基本情報技術者 2011年 秋期 午前(科目A) 問78
問題文
財務諸表のうち、一定時点における企業の資産、負債及び純資産を表示し、企業の財政状態を明らかにするものはどれか。
選択肢
ア:株主資本等変動計算書
イ:貸借対照表
ウ:損益計算書
エ:キャッシュフロー計算書(正解)
財務諸表のうち、一定時点における企業の資産、負債及び純資産を表示し、企業の財政状態を明らかにするものはどれか。【午前2 解説】
※問題データでは「正解: エ(キャッシュフロー計算書)」と記載されていますが、本文での正しい解答は選択肢 イ(貸借対照表)です。以下は正答イを前提とした詳しい解説です。
要点まとめ
- 結論:一定時点における資産・負債・純資産を示すのは「貸借対照表(バランスシート)」で、企業の財政状態を表します。
- 根拠:貸借対照表は“ストック(一定時点)”を表示し、損益計算書やキャッシュフロー計算書は“フロー(一定期間)”を示します。
- 差がつくポイント:問題文の「一定時点」という表現に注目し、期間を示す語(一定期間、当期)と対比して判断します。
正解の理由
貸借対照表(選択肢 イ)は特定の瞬間(決算日など)における資産、負債および純資産の残高を一覧表示し、企業の財政状態(健全性や資本構成)を明らかにするための財務諸表です。これに対して、損益計算書は一定期間の収益・費用を示し、キャッシュフロー計算書は一定期間の現金収支を示します。したがって「一定時点」という条件に合致するのは貸借対照表です。
よくある誤解
- 「キャッシュフロー計算書=財政状態」という誤解:キャッシュフロー計算書は現金の増減(フロー)を示すため、流動性の一部しか示しません。財政状態そのもの(特に資産・負債の残高)は貸借対照表を見る必要があります。
- 「損益計算書と貸借対照表を混同する」:損益計算書は当期の損益(利益の発生)を示し、貸借対照表は利益が留保された結果としての資本構成などを示します。期間と時点の違いを見落としやすいです。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「一定時点」「一定期間」などの語句を確認する。
- 各財務諸表の役割を整理する:貸借対照表=時点(ストック)、損益計算書=期間(フロー)、キャッシュフロー計算書=期間の現金流れ。
- 選択肢と照合する:問題文の条件に合致する財務諸表を選ぶ(ここでは「一定時点」→貸借対照表)。
- 二択になった場合は表示項目(資産・負債・純資産の有無)で最終決定する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 株主資本等変動計算書
- 役割は一定期間の株主資本(資本・利益剰余金等)の増減を示す表で、「期間」の変動を示すため時点の財政状態を直接表すものではありません。
- イ: 貸借対照表(正解)
- 一定時点における資産、負債及び純資産を表示し、企業の財政状態を明らかにする表です。決算日現在のストックを示します。
- ウ: 損益計算書
- 一定期間の収益と費用の差額(当期純利益)を示す表で、期間(フロー)に関する情報を提供します。時点の残高ではありません。
- エ: キャッシュフロー計算書
- 一定期間の営業・投資・財務活動による現金の増減を示す表で、現金のフローを把握するためのものです。時点の資産負債の残高を直接示すものではありません。
補足コラム
貸借対照表(Balance Sheet)は「資産 = 負債 + 純資産」という会計の基本等式に基づき、企業がどのような資産を保有し、その資産がどのように調達されたか(借入か資本か)を示します。投資判断や与信判断では、流動比率、自己資本比率、負債比率といった貸借対照表由来の指標が重視されます。一方、キャッシュフロー計算書は収益性ではなく現金の実際の動きを確認するため、倒産リスクの評価や資金繰り分析に不可欠です。
FAQ
Q1: 「一定時点」と「一定期間」はどう見分ける?
A1: 問題文に「期末現在」「決算日現在」「ある時点」などがあれば時点(貸借対照表)。「当期」「年度」「期間中」などがあれば期間(損益計算書・キャッシュフロー計算書)。
A1: 問題文に「期末現在」「決算日現在」「ある時点」などがあれば時点(貸借対照表)。「当期」「年度」「期間中」などがあれば期間(損益計算書・キャッシュフロー計算書)。
Q2: 貸借対照表だけ見れば企業の健全性は完全にわかる?
A2: いいえ。貸借対照表は静的な状態を示しますが、収益性や現金創出力を把握するには損益計算書やキャッシュフロー計算書も合わせて分析する必要があります。
A2: いいえ。貸借対照表は静的な状態を示しますが、収益性や現金創出力を把握するには損益計算書やキャッシュフロー計算書も合わせて分析する必要があります。
Q3: 株主資本等変動計算書はなぜ必要?
A3: 当期純利益や配当、自己株式の取得などが純資産に与える影響を明示することで、純資産の構成変化を追跡できます。期間の変動を可視化します。
A3: 当期純利益や配当、自己株式の取得などが純資産に与える影響を明示することで、純資産の構成変化を追跡できます。期間の変動を可視化します。
関連キーワード: 貸借対照表、バランスシート、財政状態、資産負債純資産、キャッシュフロー

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