基本情報技術者 2012年 秋期 午前(科目A) 問15
問題文
図のような、稼働率Pのシステムで構成された多重化システム全体の稼働率を表す式はどれか。ここで、並列の部分は、どちらか一方が稼働していればよいものとする。

選択肢
ア:
イ:
ウ:
エ:(正解)
多重化システムの稼働率計算【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:左端の直列要素と、上下二系統の並列構成の合成で全体稼働率は です。
- 根拠:上下の各系統は直列でそれぞれ信頼度、並列結合はの公式を用います。
- 差がつくポイント:直列と並列を誤認すると指数の扱いや補集合(失敗確率)で簡単に間違えます。直列は積、並列は「1−不稼働の積」を必ず意識してください。
正解の理由
図は左から直列でが1つあり、その右側で上下に分岐しています。上枝は2つのが直列、下枝も同様に2つのが直列です。したがって各枝の信頼度は直列の積でとなります。上下の2系統はどちらか一方が稼働していればよい並列ですから並列結合の信頼度は
。
最後に左端の直列要素と掛け合わせて全体稼働率は
となり、選択肢のエが正解です。
よくある誤解
- 直列と並列を取り違える:枝内の2つを並列と誤認してとするミスが頻出します。
- 全体を単純に並列化とみなす:左右の合流点以降を全体並列と誤ってのように扱う誤り。
- 補集合(失敗確率)を使わない:並列計算では「少なくとも1つ稼働」の式 を忘れると誤答します。
解法ステップ
- 図を部分に分割し、直列・並列の単位を確認する。ここでは左端のと右側の上下2系統。
- 上下各系統は直列2要素なので各系統の信頼度を計算:。
- 上下2系統は並列(どちらか一方でよい)なので並列合成:。
- 全体は左端のと直列なので最終的に全体稼働率は 。
選択肢別の誤答解説
- ア:
左端を失敗事象側で扱い、全体を「少なくとも1つ稼働」と誤解している式です。左端が直列で必須のためを掛ける形で表すのが正しく、1−(...)の形は不適切です。 - イ:
右側の4つのを全て並列で扱った場合の式です。しかし実際は各枝内で直列になっており、個々はの信頼度を持つため不正解です。 - ウ:
は“2つのの並列”の信頼度です。これを二乗しているため、左右の並列群をさらに直列接続とみなしてしまった誤りで、図の意味と合いません。 - エ:
各枝が直列で、その2系統が並列で合成され、左端と直列接続される正しい表現です。
補足コラム
- 失敗確率で考えると分かりやすいです。左端が失敗する確率は 、上下両方の枝がともに失敗する確率は 。全体が失敗するのは左端が失敗するか、左端が稼働していて上下とも失敗する場合で、整理すると元の式に一致します。
- 実務では部品間の独立性が仮定できない場合もあり、その場合は共通故障や相関を考慮する必要があります。試験問題では独立を前提とした計算が基本です。
- 例: のとき全体稼働率は 。
FAQ
Q1: なぜ並列は を使うのですか?
A1: 並列系全体が稼働するためには少なくとも1つが稼働すればよく、その補集合が「全てが失敗する」事象だからです。独立なら失敗確率の積で表せます。
A1: 並列系全体が稼働するためには少なくとも1つが稼働すればよく、その補集合が「全てが失敗する」事象だからです。独立なら失敗確率の積で表せます。
Q2: 直列が複数あるときはどうする?
A2: 直列接続の全体信頼度は各要素の信頼度の積です。確率の独立性が前提です。
A2: 直列接続の全体信頼度は各要素の信頼度の積です。確率の独立性が前提です。
Q3: 部品が相関している場合は?
A3: 共通故障や相関があると積や補集合の単純計算は使えません。共通因子モデルや条件付き確率で解析しますが、午前問題では通常独立を仮定します。
A3: 共通故障や相関があると積や補集合の単純計算は使えません。共通因子モデルや条件付き確率で解析しますが、午前問題では通常独立を仮定します。
関連キーワード: 多重化、稼働率、信頼性解析、直列並列、冗長化、確率演算、可用性、失敗確率、分解法

\ せっかくなら /
基本情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

