基本情報技術者 2011年 春期 午前(科目A) 問80
問題文
不正アクセス禁止法において、不正アクセス行為に該当するものはどれか。
選択肢
ア:会社の重要情報にアクセスし得る者が株式発行の決定を知り、情報の公表前に当該会社の株を売買した。
イ:コンピュータウイルスを作成し、他人のコンピュータの画面表示をでたらめにする被害をもたらした。
ウ:自分自身で管理運営するホームページに、昨日の新聞に載った報道写真を新聞社に無断で掲載した。
エ:他人の利用者ID、パスワードを許可なく利用して、アクセス制御機能によって制限されているWebサイトにアクセスした。(正解)
🔒 解説は解答すると表示されます
不正アクセス行為の定義【午前解説】
正解の理由
エ(他人の利用者ID、パスワードを許可なく利用して、アクセス制御機能によって制限されているWebサイトにアクセスした)は、他人の識別符号(ID・パスワード)を無断で使用し、アクセス制御を回避している点で不正アクセス禁止法の「不正アクセス行為」に該当します。法律上の典型的要件である(1)他人の識別符号の利用、(2)許可なく、(3)アクセス制御のある対象へのアクセス、のすべてを満たしているため正答です。
解法ステップ
- 問題文から対象となる法律(不正アクセス禁止法)の保護対象を把握する。
- 選択肢ごとに「識別符号(ID/password)の無断使用」「アクセス制御の有無」「単に情報利用か他法違反か」を照合する。
- 三つの要件(他人の識別符号・無許可・アクセス制御を回避)をすべて満たす選択肢を選ぶ。
- 残りは別法(著作権法、金融関連法、ウイルス関連の刑法規定)に当たることを確認して除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 会社の重要情報を公表前に利用して株を売買した行為はインサイダー取引であり、金融商品取引法違反の可能性があるが、不正アクセス禁止法の「アクセス制御の不正利用」ではない。
- イ: コンピュータウイルスの作成や他人のコンピュータに被害を与えた行為は、不正指令電磁的記録に関する罪など別の刑事罰の対象であって、不正アクセス禁止法の典型的構成要件ではない。
- ウ: 自分で管理運営するホームページに新聞写真を無断掲載する行為は著作権侵害に該当する可能性が高く、不正アクセス禁止法の「他人の識別符号を無断使用してアクセス制御を回避する」要件を満たさない。
- エ: 他人のID・パスワードを許可なく使用して、アクセス制御によって制限されているサイトに入る行為は不正アクセス禁止法が直接的に禁止する行為であり、正解。
よくある誤解
- 「ウイルスを作ったら不正アクセスだ」と混同する受験者が多いですが、ウイルス作成や被害は別の刑罰(不正指令電磁的記録に関する罪等)で扱われます。
- 「新聞写真を無断掲載=不正アクセス」と誤解されがちですが、これは著作権侵害であり、不正アクセス禁止法の対象外です。
- 「内部者の株売買=不正アクセス」と考える誤りがありますが、これは金融商品取引法等の別規制で、アクセス制御とは無関係です。
補足コラム
不正アクセス禁止法では「識別符号」の不正な取得・利用や、不正なアクセスの助長も問題となります。近年はクラウドサービスやAPIの普及で、ID・パスワードの盗用やリプレイ攻撃、脆弱な認証を突く手口が増えています。技術対策としては多要素認証(MFA)、ログ監視、不正利用検知の導入が有効です。刑事責任以外に、被害企業は民事責任(損害賠償請求)を追及することができます。
FAQ
Q1: 他人のIDを「借りた」と言えば違法ではないですか?
A1: 明示的な許可があれば不正アクセスには当たりませんが、黙示的な同意や組織の規約に反する貸与は問題になります。許可の有無が重要です。
A1: 明示的な許可があれば不正アクセスには当たりませんが、黙示的な同意や組織の規約に反する貸与は問題になります。許可の有無が重要です。
Q2: 公開されているページにアクセスするだけなら不正アクセスになりますか?
A2: 公開ページはアクセス制御がないため不正アクセスには当たりません。アクセス制御がかかっているかが判断基準です。
A2: 公開ページはアクセス制御がないため不正アクセスには当たりません。アクセス制御がかかっているかが判断基準です。
Q3: パスワードを推測して入った場合は?
A3: 他人の識別符号を不正に取得・使用してアクセス制御を回避したとみなされ、不正アクセスに該当します。
A3: 他人の識別符号を不正に取得・使用してアクセス制御を回避したとみなされ、不正アクセスに該当します。
Q4: ウイルスを使って管理者権限を奪った場合は?
A4: その行為は不正アクセスに該当し得ます。ウイルス作成自体は別罪ですが、ウイルスによるアクセス制御回避は不正アクセスの要素を含み得ます。
A4: その行為は不正アクセスに該当し得ます。ウイルス作成自体は別罪ですが、ウイルスによるアクセス制御回避は不正アクセスの要素を含み得ます。
関連キーワード: 不正アクセス禁止法、識別符号、利用者ID、パスワード、アクセス制御、インサイダー取引、著作権侵害、ウイルス、多要素認証、不正指令電磁的記録

\ せっかくなら /
基本情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

