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基本情報技術者 2011年 秋期 午前(科目A)17


問題文

信頼性設計におけるフェールソフトの例として、適切なものはどれか。

選択肢

アプリケーションを間違って終了してもデータを失わないように、アプリケーション側の機能で編集中のデータのコピーを常に記憶媒体に保存する。
一部機能の障害によってシステムが停止しないよう、ハードウェアやソフトウェアを十分に検証し、信頼性の高いものだけでシステムを構成する。
クラスタ構成のシステムにおいて、あるサーバが動作しなくなった場合でも、他のサーバでアプリケーションを引き継いで機能を提供する。(正解)
電子メールでの返信が必要とされる受付システムの入力画面で、メールアドレスの入力フィールドを二つ設けて、同一かどうかをチェックする。

##: 信頼性設計におけるフェールソフトの例として、適切なものはどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論→ フェールソフトは障害が起きても「機能を限定してでも動作を続ける」設計であり、クラスタの引き継ぎによる継続提供が典型例です。
  • 根拠→ フェールソフトはシステム停止を回避してサービスを維持する考え方で、冗長化やフェイルオーバで部分機能の継続を実現します。
  • 差がつくポイント→ 部品の高信頼化や入力チェック、バックアップ保存は重要でもフェールソフトの定義(継続提供・引き継ぎ)とは異なる点を見極めてください。

正解の理由

正解は ウ: クラスタ構成のシステムにおいて、あるサーバが動作しなくなった場合でも、他のサーバでアプリケーションを引き継いで機能を提供する。 です。
フェールソフト(fail-soft)は障害発生時に全停止させるのではなく、性能や機能を限定してでも継続的にサービスを提供する設計思想を指します。クラスタでのフェイルオーバや処理の引き継ぎはまさに「障害があっても機能を継続する」代表的な実装例であるため正答となります。

よくある誤解

  • 「データを失わない=フェールソフト」と誤解する点:データ保全(自動保存)は重要だが、サービス継続の概念とは別でフェールセーフ寄りの対策です。
  • 「信頼性の高い部品を使えばフェールソフトになる」との誤解:高信頼化は障害発生確率低減であって、発生時の継続動作(フェールソフト)ではありません。
  • 「入力検査はフェールソフトだ」と思う誤り:入力検査は誤入力防止であって、障害発生時の機能継続には該当しません。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード「フェールソフト(fail-soft)」の定義を思い出す(障害発生時に性能低下や機能限定で継続提供する設計)。
  2. 各選択肢が「障害後に継続提供する仕組み」かどうかを判定する(冗長化・フェイルオーバ・引き継ぎが該当)。
  3. 継続提供でないもの(自動保存、部品選定、入力チェック)は除外する。
  4. 残った選択肢がクラスタの引き継ぎを示すウであれば正解。

選択肢別の誤答解説

  • ア: アプリケーション側で編集中データのコピーを常に保存する。
    → データ保全や障害時のデータ回復に寄与するが、システムの機能継続(サービスを限定して動かす)というフェールソフトの定義には当たりません。フェールセーフや耐障害性の一部です。
  • イ: 信頼性の高いハードウェアやソフトウェアで構成する。
    → フォールトアボイダンス(故障回避)や高信頼化の方策で、障害時の継続動作自体を示していないためフェールソフトとは異なります。
  • ウ: クラスタ構成のシステムにおいて、あるサーバが動作しなくなった場合でも、他のサーバでアプリケーションを引き継いで機能を提供する。
    → 正解。障害発生時に機能を維持・引き継ぐフェイルオーバはフェールソフトの代表例です。
  • エ: メールアドレス入力欄を二つ設け同一かをチェックする。
    → 入力ミス防止のユーザ側検証であり、システム障害発生時に機能を継続する設計とは無関係です。

補足コラム

フェールソフト(fail-soft)は「障害が起きても可能な範囲で動作を続ける」ことを目指します。これに対しフェールセーフ(fail-safe)は「障害発生時に安全な状態に遷移させる」ことが目的です。実際のシステム設計では両者を組み合わせることが多く、例えばWebサービスではクラスタでのフェイルオーバ(フェールソフト)とデータの整合性保持(フェールセーフ的な配慮)を両立させます。RAIDのリード専用動作やロードバランサの切替、アクティブ-スタンバイ構成などが典型例です。

FAQ

Q1: フェールソフトとフォールトトレランスは同じですか?
A1: フェールソフトは「障害時の動作方針(継続)」を指し、フォールトトレランスは「障害に耐える能力(冗長化等)」。重なる部分は多いが厳密には異なる概念です。
Q2: クラスタ以外でのフェールソフト例は?
A2: 機能を限定して動作するグレースフルデグラデーション(負荷下で機能を落として継続)や、読み取り専用モードの維持などがあります。
Q3: 自動保存は全く無意味ですか?
A3: 無意味ではありません。データ消失対策として重要ですが、フェールソフトの「サービス継続」という観点とは用途が異なります。

関連キーワード: フェールソフト、フェールセーフ、フォールトトレランス、冗長化、クラスタ、フェイルオーバー、高可用性、グレースフルデグラデーション、障害対策、信頼性設計
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