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基本情報技術者 2012年 秋期 午前(科目A)35


問題文

ネットワーク機器の一つであるスイッチングハブ(レイヤ2スイッチ)の機能として適切なものはどれか。

選択肢

LANポートに接続された端末に対して、IPアドレスの動的な割当てを行う。
受信したパケットを、宛先MACアドレスが存在するLANポートだけに転送する。(正解)
受信したパケットを、全てのLANポートに転送(ブロードキャスト)する。
受信したパケットを、ネットワーク層で分割(フラグメンテーション)する。

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レイヤ2スイッチのMAC転送【午前解説】

正解の理由

レイヤ2スイッチはフレームの宛先MACアドレスを参照して転送先を決める装置です。学習したMACアドレスをCAM(MAC)テーブルに保持し、受信したフレームの宛先MACがテーブルに存在する場合はその該当ポートだけに転送します。したがって、選択肢の「受信したパケットを、宛先MACアドレスが存在するLANポートだけに転送する。」が正解です。

解法ステップ

  1. 問題文から装置が「スイッチングハブ(レイヤ2スイッチ)」であることを確認する。
  2. レイヤ(OSI参照モデル)の機能を思い出す:レイヤ2はデータリンク層(MACアドレス処理)。
  3. 各選択肢をレイヤの役割に照らして照合する。
    • IPアドレス割当てやフラグメンテーションはそれぞれ上位(アプリ/ネットワーク)層の機能でありレイヤ2の基本機能ではない。
    • 全ポート転送はハブの動作あるいは特定条件(ブロードキャストや未知宛先フレーム)時の一時的挙動であって常時の特性ではない。
  4. レイヤ2の基本的な転送方式(CAMテーブル参照による限定転送)が一致する選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: LANポートに接続された端末に対して、IPアドレスの動的な割当てを行う。
    誤り。IPアドレスの動的割当てはDHCPなどのプロトコルにより行われ、これはアプリケーション層(L7)での機能です。スイッチ(レイヤ2)はこの割当てを行いません。注:スイッチにDHCPサーバ機能を備えた製品も特殊用途で存在しますが、問題文の「レイヤ2スイッチの機能」としては該当しません。
  • : 受信したパケットを、宛先MACアドレスが存在するLANポートだけに転送する。
    正答。CAMテーブルに基づいてフレームを特定ポートへ転送するのがレイヤ2スイッチの基本動作です。
  • ウ: 受信したパケットを、全てのLANポートに転送(ブロードキャスト)する。
    誤り。全ポート転送は「ハブ」の常時挙動であり、スイッチは通常、宛先が判明しているフレームは特定ポートへ転送します。スイッチでも「ブロードキャストフレーム」や「MAC未学習の未知ユニキャスト」は全ポート(あるいはVLAN内の全ポート)へフォワードされますが、選択肢文が常時全てに転送すると述べているため誤りです。
  • エ: 受信したパケットを、ネットワーク層で分割(フラグメンテーション)する。
    誤り。フラグメンテーションはIP(ネットワーク層、L3)の処理です。スイッチはフレームを中継する際にフラグメンテーションを行いません。

よくある誤解

  1. DHCPはスイッチが行うものと思い込む
    • DHCPによるIP割当てはアプリケーション層(L7)の役割です。DHCPサーバが割り当てを行います。ルータがDHCPリレーを行ってL3レイヤで関与することはありますが、割当自体はL7の機能である点を混同しないでください。
  2. スイッチは決して全ポートへ送らないと思い込む
    • スイッチは通常は限定転送しますが、ブロードキャストや未知ユニキャストは(VLAN内で)全ポートへフォワードされます。常時全送信=ハブ、条件付き全送信=スイッチの挙動です。
  3. レイヤ2スイッチとレイヤ3スイッチを混同する
    • レイヤ3機能(ルーティング)を備えた「レイヤ3スイッチ」も存在しますが、問題の対象が「レイヤ2スイッチ」であればルーティングやフラグメンテーションは該当しません。

補足コラム

  • CAM(Content Addressable Memory)テーブル: スイッチは受信フレームの送信元MACアドレスと受信ポートを学習し、テーブルに登録します(エージングタイムで古いエントリは削除)。これにより次回以降は宛先MACに基づき特定ポートへ転送できます。
  • フラッディング: 宛先MACがテーブルにない場合、スイッチはそのフレームを学習済みポート以外のポートへ転送(フラッディング)します。ARP要求などのブロードキャストは全ポートに送られるため、ブロードキャストストーム対策が重要です。
  • 管理機能: マネージドスイッチはVLAN、STP、QoS、ACL、場合によってはDHCPスヌーピングなどの監視機能を持ちますが、これらは基本のレイヤ2転送の上で提供される付加機能です。

FAQ

Q: スイッチはARPにどう対応しますか?
A: ARPはブロードキャスト要求を伴うため、ブロードキャストフレームはVLAN内の全ポートへ転送されます。スイッチはARPの内容を解釈して処理するわけではなく、フレーム転送ルールに従います。
Q: スイッチがMACを学習しないとどうなる?
A: 宛先がテーブルに無ければそのフレームはフラッディングされ、全ポート(送信元ポートを除く)へ送られます。ネットワーク負荷の増加やセキュリティ上の懸念を招きます。
Q: ルータとスイッチの違いは?
A: スイッチ(L2)はMACアドレスでフレームを転送し、ルータ(L3)はIPアドレスでパケットをルーティングします。フラグメンテーションはルータが関与することがあり得ますがスイッチ自体は行いません。

関連キーワード: スイッチングハブ、レイヤ2、MACアドレス、CAMテーブル、フラッディング、ブロードキャスト、DHCP、フラグメンテーション、VLAN
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