基本情報技術者 2012年 秋期 午前(科目A) 問14
問題文
デュアルシステムの説明として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:同じ処理を行うシステムを二重に用意し、処理結果を照合することで処理の正しさを確認する。どちらかのシステムに障害が発生した場合は、縮退運転によって処理を継続する。(正解)
イ:オンライン処理を行う現用系と、バッチ処理などを行いながら待機させる待機系を用意し、現用系に障害が発生した場合は待機系に切り替え、オンライン処理を続行する。
ウ:待機系に現用系のオンライン処理プログラムをロードして待機させておき、現用系に障害が発生した場合は、即時に待機系に切り替えて処理を続行する。
エ:プロセッサ、メモリ、チャネル、電源系などを二重に用意しておき、それぞれの装置で片方に障害が発生した場合でも、処理を継続する。
デュアルシステムの説明として、最も適切なものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:デュアルシステムは同一の処理を二系統で同時に実行し、出力を照合して誤動作を検出し処理の正当性を保証する方式です。
- 根拠:二重実行と結果照合によりソフトやハードの異常を出力差で検出でき、片系障害時は縮退運転で継続可能だからです。
- 差がつくポイント:待機系(フェイルオーバ)やハード冗長化と混同しやすいので、「同時実行して照合するか」を基準に選択肢を見分けてください。
正解の理由
アが正解です。アは「同じ処理を行うシステムを二重に用意し、処理結果を照合する」点を明確に述べており、これがデュアル(二重実行)システムの本質です。二系統で並列に処理を実行し結果を比較することで、片方の誤動作を出力の不一致として検出できます。問題文の「縮退運転で処理を継続する」という記述も、片系が故障しても残存系で機能を限定して継続するというデュアルシステムの運用として適切です。
よくある誤解
- 「二重化=待機系に切り替える方式」と混同する:待機系は同時実行ではなくフェイルオーバ方式であり、結果照合は行われません。
- 「冗長化(ハード二重化)とデュアルを同一視する」:プロセッサや電源など部品単位の冗長化はフォールトトレラント構成であり、デュアルの“同時処理+照合”とは目的と実装が異なります。
- 「縮退運転」を誤解して全面停止と考える:縮退運転は機能を限定して継続する運転モードで、完全停止とは別です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「二重」「照合」「縮退運転」「同じ処理」を注目。
- 各選択肢で「同時に処理して照合するか」「片方が待機しているか」「部品単位の冗長化か」を判定。
- 「同時実行+照合+障害時に縮退で継続」の記述に合致する選択肢を選ぶ(これがデュアル)。
- 残りを「待機系=フェイルオーバ」「ハード冗長=部品二重化」として排除する。
選択肢別の誤答解説
- ア:正解。二重に同一処理を実行し結果を照合する、いわゆるデュアル(デュプレックス)システムの説明です。縮退運転の記述も整合します。
- イ:誤り。現用系と待機系に分け、待機系がオンライン処理を行わず切替える方式は「スタンバイ(フェイルオーバ)」であり、同時照合は行いません。
- ウ:誤り。待機系にプログラムをロードして即時切替するのは「ホットスタンバイ」またはウォームスタンバイに近い説明で、同時に二系統で実行して結果を照合するデュアルとは異なります。
- エ:誤り。プロセッサや電源を二重にするのはハードウェア冗長化(装置レベルの冗長化)であり、処理の二重実行と照合を定義するデュアルシステムの記述ではありません。
補足コラム
- デュアルシステムは安全性重視の分野(航空・鉄道制御など)で使われます。出力照合により誤動作を検出できる一方、コストや同期オーバーヘッドが増大します。
- トリプルモジュラリダンダンシー(TMR)のように3系で多数決による誤り訂正を行う方式もあり、用途に応じてデュアル(検出重視)とトリプル(訂正重視)を選びます。
- 縮退運転は、機能を限定してでも継続運転することで安全性や可用性を維持する運用方針の一つです。完全停止と誤解しないよう注意してください。
FAQ
Q1: デュアルとデュプレックスは同じ意味ですか?
A1: 概念的には同じで、いずれも二重実行して照合する方式を指します。用語は文脈で使い分けられます。
A1: 概念的には同じで、いずれも二重実行して照合する方式を指します。用語は文脈で使い分けられます。
Q2: 縮退運転とは何ですか?
A2: 故障時に一部機能を停止して残りの機能で運用を継続すること。可用性確保の手段です。
A2: 故障時に一部機能を停止して残りの機能で運用を継続すること。可用性確保の手段です。
Q3: ホットスタンバイとウォームスタンバイの違いは?
A3: ホットは常時準備状態で即時切替可能、ウォームは一部のみ更新や準備が必要で切替に時間がかかることがあります。
A3: ホットは常時準備状態で即時切替可能、ウォームは一部のみ更新や準備が必要で切替に時間がかかることがあります。
関連キーワード: デュアルシステム、二重化、縮退運転、フェイルオーバ、ホットスタンバイ、冗長化、トリプルモジュラリダンダンシー、結果照合、可用性、安全性

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