A: 不要プロセスの停止や同時実行ジョブ数の制限、負荷ピークの分散、メモリ増設などが有効です。
A: 不要プロセスの停止や同時実行ジョブ数の制限、負荷ピークの分散、メモリ増設などが有効です。
Q: スラッシングとスワッピングはどちらが古い用語ですか?
A: スワッピングは歴史的に古い概念(プロセス全体の入れ替え)で、ページング(ページ単位)と対比されます。スラッシングはページングの悪化形を特に指します。
A: スワッピングは歴史的に古い概念(プロセス全体の入れ替え)で、ページング(ページ単位)と対比されます。スラッシングはページングの悪化形を特に指します。
関連キーワード: 仮想記憶、スラッシング、ページング、ページフォルト、ワーキングセット、ページアウト、ページイン、スワップ領域、ページ置換、メモリ管理

\ せっかくなら /
基本情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

