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基本情報技術者 2011年 秋期 午前(科目A)80


問題文

派遣契約に基づいて就労している派遣社員に対する派遣先企業の対応のうち、適切なものはどれか。ここで、就業条件などに特段の取決めはないものとする。

選択肢

営業情報システムのメンテナンスを担当させている派遣社員から、直接に有給休暇の申請があり、業務に差し障りがないと判断して、承認した。
グループウェアのメンテナンスを行うために、自社社員と同様に作業を直接指示した。(正解)
生産管理システムへのデータ入力を指示したところ、入力ミスによって、欠陥製品ができたので、派遣元企業に対して製造物責任を追及した。
販売管理システムのデータ処理が定時に終了しなかったので、自社社員と同様の残業を行うよう指示した。

派遣社員への派遣先企業の対応【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論→派遣先は業務の具体的な指揮命令(業務内容の指示)は可能で、これが最も適切な対応です。
  • 根拠→派遣労働関係では雇用関係は派遣元にあり、休暇・賃金・残業など人事管理は派遣元の権限です。
  • 差がつくポイント→業務指示と雇用管理(有給承認・残業命令・雇用条件変更等)を混同しないことが合格者との差です。

正解の理由

正解:
派遣労働の実務では、派遣先は「どのような仕事をするか」「いつどの業務を行うか」といった業務上の具体的指揮命令を行うことが認められます。今回の「グループウェアのメンテナンスを行うために、自社社員と同様に作業を直接指示した。」は、派遣契約で想定された業務範囲内での具体的指示であり、派遣先として適法かつ通常の対応です。

よくある誤解

  • 派遣先が何でも決められる:業務上の指示は可能でも、有給休暇の承認や賃金・解雇などの雇用管理は派遣元の権限である点を見落としやすいです。
  • 責任の所在を混同する:派遣社員の業務ミスがあっても直ちに派遣元の製造物責任を追及できるとは限らない点を誤認しやすいです。

解法ステップ

  1. 問題文で「就業条件などに特段の取決めはない」とあるため、通常の派遣関係を前提にする。
  2. 派遣関係の基本を整理する(雇用主=派遣元、業務指揮=派遣先が可能)。
  3. 各選択肢を「業務指示に当たるか」「雇用管理に当たるか」「法的責任の問題か」で分類する。
  4. 業務の具体的指示であれば適切(イ)、有給承認や残業命令、直接の製造物責任追及は不適切または誤りと判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 派遣社員から直接有給休暇の申請を受けて派遣先が承認した。
    解説:有給休暇の管理・承認は労働契約関係に属し、雇用主である派遣元が行うべきで、派遣先が一方的に承認するのは原則不適切です。緊急で実務調整する場合も事後的に派遣元と調整する運用が必要です。
  • イ: グループウェアのメンテナンスを行うために、自社社員と同様に作業を直接指示した。
    解説:業務の具体的な指揮命令は派遣先の業務として認められており、派遣契約の範囲内であれば適切な対応です。よって正解は です。
  • ウ: 入力ミスで欠陥製品ができたので派遣元に製造物責任を追及した。
    解説:製造物責任(PL)は通常、製造者・販売者等に対するものであり、派遣元が自動的に製造者に当たるとは限りません。また、責任の帰属や損害賠償の問題は個別事案で検討するべきで、即座に派遣元にPL責任を追及するのは誤った理解です。
  • エ: 定時に処理が終わらなかったので自社社員と同様に残業を指示した。
    解説:残業の指示や時間外労働の取扱いは労働時間管理・賃金支払の問題を伴い、派遣先が直接「残業命令」を出すことは適切ではありません。派遣元と調整のうえ、労働時間管理や割増賃金の手続きが必要です。

補足コラム

  • 実務上の運用:派遣先が業務の当日指示(業務内容や手順)を行い、派遣元が勤務時間や有給、賃金の管理を行う二重構造が基本です。トラブルを避けるには、事前に派遣契約書や就業条件明示で業務範囲・指揮命令の範囲を明確化しておくことが重要です。
  • 例外や注意点:技術指導や安全管理は派遣先の責任領域に含まれることが多く、教育的な指示や安全上の指示は派遣先が積極的に行うべき事項です。

FAQ

Q1: 派遣社員が休みたいと言ったら派遣先はどうすべきですか?
A1: 原則は派遣元に連絡し、派遣元が有給処理や欠勤処理を行います。派遣先は業務調整や代替の手配を行い、派遣元と連携してください。
Q2: 業務指示の範囲を超えた依頼はできますか?
A2: 契約で定められた業務範囲を超える作業は派遣契約違反となる可能性があり、事前に派遣元との合意が必要です。
Q3: 派遣社員がミスをした場合の責任は誰にありますか?
A3: ミスの内容によって異なります。製造物責任や民事責任の所在は個別に判断され、派遣先の管理義務違反や派遣元の選任義務違反などが問題になります。

関連キーワード: 労働者派遣法、派遣元、派遣先、指揮命令、雇用管理、労働基準法、残業、有給休暇、製造物責任、派遣契約、就業条件
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