基本情報技術者 2012年 秋期 午前(科目A) 問56
問題文
ITIL v3における問題管理プロセスの目標はどれか。
選択肢
ア:インシデントに対する既存ITサービスへの変更や新規サービスの導入を、効率的かつ安全に実施する。
イ:インシデントによって中断したITサービスを、合意した時間内に復旧する。
ウ:インシデントの根本原因を突き止めて排除したり、インシデントの発生を予防したりする。(正解)
エ:利用者に単一窓口を提供し、事業への影響を最小限にして、通常サービスへ復帰できるように支援する。
ITIL v3における問題管理プロセスの目標はどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論→ITIL v3の問題管理は、インシデントの根本原因を究明・排除し、再発を防いでサービス品質を向上させることです。
- 根拠→問題管理はProblem ManagementでKnown Errorの管理やRCAを通じ恒久対策や回避策を実施しインシデント発生を抑制します。
- 差がつくポイント→選択肢は「復旧(Incident)」「変更(Change)」「窓口(Service Desk)」と混同しやすいため目的語(根本原因・復旧・変更)を見分けること。
正解の理由
正解は ウ です。ITIL v3での「問題管理(Problem Management)」の主目的は、発生したインシデントの根本原因を特定して恒久対策を講じること、及び将来のインシデント発生を予防することにあります。問題管理は単にサービスを速やかに復旧すること(Incident Management の目的)ではなく、原因解析(RCA)やKnown Errorの登録、恒久的修正や回避策の実施を通じて再発防止に注力します。
よくある誤解
- インシデント対応=問題管理と考える誤り:インシデント管理は「迅速な復旧」が目的、問題管理は「根本原因の除去」が目的です。
- 変更の実施が問題管理の役割と混同する誤解:変更(Change Management)は変更の承認・管理が目的で、実行は変更管理プロセスの責任範囲です。
- 問題管理がすべてのインシデントを即時解決すると期待する誤解:問題管理は恒久対策や予防策を目指しますが、短期的には回避策(workaround)を提供することがあります。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを押さえる(今回は「問題管理プロセスの目標」)。
- 各選択肢の動詞・目的語を確認し、ITILの主要プロセス(Incident、Problem、Change、Service Desk)と照合する。
- 「根本原因を突き止める/再発を予防する」が含まれる選択肢を探す。
- 明らかに復旧や窓口提供を指す選択肢はIncidentまたはService Deskとして除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: インシデントに対する既存ITサービスへの変更や新規サービスの導入を、効率的かつ安全に実施する。
→ これは変更管理(Change Management)の目的に該当します。問題管理の範囲ではありません。 - イ: インシデントによって中断したITサービスを、合意した時間内に復旧する。
→ これはインシデント管理(Incident Management)の主要目的です。問題管理と混同しないこと。 - ウ: インシデントの根本原因を突き止めて排除したり、インシデントの発生を予防したりする。
→ 正解。Problem Management の目的そのものです。RCA、Known Error、恒久対策、回避策の策定と実施を含みます。 - エ: 利用者に単一窓口を提供し、事業への影響を最小限にして、通常サービスへ復帰できるように支援する。
→ これはサービスデスク(Service Desk)やインシデント管理が担う機能・役割です。問題管理の目的ではありません。
補足コラム
- 問題管理は「プロアクティブ(予防的)」と「リアクティブ(事後対応)」の両面があります。プロアクティブでは傾向分析や潜在的問題の検出を通じて未然防止を図ります。
- よく用いられる手法:Root Cause Analysis(RCA)、5 Whys、イシカワ(特性要因図)、Known Error Database(KEDB)の整備。
- KPI例:再発インシデント件数、平均問題解決時間、KEDB登録率、回避策によるインシデント削減率など。
- 実務では問題管理が特定した恒久対策を実行するために変更管理と連携してRFC(Request for Change)を作成することが多いです。
FAQ
Q1: インシデント管理と問題管理はどちらが優先ですか?
A1: 目的が異なるため優先順位は状況次第です。まずはサービス復旧(インシデント管理)を行い、その後に根本原因を追究して問題管理で恒久対策を講じます。
A1: 目的が異なるため優先順位は状況次第です。まずはサービス復旧(インシデント管理)を行い、その後に根本原因を追究して問題管理で恒久対策を講じます。
Q2: 問題とインシデントの違いは何ですか?
A2: インシデントはサービスの中断や品質低下という事象、問題はそのインシデントを引き起こす根本原因(または潜在的原因)を指します。
A2: インシデントはサービスの中断や品質低下という事象、問題はそのインシデントを引き起こす根本原因(または潜在的原因)を指します。
Q3: 問題管理が見つけた対策はすぐに変更されますか?
A3: 恒久対策はリスク評価と変更管理の承認プロセスを経て実施されます。緊急度に応じてワークアラウンドで対応することもあります。
A3: 恒久対策はリスク評価と変更管理の承認プロセスを経て実施されます。緊急度に応じてワークアラウンドで対応することもあります。
Q4: Known Error Databaseとは何ですか?
A4: 過去に発生した問題とそれに対する既知の回避策や恒久対策を記録するデータベースで、同様のインシデント発生時に迅速対応を可能にします。
A4: 過去に発生した問題とそれに対する既知の回避策や恒久対策を記録するデータベースで、同様のインシデント発生時に迅速対応を可能にします。
関連キーワード: ITIL v3、問題管理、Problem Management、インシデント管理、変更管理、サービスデスク、根本原因分析、RCA、Known Error Database

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