基本情報技術者 2010年 春期 午前(科目A) 問80
問題文
JIS Q 27001:2006 における ISMS の確立に必要な事項 ①〜③ の順序関係のうち、適切なものはどれか。
① 適用宣言書の作成
② リスク対応のための管理目的及び管理策の選択
③ リスクの分析と評価
選択肢
ア:①→②→③
イ:①→③→②
ウ:②→③→①
エ:③→②→①(正解)
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ISMS確立手順の順序関係【午前解説】
正解の理由
リスクの「分析と評価(③)」を先に行うことで、どの資産・脅威・脆弱性がどの程度のリスクかを把握します。その評価結果に基づき、リスクを低減・回避・受容・移転するための管理目的と具体的な管理策を選定します(②)。最後に、選定した管理策と採用・除外の理由を明確にするために適用宣言書(Statement of Applicability、適用宣言書)を作成します(①)。従って正しい順序は ③→②→① で、選択肢は エ です。
解法ステップ
- 設問の各項目が「何を表すか」を簡潔に理解する(例:①は適用宣言書=文書、②は管理策の選択=決定、③は分析・評価=情報収集)。
- 順序の論理依存関係を考える(文書化すべきは「結果」であり、結果を出すには評価→選択が必要)。
- 選択肢で論理順序が一致するものを選ぶ(評価→選定→文書化 に当てはまるのは ③→②→①=エ)。
選択肢別の誤答解説
- ア: ①→②→③ — 適用宣言書を最初に作る順序は誤り。適用宣言書は管理策選定の結果を記載する文書です。
- イ: ①→③→② — 適用宣言書を出発点にした後で評価→選定とするのは順序が不適切で、文書の整合性が取れません。
- ウ: ②→③→① — 管理策を選んだ後にリスク評価をするのは逆で、選定の根拠が欠落します。
- エ: ③→②→① — 正解。リスク評価で根拠を得て管理策を選定し、その選定結果を適用宣言書に記録します。
よくある誤解
- 「適用宣言書を最初に作る」と思い込む誤解:適用宣言書は選定した管理策の記録であり、事前に作成すると説明責任が果たせません。
- 「管理策を先に決めてから評価すれば効率的」と考えるミス:管理策の妥当性はリスク評価に依存するため、順序を逆にすると過剰対策や不足対策を招きます。
- リスク分析とリスク対応を同義と混同する誤り:分析・評価は現状把握、対応はその後の意思決定で役割が異なります。
補足コラム
- 適用宣言書(SoA)は、採用した管理策と採用しなかった管理策の一覧、及びそれぞれの採用/不採用の理由を明示する文書です。JIS Q 27001:2006 の実務では、これが監査で最も重視される出力の一つになります。
- ISO/IEC 27001 の後続版(2013 版など)でも同様の論理(リスクアセスメント→リスク処理→文書化)は維持されています。リスク評価は影響度と発生確率の評価を含み、残留リスクの判断も重要です。
FAQ
Q. 適用宣言書には何を記載すればよいですか?
A. 採用した管理策の一覧、採用しなかった管理策の一覧、及びそれぞれの採用/不採用理由と適用範囲を記載します。
A. 採用した管理策の一覧、採用しなかった管理策の一覧、及びそれぞれの採用/不採用理由と適用範囲を記載します。
Q. リスクの「分析」と「評価」はどう違いますか?
A. 分析は資産・脅威・脆弱性の洗い出しと影響・発生確率の見積もり、評価はその分析結果に基づいてリスクの重大性を判定し優先順位をつける工程です。
A. 分析は資産・脅威・脆弱性の洗い出しと影響・発生確率の見積もり、評価はその分析結果に基づいてリスクの重大性を判定し優先順位をつける工程です。
Q. ISO/IEC 27001:2013 でも順序は同じですか?
A. はい。リスクアセスメント(分析・評価)→リスク対応(管理策の選択)→適用宣言書(文書化)の流れは基本的に変わりません。
A. はい。リスクアセスメント(分析・評価)→リスク対応(管理策の選択)→適用宣言書(文書化)の流れは基本的に変わりません。
関連キーワード: ISMS、JIS Q 27001:2006、適用宣言書、Statement of Applicability、リスク分析、リスク評価、管理策、リスク対応、Annex A

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