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基本情報技術者 2011年 秋期 午前(科目A)72


問題文

ある工場では表に示す3製品を製造している。実現可能な最大利益は何円か。ここで、各製品の月間需要量には上限があり、組立て工程に使える工場の時間は月間200時間までとする。また、複数種類の製品を同時に並行して組み立てることはできないものとする。
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選択肢

2,625,000
3,000,000
3,150,000
3,300,000(正解)

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製造計画の利益最大化【午前解説】

正解の理由

各製品の「単位時間当たりの利益(利益÷組立時間)」を比較し、工場の限られた組立時間を効率よく使うことが最も利益を高めます。単位時間あたりの利益は、Xが300円/分、Yが250円/分、Zが200円/分となり、最も効率の良い順に X → Y → Z の順で生産します。時間制約(200時間=12,000分)と各製品の需要上限に従って上から順に需要を満たすと、Xを1,000個(6,000分、利益1,800,000円)、残り6,000分でYを600個(6,000分、利益1,500,000円)生産し合計3,300,000円となり、選択肢に該当します。交換論法により、より低い単位時間利益の製品を残して高い製品の生産を減らすと必ず総利益が下がるため、この配分が最適です。

解法ステップ

  1. 時間単位を統一する:200時間 = 分。
  2. 各製品の単位時間当たり利益を計算する:
    • X: (円/分)
    • Y: (円/分)
    • Z: (円/分)
  3. 単位時間あたり利益の大きい順に生産(ただし各製品の需要上限まで)する(貪欲法):
    • X を需要上限 1,000 個まで生産:時間 分、利益 円。
    • 残時間 分で次に効率の良い Y を生産。Y は需要上限 900 個だが、6,000 分だと生産可能個数は 個(上限内)。利益 円。
    • 残時間 0 分で終了。
  4. 総利益は 円。
よって最適解は合計 3,300,000 円(選択肢)です。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 2,625,000 円
    これは(例えば)X を750個、Z を425個生産する組み合わせで実現する金額の一例です(ただし最適ではありません)。計算は次の通りです:
    • X: 円、時間
    • Z: 円、時間
    • 合計利益 円、使用時間 分(12,000分以内で成立)
      問題点:この組合せは時間を使い切っていない上、単位時間当たり利益の高いYを全く活用しておらず、効率が悪いため最適ではありません。
  • イ: 3,000,000 円
    例として X を1,000個、Z を400個生産する組み合わせで得られる値です。計算:
    • X: 円、時間
    • Z: 円、時間
    • 合計 円、使用時間 分(制約内)
      問題点:X と Z の組合せは時間を有効に使ってはいますが、X と Y の組合せと比べると Y の方が Z より単位時間利益が高いため、Z を選ぶのは効率が悪く、より高い利益を得られる余地があります。
  • ウ: 3,150,000 円
    これは Y を先に満たす方針で計算すると出る典型的な値です(Y 900個、X 500個)。計算:
    • Y: 円、時間
    • X: 円、時間
    • 合計 円、使用時間
      問題点:Y を優先して満たすと時間配分は可能ですが、X の方が単位時間当たり利益が高いため、X を先に生産して残り時間で Y を作る方が総利益はさらに大きくなります(最適は 3,300,000 円)。
  • エ: 3,300,000 円(最適)
    X を上限まで生産し、残り時間で Y を生産する戦略により到達します(上掲の「正解の理由」「解法ステップ」を参照)。

よくある誤解

  1. 時間単位の取り違え(時間を時間のまま扱い、分に変換せずに計算してしまう)
    • 200時間を分に直さずに単位時間当たり利益を誤算すると配分が狂います。必ず同じ単位に統一してください。
  2. 単位時間当たり利益を評価せず、単純に単価(1個当たりの利益)だけで判断する
    • 組立時間が異なる場合、単価だけで判断すると効率の悪い製品に時間を割いてしまいます。
  3. 分割生産(小数個)を許してしまう想定
    • 実務的には製品は整数個で生産するため、整数性を考慮するが、本問題のように単位が小さく需要が十分大きい場合、単位ごとの交換論法で貪欲法が最適になります。

補足コラム

なぜ「単位時間当たり利益の大きい順に生産する(貪欲法)」がこの問題で最適になるか簡単に示します。もしある解で、ある時間帯に単位時間利益の低い製品Aの生産があり、かつ高い製品Bの需要上限に達していない場合、Aの1個をBの1個に置き換えると時間は同じ(各個別の所要時間分の交換を同数分行う)かつ利益は増加します。よって初めから高い比率のものを優先して選べば、どの交換も不要で最終的に最適解になります。これは「同一製品の各単位が同じ比率を持つ」ため成立する単純で強力な論拠です。

FAQ

Q. 単位が分ではなく時間(h)のままでも解けますか?
A. はい。単位を統一して比率を出せば同じ結果です。利便性から分に直すことが多いだけです。
Q. 並行組立が可能ならどう変わる?
A. 並行可能なら(複数設備で同時に組立て可能なら)装置数や並列処理能力によって最適配分が変わります。本問は「並行不可」が前提のため単一資源制約で解きます。
Q. 製品の生産に切り替えコストがある場合は?
A. 切替コストがあると単位ごとの貪欲解が最適でなくなる可能性があります。切替コストを考慮する場合は動的計画法や整数計画法で評価します。

関連キーワード: 線形計画、ナップサック問題、単位時間利益、生産スケジューリング、貪欲法、資源配分、効率分析
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