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基本情報技術者 2011年 春期 午前(科目A)37


問題文

CSMA/CD方式のLANに接続されたノードの送信動作に関する記述として、適切なものはどれか。

選択肢

各ノードに論理的な順位付けを行い、送信権を順次受け渡し、これを受け取ったノードだけが送信を行う。
各ノードは伝送媒体が使用中かどうかを調べ、使用中でなければ送信を行う。衝突を検出したらランダムな時間経過後に再度送信を行う。(正解)
各ノードを環状に接続して、送信権を制御するための特殊なフレームを巡回させ、これを受け取ったノードだけが送信を行う。
タイムスロットを割り当てられたノードだけが送信を行う。

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CSMA/CDの送信動作【午前解説】

正解の理由

イの記述はCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)の動作をそのまま表しています。具体的には、各ノードが送信前に伝送媒体(キャリア)を監視し、媒体が空であれば送信を開始します。もし同時送信が発生して電気的に衝突が起きた場合、ノードは衝突を検出してジャム信号を送出し、ランダムに決めた待ち時間(バイナリ指数バックオフ)後に再送を試みます。これらの要素(キャリアセンス、衝突検出、ランダム再送)がイの記述に含まれているため正解です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを拾う:「伝送媒体が使用中かどうかを調べ」「衝突を検出」「ランダムな時間経過後に再度送信」など。
  2. それがどの媒体アクセス制御(MAC)方式に該当するか照合する(CSMA/CD、トークンパッシング、TDMAなど)。
  3. 各選択肢と照らし合わせ、キーワードが一致するものを正解とする。
  4. 余分な語句(順位付け、環状巡回、タイムスロット割当)は別方式の特徴であるため除外する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 各ノードに論理的な順位付けを行い、送信権を順次受け渡す方式はポーリングや優先度制御に近く、CSMA/CDの記述ではない。よって誤り。
  • イ: 各ノードは伝送媒体が使用中かどうかを調べ、使用中でなければ送信を行う。衝突を検出したらランダムな時間経過後に再度送信を行う。 — CSMA/CDの動作を正確に表しており正解。
  • ウ: 環状に接続して特殊フレーム(トークン)を巡回させるのはトークンパッシング方式(例:トークンリング)であり、衝突検出を前提とするCSMA/CDとは異なる。誤り。
  • エ: タイムスロットをあらかじめ割り当てる方式はTDMAの考え方で、CSMA/CDの「キャリアセンス+衝突検出」方式とは根本的に違う。誤り。

よくある誤解

  • 「衝突はCSMA/CDで完全に防げる」と思う誤解:CSMA/CDは衝突を抑制するが、衝突自体は発生し得て、検出→再送で対処する方式です。
  • 「トークン方式と似ている」との混同:トークン方式(トークンリングなど)は衝突を本質的に起こさない仕組みであり、CSMA/CDとは制御原理が異なります。
  • 「スイッチを使えばCSMA/CDが不要」との短絡:スイッチ化でほとんどの衝突は消えるが、ハブや共有媒体ではCSMA/CDが機能します。

補足コラム

  • バイナリ指数バックオフ:最初の衝突後、ノードは k を [0, 2^m - 1] からランダム選択し、k × スロット時間待ってから再送する。m は衝突回数に応じて増加し通常10までに制限され、最大待機は 1023 スロットとなる。16回の試行失敗で転送は放棄されます。
  • イーサネットの最小フレーム長(64バイト)とスロット時間(512ビット時間)は、送信中に発生した衝突を検出可能にするために設計された重要なパラメータです。ハブなどの共有メディア環境で特に意味を持ちます。
  • 無線LAN(Wi-Fi)はCSMA/CA(Collision Avoidance)を採用しており、衝突検出が難しい無線媒体に合わせた設計です。

FAQ

Q1: CSMA/CDとCSMA/CAの違いは何ですか?
A1: CSMA/CDは衝突を検出してから対処(detect then back off)する方式、CSMA/CAは衝突を避けるために事前の調停や確認応答を行う方式です。無線ではCAが主流です。
Q2: スイッチングハブ環境ではCSMA/CDは必要ですか?
A2: フルデュプレックスでスイッチポートが個別の衝突ドメインになると衝突は基本発生しないためCSMA/CDは不要になります。ハブや半二重リンクでは必要です。
Q3: 衝突を検出する仕組みはどうなっていますか?
A3: 電気信号の重ね合わせから送信した信号と受信した信号が一致しなければ衝突と判断し、ジャム信号を送出して他ノードにも衝突を知らせます。

関連キーワード: CSMA/CD、イーサネット、衝突検出、ランダムバックオフ、トークンリング、TDMA、スロットタイム、バイナリー指数バックオフ
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