基本情報技術者 2012年 秋期 午前(科目A) 問16
問題文
コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:システムの遠隔保守は、MTTRを長くし、稼働率を向上させる。
イ:システムの稼働率は、MTTRとMTBFを長くすることで向上する。
ウ:システムの構成が複雑なほど、MTBFは長くなる。
エ:システムの予防保守は、MTBFを長くするために行う。(正解)
コンピュータシステムの信頼性に関する記述【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:システムの予防保守は故障原因を事前に除去し、MTBF(平均故障間隔)を延ばして信頼性を高めます。
- 根拠:可用性は で表され、予防保守は故障発生率を下げてMTBFを増加させます。
- 差がつくポイント:MTTRは復旧時間を短くする対策、MTBFは故障を起こしにくくする対策と区別して評価してください。
正解の理由
正解:エ
予防保守(計画的点検・部品交換・ソフトウェア更新など)は、故障が起きる前に原因を取り除くことで「次の故障までの平均時間(MTBF)」を長くします。MTBF が長くなることは故障発生率の低下を意味し、結果としてシステムの信頼性や稼働率向上に寄与します。設問は「適切な記述」を問うており、予防保守の目的がMTBF を長くすることである点と一致します。
予防保守(計画的点検・部品交換・ソフトウェア更新など)は、故障が起きる前に原因を取り除くことで「次の故障までの平均時間(MTBF)」を長くします。MTBF が長くなることは故障発生率の低下を意味し、結果としてシステムの信頼性や稼働率向上に寄与します。設問は「適切な記述」を問うており、予防保守の目的がMTBF を長くすることである点と一致します。
よくある誤解
- 遠隔保守はMTTRを長くするという誤り:実際は遠隔保守は迅速な対応でMTTR(平均修復時間)を短くするのが目的です。
- MTTRとMTBFを同じ方向で増やせば稼働率が上がるという勘違い:MTTRを長くすると可用性は下がります。
- 構成が複雑=MTBFが長くなるという誤認:複雑化は故障モードや相互作用を増やし、一般にMTBFを短くする要因です。
解法ステップ
- MTBF と MTTR の定義を正確に思い出す(MTBF:平均故障間隔、MTTR:平均修復時間)。
- 可用性(稼働率)の基本式 を確認する。
- 各選択肢が MTBF または MTTR のどちらに関する記述かを判別する。
- その効果が可用性や信頼性の定義と整合するかを検証し、最も適切な記述を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア:システムの遠隔保守は、MTTRを長くし、稼働率を向上させる。
→ 誤り。遠隔保守は通常、現場に行く時間を削減して MTTR を短くし、可用性を高める目的です。 - イ:システムの稼働率は、MTTRとMTBFを長くすることで向上する。
→ 誤り。MTBF を長くすることは可用性向上に寄与しますが、MTTR を長くすると修復に時間がかかり、可用性は低下します。 - ウ:システムの構成が複雑なほど、MTBFは長くなる。
→ 誤り。複雑性は故障モードを増やす傾向があり、一般に MTBF を短く(故障が起きやすく)します。 - エ:システムの予防保守は、MTBFを長くするために行う。
→ 正解。予防保守は劣化や故障原因の除去を通じて故障発生率を下げ、MTBF を延ばすことが主目的です。
補足コラム
- 可用性の数値例:MTBF=1000時間、MTTR=10時間 の場合、(約99.01%)。MTBFを2000時間にすると 、MTTRを5時間にすると 。どちらの改善も有効ですが、現場事情で優先度が変わります。
- 予防保守の具体例:定期的なベアリング交換、ファームウェア更新、電源フィルタの点検、温度湿度管理などがあり、故障発生率低減につながります。
- 関連手法:FMEA(故障モード影響解析)やFTA(故障の木解析)で予防保守の重点箇所を決めると効果的です。冗長化はMTBFを直接変えずにシステム全体の故障耐性を高める別手段です。
FAQ
Q1: MTBF と MTTF は同じですか?
A1: MTTF(平均故障時間)は主に修理不能(non-repairable)対象の平均寿命、MTBF は修理可能な機器の「故障から修理後次の故障までの平均時間」に用いられる点で区別します。
Q2: 予防保守で点検中の停止は MTTR に含まれますか?
A2: 一般に MTTR は故障発生後の平均修復時間を指し、計画停止(予防保守のための定期停止)は可用性評価で別扱いされることがあります。運用ルールにより定義が変わるため注意してください。
Q3: システムの複雑化は必ず悪影響ですか?
A3: 複雑化は誤動作や相互作用のリスクを増やすため MTBF を低下させやすいですが、機能性や冗長化のために必要な場合もあり、設計トレードオフが重要です。
A1: MTTF(平均故障時間)は主に修理不能(non-repairable)対象の平均寿命、MTBF は修理可能な機器の「故障から修理後次の故障までの平均時間」に用いられる点で区別します。
Q2: 予防保守で点検中の停止は MTTR に含まれますか?
A2: 一般に MTTR は故障発生後の平均修復時間を指し、計画停止(予防保守のための定期停止)は可用性評価で別扱いされることがあります。運用ルールにより定義が変わるため注意してください。
Q3: システムの複雑化は必ず悪影響ですか?
A3: 複雑化は誤動作や相互作用のリスクを増やすため MTBF を低下させやすいですが、機能性や冗長化のために必要な場合もあり、設計トレードオフが重要です。
関連キーワード: MTBF、MTTR、稼働率、可用性、予防保守、保守性、冗長化、信頼性設計

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