基本情報技術者 2012年 春期 午前(科目A) 問19
問題文
オンラインリアルタイム処理における一つのトランザクションについて、端末側で応答時間、回線伝送時間、端末処理時間が測定できるとき、サーバ処理時間を求める式として適切なものはどれか。ここで、他のオーバヘッドは無視するものとする。
選択肢
ア:
イ:
ウ:
エ:(正解)
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オンライン応答時間の分解【午前解説】
正解の理由
正解は エ です。
定義を次のようにおくと分かりやすいです。
定義を次のようにおくと分かりやすいです。
- 応答時間を 、回線伝送時間(ここでは端末↔サーバ間の往復伝送時間)を 、端末処理時間を 、サーバ処理時間を とすると、端末で観測する応答時間は各要素の和になります。
これを について解くと、
となり、選択肢のうち「応答時間から回線伝送時間と端末処理時間を引く」式、すなわちエが正しい式です。
解法ステップ
- 変数を定義する:応答時間 , 回線伝送時間 (往復), 端末処理時間 , サーバ処理時間 .
- 全体の成り立ちを考える:端末で見る応答は端末処理+回線伝送(往復)+サーバ処理で表せる。
- 方程式を立てる:.
- を解く: よりエが正解。
選択肢別の誤答解説
- ア:
誤り。応答時間は既に や を含んでいるため加算は二重計上になります。 - イ:
誤り。回線伝送時間を加えるのは過大評価で、応答時間には既に回線時間が含まれている想定と矛盾します。 - ウ:
誤り。端末処理時間は応答時間に含まれるため、ここで加えるのは二重計上です。 - エ: (正解)
応答時間から既に含まれている回線伝送と端末処理を差し引くことでサーバ処理時間を得られます。
よくある誤解
- 回線伝送時間を「片道」と勘違いする:多くの測定で回線遅延を往復(RTT)で取るため、式の扱いが変わります。
- 応答時間に端末処理が含まれないと誤認する:端末側での入力処理や描画待ちも応答時間に含まれます。
- 時間要素が並列に発生すると誤解する:本問はオーバーヘッド無視の前提で順次の合算を想定しています。
補足コラム
- 回線伝送時間の定義(片道 vs 往復)は非常に重要です。一般に端末側で測る「回線遅延」は往復遅延(RTT)として測定されることが多く、この問題もその前提で式が成立します。片道遅延しか測れない場合は、往復を2倍するなどの補正が必要です。
- 実運用ではパケット再送、TCPハンドシェイク、アプリケーション層の非同期処理などで単純な和にならないことがあります。その場合はパケットキャプチャ(tcpdump)や時刻同期(NTP/PTP)により詳細な分解が必要です。
FAQ
Q1: 回線伝送時間が「片道」しか測れない場合は?
A1: 片道遅延を とすると往復は (対称性を仮定)なので、式は となります。往復が非対称なら送受信で別個に測る必要があります。
A1: 片道遅延を とすると往復は (対称性を仮定)なので、式は となります。往復が非対称なら送受信で別個に測る必要があります。
Q2: 端末処理と回線伝送が同時に発生するケースは?
A2: 本問は加算で扱いますが、実際に並列化される場合は重なり分(オーバーラップ)を考慮して重複しない部分だけを差し引く必要があります。
A2: 本問は加算で扱いますが、実際に並列化される場合は重なり分(オーバーラップ)を考慮して重複しない部分だけを差し引く必要があります。
Q3: 応答時間測定にプロトコルの再送やACK待ちが含まれると?
A3: そのようなオーバーヘッドは本問の前提「他のオーバヘッドは無視」に反します。実測で精度を出すなら各要素を個別測定・解析してください。
A3: そのようなオーバーヘッドは本問の前提「他のオーバヘッドは無視」に反します。実測で精度を出すなら各要素を個別測定・解析してください。
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