基本情報技術者 2010年 春期 午前(科目A) 問53
問題文
コンピュータをLAN経由で起動させる機能をWake on LAN(WOL)という。この機能を利用することによって効率よく行えるものはどれか。
選択肢
ア:遠隔地にあるPCのソフトウェア保守(正解)
イ:システム誤動作の検知
ウ:トラフィック状況の管理
エ:不正アクセスの監視
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Wake on LANの遠隔起動【午前解説】
正解の理由
正解は ア です。Wake on LAN はネットワーク上から特定のマジックパケットを送ることで、遠隔地にある電源オフのPCを起動できます。これにより、夜間や業務外時間にまとめてパッチ適用やソフトウェア更新、資産管理ツールによるスキャンを行えるため、遠隔地のPCのソフトウェア保守を効率化できます。WOL自体は「起動」のための機能であり、起動後に別の管理ソフトウェアで保守作業を行う運用が一般的です。
解法ステップ
- 問題文からキーワード「Wake on LAN(WOL)」を確認し、その主目的を思い出す。
- WOLの機能は「遠隔で電源を入れる」ことに限定される点を整理する。
- 各選択肢をWOLの機能と照合し、「電源起動→遠隔保守に直結する」選択肢を選ぶ。
- 監視・検知・トラフィック管理は専用ツールの領域であると判断して除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 遠隔地にあるPCのソフトウェア保守
- 正解。WOLで電源を入れた後にパッチ適用や管理ソフトで保守をまとめて実施できます。
- イ: システム誤動作の検知
- 誤り。誤動作検知は監視ツール(ログ監視、SNMPトラップ、障害監視システム)が担います。WOLは検知機能を持ちません。
- ウ: トラフィック状況の管理
- 誤り。トラフィック管理はネットワーク機器やNMS(ネットワーク管理システム)の機能で、WOLは起動パケット送受信のみです。
- エ: 不正アクセスの監視
- 誤り。不正アクセス監視はIDS/IPSやSIEMによる検出・分析が必要で、WOLは監視目的の機能を提供しません。
よくある誤解
- WOLでPCの状態監視や誤動作検知ができると考える誤解:WOLは電源を入れるだけで、稼働監視や故障検知は別ツールが必要です。
- WOLはどこでもそのまま使えると考える誤解:サブネット越えやルータ設定、NIC/BIOSの対応が必要で、インターネット越しの利用は追加設定が要ります。
- WOLでセキュリティ対策ができると考える誤解:WOLは起動手段であり、不正起動の防止やログ収集は別途対策が必要です。
補足コラム
- 技術的なポイント:WOLは「マジックパケット」と呼ばれるフレーム(ターゲットMACアドレスを16回繰り返したペイロード)をNICが待ち受けている状態で受信するとPCを起動します。通常はUDPのポート7または9を用いることが多く、同一サブネット内のブロードキャストで配信します。
- 実運用上の注意:BIOS/UEFIでWOLを有効化、NICの電源供給(電源オフ時でも待機する電力)が必要です。サブネットを跨ぐ場合はルータでのディレクトリブロードキャスト許可や専用のWOLブロードキャスト中継設定、あるいはVPNを利用した安全な手段が必要です。
- セキュリティ:WOL自体には認証機構が乏しいため、インターネット経由で直接公開するのは避け、VPNや管理ネットワーク経由で運用するのが安全です。
- 実務での活用例:SCCM(Microsoft Endpoint Configuration Manager)や他のパッチ管理ツールと組み合わせ、深夜に一斉更新のためにWOLでPCを起動する運用が一般的です。
(参考:簡易マジックパケット送信のPython例)
import socket
def send_magic_packet(mac):
mac_bytes = bytes.fromhex(mac.replace(':','').replace('-',''))
packet = b'\xff' * 6 + mac_bytes * 16
s = socket.socket(socket.AF_INET, socket.SOCK_DGRAM)
s.setsockopt(socket.SOL_SOCKET, socket.SO_BROADCAST, 1)
s.sendto(packet, ('<broadcast>', 9))
s.close()
# 例: send_magic_packet('00:11:22:33:44:55')
FAQ
Q1. WOLはインターネット越しにそのまま使えますか?
A1. そのままでは使えません。ルータのブロードキャスト制限や中継設定、もしくはVPNを使って管理ネットワークに入る必要があります。
A1. そのままでは使えません。ルータのブロードキャスト制限や中継設定、もしくはVPNを使って管理ネットワークに入る必要があります。
Q2. 電源完全オフ(AC切断)でもWOLは動作しますか?
A2. いいえ。マザーボード/電源がNICへ待機電力を供給している必要があります。ACが切れていると動作しません。
A2. いいえ。マザーボード/電源がNICへ待機電力を供給している必要があります。ACが切れていると動作しません。
Q3. WOLにはどんな代替・補助技術がありますか?
A3. IPMI/iLO/iDRACなどのリモート管理機能は電源制御やコンソールアクセスを提供し、サーバー管理ではより高度な代替になります。
A3. IPMI/iLO/iDRACなどのリモート管理機能は電源制御やコンソールアクセスを提供し、サーバー管理ではより高度な代替になります。
関連キーワード: Wake on LAN、WOL、マジックパケット、マックアドレス、リモート保守、BIOS設定、ブロードキャスト、ポート9、SCCM、NIC待機電力、VPN、NMS、IDS

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