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基本情報技術者 2010年 秋期 午前(科目A)59


問題文

経営者が社内のシステム監査人の外観上の独立性を担保するために講じる措置として、適切なものはどれか。

選択肢

システム監査人にITに関する継続的学習を義務付ける。
システム監査人に必要な知識や経験を定め、公布する。
システム監査人の監査技法修得制度を設ける。
システム監査人の所属部署を経営者の直轄とする。(正解)

システム監査人の外観上の独立性を担保する措置【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論: 経営者の直轄とすることで、監査人を被監査部門の指揮命令系統から分離し外観上の独立性を確保します。
  • 根拠: 外観上の独立性とは利害関係や指示系統による偏りの疑念を避けることであり、所属部署の切り離しが有効です。
  • 差がつくポイント: 直轄化に加え監査委員会への報告経路、兼務禁止、監査権限やアクセス権の明文化で実効性を高める点が重要です。

正解の理由

経営者の直轄とする(エ)は、監査人が被監査業務の管理下に置かれないよう所属を分離する措置です。外観上の独立性は「第三者から見て監査人が偏った判断を受ける恐れがない」ことを指し、被監査部署の指揮命令系統や利害関係から距離を置く構造的な対処が最も直接的で効果的です。よって所属部署を経営者直轄にすることが適切です。

よくある誤解

  • 継続的学習(ア)や監査技法の修得(ウ)で独立性が担保されると考える誤解:これらは能力・専門性の向上であり独立性(外観上・実質的)の担保には直結しません。
  • 知識や経験の公布(イ)で独立性が担保されると誤認する点:透明性は信頼に寄与しますが、所属や指揮命令系統の問題は解決できません。
  • 「直轄=万全」と思う落とし穴:直轄でも評価や予算管理が被監査部門に依存していると独立性が損なわれるため、運用面の配慮が必要です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード「外観上の独立性」を確認する。
  2. 各選択肢が「独立性(構造的・運用的)」に関係するか「能力(研修・基準)」に関係するかで分類する。
  3. 外観上の独立性は所属や報告ラインなど構造的な措置が該当するため、それに該当する選択肢を選ぶ。
  4. 残りの選択肢は能力向上や透明性に関するものなので除外する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: システム監査人にITに関する継続的学習を義務付ける。
    説明: 監査人の専門性を高める良策ですが、所属や指揮命令系統には影響せず外観上の独立性の担保にはなりません。
  • イ: システム監査人に必要な知識や経験を定め、公布する。
    説明: 要件の明確化は透明性・信頼性向上に寄与しますが、外観上の独立性(報告ラインや利害関係の排除)には直接結び付きません。
  • ウ: システム監査人の監査技法修得制度を設ける。
    説明: 技術的能力や手法の統一に有用ですが、独立性の「見え方」や組織的分離を確保する措置ではありません。
  • 正解:
    エ: システム監査人の所属部署を経営者の直轄とする。
    説明: 被監査部門の指揮命令系統から切り離すことで、外観上および実際の独立性を高める構造的措置となるため正解です。

補足コラム

外観上の独立性を確保するためには、単に「直属にする」だけでなく運用面の整備も必要です。具体的には報告書の提出先(取締役会・監査委員会等)、人事評価や給与決定が被監査部署から独立して行われること、監査計画や監査対象の決定権が担保されることが重要です。また小規模組織では外部の客観的監査や複数経路での報告制度を導入することも有効です。

FAQ

Q1: 経営者直轄より監査委員会への報告のほうが望ましいですか?
A1: 監査委員会(取締役会等)への報告はより高い独立性を示せるため理想的ですが、選択肢に無ければ経営者直轄でも外観上の独立性向上に寄与します。
Q2: 研修や資格は不要ですか?
A2: 必要です。独立性(構造)と専門性は両輪であり、研修や資格は監査の質を担保しますが、独立性の代替にはなりません。
Q3: 小さな会社で直轄化が難しい場合は?
A3: 外部監査の活用、定期的なローテーション、直接報告できる別の最高責任者を設定するなど代替手段を検討してください。

関連キーワード: システム監査、外観上の独立性、所属部署、報告ライン、監査委員会、内部統制、監査運用、兼務禁止
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