基本情報技術者 2011年 秋期 午前(科目A) 問79
問題文
著作権法において、保護の対象とならないものはどれか。
選択肢
ア:インターネットで公開されたフリーソフトウェア
イ:ソフトウェアの操作マニュアル
ウ:データベース
エ:プログラム言語や規約(正解)
著作権法において、保護の対象とならないものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:著作権が保護するのは「創作的な表現」であり、プログラム言語や規約は表現ではなく手続きや方法なので保護対象外です。
- 根拠:著作権法の定義は「思想又は感情を創作的に表現したもの」を保護対象とし、アイデアや方式・手続きは含まれません。
- 差がつくポイント:ソースコードやマニュアル、独自の選択・配列を伴うデータベースは表現として保護され得る点を正確に区別することが重要です。
正解の理由
正解は エ(プログラム言語や規約)です。著作権は「表現」を保護しますが、プログラム言語そのものや通信規約・ルールは、方法・手続き・体系(システムやアイデア)に該当します。これらは思想や方式であり、同法の保護対象には含まれません。逆に、同じ分野でも「具体的に記述されたソースコード」「マニュアルの文章」「創作性のあるデータベースの編集」は、表現として著作権の保護を受けます。
よくある誤解
- 「公開すれば著作権は消える」:インターネットで公開しても著作権は自動的に発生しており、公開=パブリックドメインではありません。
- 「プログラム全てが無保護」:プログラム言語自体は保護されませんが、言語で書かれた具体的なソースコードは著作物として保護されます。
- 「データベースは無条件に保護される」:単なる事実の集合は保護されず、選択・配列などに創作性があれば編集著作物として保護されます。
解法ステップ
- 各選択肢が「思想・感情の創作的表現(表現)」に該当するかを判断する。
- 「表現」に当たれば著作権の対象となり得ることを確認する。
- 「方法・手続き・体系・原理・思想」であれば著作権の対象外と判断する。
- 各選択肢に対して該当性を具体例で検証する(例:ソースコード=表現、言語仕様=体系)。
選択肢別の誤答解説
- ア: インターネットで公開されたフリーソフトウェア
誤り。公開や「フリー」であることは著作権の存否を消すものではなく、ソースコードやバイナリは著作物であり著作権で保護されます。ライセンスにより利用許諾が与えられる点と混同しやすいです。 - イ: ソフトウェアの操作マニュアル
誤り。操作マニュアルは文章としての表現であり、著作権(著作物)として保護されます。説明の表現方法に創作性があれば保護範囲は広くなります。 - ウ: データベース
誤り(条件付きで保護され得る)。単なる事実の集合は保護されませんが、どのデータを選びどう配列するかに創作性(編集著作物の要件)があれば著作権が認められます。 - エ: プログラム言語や規約
正解。言語そのものや規約は「方式・手続き・体系」に該当し、著作権法の保護対象外です(ただし実装や仕様書の具体的な表現は別扱い)。
補足コラム
- フリーソフトウェアと著作権:フリーソフトは「使用・再配布・改変」を許すライセンスで配布されますが、ライセンス自体は著作権者が付与する権利で、著作権の存在を前提としています。
- データベース保護の実務:企業データベースが保護されるかは、データの選択・編集に独自性があるかで判断されます。大量の事実を機械的に集めたものは保護が難しいです。
- 他の知的財産との関係:プログラム言語や規約は著作権の対象外でも、特定の発明的要素は特許の対象になり得ます(ただし要件・審査は別)。
FAQ
Q1: ソースコードと同じ処理をする別実装は問題になりますか?
A1: 具体的なソースコードを直接コピーすれば著作権侵害ですが、同じ機能を別の表現で書いた場合は表現が異なれば侵害には当たりません(要件はケースバイケース)。
A1: 具体的なソースコードを直接コピーすれば著作権侵害ですが、同じ機能を別の表現で書いた場合は表現が異なれば侵害には当たりません(要件はケースバイケース)。
Q2: APIやインターフェースは保護されますか?
A2: API仕様のうち「表現的に独自で創作性のある文書」は保護され得ますが、インターフェース自体の機能・方式は著作権の保護対象外とされることが多く、判例や国による扱いも影響します。
A2: API仕様のうち「表現的に独自で創作性のある文書」は保護され得ますが、インターフェース自体の機能・方式は著作権の保護対象外とされることが多く、判例や国による扱いも影響します。
Q3: 法令や規格は著作権で守られますか?
A3: 公的な法令・判決文などは一般に自由に利用できることが多く(公有の原則)、規格は作成団体の著作物となる場合があるため利用条件を確認してください。
A3: 公的な法令・判決文などは一般に自由に利用できることが多く(公有の原則)、規格は作成団体の著作物となる場合があるため利用条件を確認してください。
関連キーワード: 著作権法、表現とアイデアの区別、ソースコード、データベース、フリーソフトウェア、編集著作物、API、ライセンス、特許との違い

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