基本情報技術者 2012年 秋期 午前(科目A) 問51
問題文
プロジェクトスコープマネジメントにおいて、WBS作成のプロセスで行うことはどれか。
選択肢
ア:作業の工数を算定してコストを見積もる。
イ:作業を階層的に細分化する。(正解)
ウ:作業を順序付けして、スケジュールとして組み立てる。
エ:成果物を生成するアクティビティを定義する。
WBS作成のプロセスで行うことはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:WBS作成プロセスでは、成果物ベースで作業を階層的に分解して管理単位(ワークパッケージ)を明確にします。
- 根拠:PMBOK等の定義ではWBSは成果物の階層化であり、活動定義や順序付け、工数見積は別プロセスです。
- 差がつくポイント:WBSは「何を作るか」に集中し、ワークパッケージまで分解できているかで実務上の管理精度が変わります。
正解の理由
正解は イ:作業を階層的に細分化する。WBS(Work Breakdown Structure)は成果物を基準にプロジェクトのスコープを階層構造で分解し、各層で管理単位(ワークパッケージ)を定義することが目的です。これにより責任範囲、見積り対象、成果物の検証基準が明確になります。WBS作成自体は活動の順序付けやスケジュール作成、工数見積りを直接行うプロセスではありません。
よくある誤解
- WBSでスケジュールを作ると思い込み、順序付けやガント化がWBS作成の一部と考える点。実際は別プロセスです。
- WBS=タスク一覧と捉え、成果物(Deliverable)ではなく作業単位だけで分解してしまう誤り。成果物ベースが原則です。
- 「成果物を生成するアクティビティを定義する」=WBSと混同するが、アクティビティ定義はWBSの次の段階で行います。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「WBS作成のプロセス」を確認し、WBSの目的を思い出す(成果物ベースの分解)。
- 選択肢を見て「階層的に細分化する」がWBSの定義に一致するか照合する。
- 残りの選択肢(工数見積り、順序付け、アクティビティ定義)は別プロセスであるため除外する。
- 最終的に成果物指向の階層分解を示す選択肢を選択する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 作業の工数を算定してコストを見積もる。
→ 誤り。工数算定とコスト見積はコストマネジメント(見積りプロセス)やリソース見積りの工程で行います。WBSは見積りの入力になりますが、見積り自体はWBS作成のプロセスではありません。 - イ: 作業を階層的に細分化する。
→ 正解。WBSは成果物ベースで作業を階層化・分解し、ワークパッケージまで定義するプロセスです。 - ウ: 作業を順序付けして、スケジュールとして組み立てる。
→ 誤り。作業の順序付けやスケジュール作成はスケジュールマネジメントの工程(アクティビティ順序付け、スケジュール作成)になります。WBSはその前提となる要素を整理します。 - エ: 成果物を生成するアクティビティを定義する。
→ 誤り。アクティビティ定義(何をいつ誰が行うか)はWBSで成果物・ワークパッケージを決めた後に、実際の作業単位(アクティビティ)を定義する別プロセスです。
補足コラム
- 100%ルール:親要素の成果物は子要素の合計で100%を満たすべきで、範囲の漏れや重複を防ぎます。
- ワークパッケージ:WBSの最下位で管理・見積・実行の単位。作業成果物が明確で検収可能であることが重要です。
- 分解の深さ:一般にワークパッケージは見積りと管理が実効的に行える粒度(例:数日〜数か月)まで分解します。
- 実例(ウェブサイト構築):サイト(親)→ フロントエンド、バックエンド、デザイン、テスト(子)→ 各ページ実装/API開発/レスポンシブ実装(ワークパッケージ)と分解します。
FAQ
Q1: WBSとタスクリストの違いは?
A1: WBSは成果物ベースの階層化、タスクリスト(アクティビティ)はWBSを基にした実行単位で順序やリソースが定義されます。
A1: WBSは成果物ベースの階層化、タスクリスト(アクティビティ)はWBSを基にした実行単位で順序やリソースが定義されます。
Q2: WBSはいつ作るべきか?
A2: スコープ確定後、スケジュールや見積りの前工程として早期に作成します。
A2: スコープ確定後、スケジュールや見積りの前工程として早期に作成します。
Q3: どのくらいの深さまで分解すべきか?
A3: ワークパッケージは管理可能で見積り可能、検収可能な最小単位まで分解します(プロジェクト特性で調整)。
A3: ワークパッケージは管理可能で見積り可能、検収可能な最小単位まで分解します(プロジェクト特性で調整)。
Q4: WBSに工数やコストを書いてはいけないの?
A4: 書いても問題ありませんが、工数やコストは別プロセスで算出・確定するため、WBSは主に構造化に集中します。
A4: 書いても問題ありませんが、工数やコストは別プロセスで算出・確定するため、WBSは主に構造化に集中します。
関連キーワード: WBS、Work Breakdown Structure、スコープマネジメント、ワークパッケージ、100%ルール、PMBOK、アクティビティ定義、スケジュール作成

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