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基本情報技術者 2010年 秋期 午前(科目A)28


問題文

3次元グラフィックス処理におけるクリッピングの説明はどれか。

選択肢

CG映像作成における最終段階として、物体のデータをディスプレイに描画できるように映像化する処理である。
画像表示領域にウィンドウを定義し、ウィンドウ内の見える部分だけを取り出す処理である。(正解)
モデリングされた物体の表面に柄や模様などをはり付ける処理である。
立体感を生じさせるため、物体の表面に陰付けを行う処理である。

3次元グラフィックス処理におけるクリッピングの説明はどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:表示領域(ウィンドウ)内にある見える部分だけを取り出す処理がクリッピングであり、不要な描画を削減します。
  • 根拠:クリッピングは投影やビューポート変換と並ぶパイプライン処理で、フラスタムやウィンドウ外のプリミティブを切り落とす役割だからです。
  • 差がつくポイント:クリッピングは「切り落とす」処理で、テクスチャ貼り付けや陰付け(シェーディング)と目的が異なる点を明確に区別してください。

正解の理由

選択肢のうち、画像表示領域にウィンドウを定義してウィンドウ内の見える部分だけを取り出す処理を説明しているのが正しい定義です。クリッピングは視錐台(ビューフラスタム)やスクリーンウィンドウを基準に、画面外あるいは視界外の頂点やポリゴンの部分を切り落として描画対象を限定します。これによりレンダリング負荷が下がり、正しい可視領域だけが後続のラスタライズやシェーディング処理に渡されます。したがって、正解は です。

よくある誤解

  • クリッピングとカリングを混同する:カリング(例:バックフェイスカリング)は描画不要なポリゴン全体を無視する手法で、クリッピングはビューの境界でポリゴンを切断する処理です。
  • クリッピング=最終描画ではない:クリッピングは描画(ラスタライズ)前の段階で行う事が多く、テクスチャ貼付けや陰付け(シェーディング)は別工程です。
  • ウィンドウとビューポートを混同:ウィンドウは表示領域の論理的領域、ビューポートは画面上の物理領域(ピクセル)への写像で、クリッピングは主にウィンドウ(または正規化ビュー体積)に対して行われます。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード「画像表示領域」「ウィンドウ」「見える部分」を確認する。
  2. クリッピングの基本概念を念頭に「切り取る」「取り出す」という動詞を探す。
  3. 各選択肢を処理の目的で分類する(描画生成 / 切り取り / テクスチャ / 陰付け)。
  4. 「切り取り」に該当する選択肢を正解と判定する(この問題ではイ)。

選択肢別の誤答解説

  • ア:CG映像作成の最終段階として「物体をディスプレイに描画できるように映像化する処理」はラスタライズやレンダリング全体の説明であり、クリッピング固有の説明ではありません。誤りです。
  • イ:画像表示領域にウィンドウを定義し、その内側だけを取り出すという説明はクリッピングそのものの定義です。よって正解は
  • ウ:物体の表面に柄や模様を貼り付ける処理はテクスチャマッピング(UVマッピング)に関する説明であり、クリッピングとは別の工程です。誤りです。
  • エ:物体の表面に陰付けを行う処理はシェーディングやライティングの説明であり、クリッピングの説明ではありません。誤りです。

補足コラム

  • 代表的なクリッピングアルゴリズム:線分のためのCohen–SutherlandやLiang–Barsky、凸多角形の切り抜きに用いるSutherland–Hodgmanがあります。
  • 3Dパイプラインではクリッピングは通常、射影変換後のクリップ空間(正規化デバイス座標)で行い、視錐台の6面(左右/上下/近/遠)で切断します。切断点が生じると新しい頂点を生成してポリゴンを分割します。
  • クリッピングとビューポート変換の順序:投影→クリッピング(クリップ空間)→正規化デバイス座標→ビューポート変換(画面座標への写像)が一般的です。

FAQ

Q1: クリッピングはいつ行われますか?
A1: 多くの場合は射影変換の直後、ラスタライズ前のクリップ空間で行われます。これにより画面外の領域を早期に除外できます。
Q2: クリッピングとカリングはどう違いますか?
A2: カリングは不要と判定されたオブジェクトや面全体を描画候補から外す技術(例:視界外カリング、バックフェイスカリング)で、クリッピングはビューの境界で形状を切断する処理です。目的と適用方法が異なります。
Q3: クリッピングで頂点が増えることはありますか?
A3: はい。ポリゴンがクリップ面と交差する場合、交点で新たな頂点が生成されポリゴンが分割されます。
Q4: クリッピングは2Dでも使われますか?
A4: 使われます。2Dでもウィンドウやキャンバス外の図形を切り落とすクリッピングは一般的です。

関連キーワード: 3Dグラフィックス, クリッピング, ビューフラスタム, ビューポート変換, クリッピングアルゴリズム, テクスチャマッピング, シェーディング, カリング, Sutherland–Hodgman, Cohen–Sutherland
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