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基本情報技術者 2010年 秋期 午前(科目A)60


問題文

ユーザ受入れテストの監査において、指摘事項に該当するものはどれか。

選択肢

システム部門だけでテストを行い、テスト結果をその責任者が承認した。(正解)
当該業務に精通したユーザが参画してテストを行った。
ユーザ受入れテストの実施環境は本番環境と隔離させた。
ユーザ要求をすべてテスト対象としたテストケースを設定した。

ユーザ受入れテストの監査で指摘される事象はどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ユーザ受入れテストで指摘されるのは、システム部門が単独で実施・承認し利害関係が分離されていない運用です。
  • 根拠:受入れテストは業務ユーザの承認が目的であり、実施・評価が利害関係者と一体化すると独立性・客観性が失われます。
  • 差がつくポイント:環境分離、ユーザ参画、テスト項目網羅性は適正だが、承認者の立場(誰が承認したか)を必ず確認します。

正解の理由

正解:
ユーザ受入れテスト(UAT)の監査で問題となるのは、テストの実施と承認がシステム部門だけで完結している場合です。UATは「業務を行うユーザ」が業務要件に基づいて受け入れ可否を判断することが目的であり、開発・運用を担うシステム部門が自らテストして自ら承認する運用は利害対立(自己承認)となり、監査上の指摘事項になります。

よくある誤解

  • 「システム部門が詳しいからテストして承認すれば効率的」は誤りで、客観的評価が失われ内部統制上の欠陥になります。
  • 「テスト環境が本番と違えば安全」と考えるのは部分的事実で、本番と隔離してもユーザの実務確認ができていれば指摘とならない場合が多いです。
  • 「テスト項目をすべて網羅すれば完璧」は誤解で、項目網羅だけでなく承認プロセスの独立性も評価されます。

解法ステップ

  1. 目的把握:UATの目的は業務ユーザによる業務要件の検証・承認であることを確認する。
  2. 役割確認:テストの実施者・評価者・承認者の所属と利害関係(業務部門かシステム部門か)を特定する。
  3. 証拠確認:テスト計画・実施記録・承認署名(誰が承認したか)を照合する。
  4. 判断:承認者がシステム部門の責任者で自己承認になっている場合は指摘事項と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • : システム部門だけでテストを行い、その責任者が承認した。
    • なぜ指摘か:UATの本旨(業務ユーザによる受入れ判断)に反し、独立性欠如で内部統制上の欠陥となるため監査で指摘される。
  • イ: 当該業務に精通したユーザが参画してテストを行った。
    • 解説:適切な実施方法であり、むしろ望ましい。ユーザ参画はUATの基本要件を満たす。
  • ウ: ユーザ受入れテストの実施環境は本番環境と隔離させた。
    • 解説:安全確保の観点では妥当。環境差異によるリスクはあるが、即指摘事項とはならない。
  • エ: ユーザ要求をすべてテスト対象としたテストケースを設定した。
    • 解説:網羅性の観点で適切。実効性(正しく実行されたか)を確認する必要はあるが、原則として指摘事項ではない。

補足コラム

監査で重要なのは「プロセスの整合性」と「証拠(エビデンス)」です。UATに関しては以下をチェックリストとして用いるとよいでしょう。
  • テスト計画に業務要件と合致した受入れ基準が定義されているか。
  • 実施者と承認者の所属・役割が明示され、承認は業務ユーザまたは独立した品質保証部門が行っているか。
  • テスト結果の記録、欠陥(不具合)管理のトレーサビリティが確保されているか。
  • 本番移行条件(UAT合格基準)が文書化され、関係者が合意しているか。
監査での典型的な指摘例:承認が開発側の責任者による自己承認、テスト実施記録の未保存、重要業務シナリオの未実施など。

FAQ

Q: システム部門が参加するUATはダメですか?
A: 参加自体は問題ありません。問題は「実施と承認がシステム部門だけで完結する」場合で、業務ユーザによる最終承認が必要です。
Q: 本番環境で直接UATを行えば承認者は明確になりますか?
A: 本番で行うことは運用リスクが高く推奨されません。承認者の立場(業務側)を明確にしつつ、十分な検証を隔離環境で行うのが通常です。
Q: 小規模組織で承認者を分けられない場合はどうすればよいですか?
A: 外部の独立レビュー、別部署または上位管理者の承認、または記録とレビューを厳格にして独立性を補完する方法が考えられます。

関連キーワード: 受入れテスト、ユーザ受入れテスト、受入れ承認、監査指摘、内部統制、利害関係分離、テスト環境、テストケース、エビデンス、品質保証
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