基本情報技術者 2012年 春期 午前(科目A) 問44
問題文
通信を要求したPCに対し、ARPの仕組みを利用して実現できる通信可否の判定方法のうち、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:PCにインストールされているソフトウェアを確認し、登録されているソフトウェアだけがインストールされている場合に通信を許可する。
イ:PCのMACアドレスを確認し、事前に登録されているMACアドレスである場合だけ通信を許可する。(正解)
ウ:PCのOSのパッチ適用状況を確認し、最新のパッチが適用されている場合だけ通信を許可する。
エ:PCのマルウェア対策ソフトの定義ファイルを確認し、最新になっている場合だけ通信を許可する。
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ARPによるMACアドレス確認【午前解説】
正解の理由
正解は イ です。ARP(Address Resolution Protocol)はIPアドレスから対応するMACアドレスを問い合わせて取得するプロトコルであり、通信要求元のMACアドレスを取得して事前登録リストと照合することで「そのMACである端末か」を判定できます。他の選択肢(インストールソフトの確認、OSパッチ状況、ウイルス定義ファイルの確認)はエンドポイントの状態確認や管理情報の取得が必要であり、ARPだけでは実現できません。
解法ステップ
- 問題文で「ARPの仕組みを利用して実現できる」とある点を確認する。
- ARPの機能を思い出す(IP→MAC解決、レイヤ2の動作)。
- 各選択肢をARPの機能と照合する:MACの確認は可能、ソフトやパッチ、定義ファイルは不可。
- ARPで実現できる選択肢(MAC確認)を正解として選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: PCにインストールされているソフトウェアの確認
- 誤り。ソフトウェア構成はOS上の情報で、ARPでは取得できません。ソフト管理はMDMや構成管理ツールが必要です。
- イ: PCのMACアドレスを確認し、事前に登録されているMACアドレスである場合だけ通信を許可する
- 正解。ARPでMACアドレスを取得・照合できるため、ARPを利用した判定として最も適切です。ただし偽装対策が必要です。
- ウ: PCのOSのパッチ適用状況を確認し、最新のパッチが適用されている場合だけ通信を許可する
- 誤り。パッチ状況はARPでは分からず、エンドポイント管理ツールやNAC(検査機能)が必要です。
- エ: PCのマルウェア対策ソフトの定義ファイルを確認し、最新になっている場合だけ通信を許可する
- 誤り。定義ファイルの有無・更新状態もARPでは確認不能で、エージェントや管理サーバーによる報告が必要です。
よくある誤解
- ARPで端末の「ソフトウェア構成」や「パッチ適用状況」が分かると考える誤解:ARPはMACとIPの紐付けのみを扱い、OSやソフトの情報は取得できません。
- MAC照合が完全に安全だと考える誤解:MACアドレスは容易に偽装(スプーフィング)できるため、単独でのセキュリティ対策は不十分です。
補足コラム
ARPベースのMAC照合は導入が簡単でスイッチやルータでのACLと組み合わせやすい利点がありますが、単体では脆弱性があります。代表的な脅威はARPスプーフィング(ARP応答の偽装)やMACアドレスの簡単な変更です。これらを緩和するために、実運用では以下のような対策と組み合わせます。
- スイッチ側の「DHCPスヌーピング」「動的ARP検査(Dynamic ARP Inspection)」の有効化
- 802.1Xによるポートベース認証やNAC(Network Access Control)での端末証明書・エージェントチェック
- エンドポイント管理(MDM/EDR)でのソフト・パッチ・ウイルス定義の集中管理と報告
FAQ
Q1: ARPでMACが分かれば端末が安全と判断できますか?
A1: いいえ。MACは偽装可能です。ARPによるMAC確認は「誰がそのネットワークに接続しているか」を確認する手段に適しますが、安全性は別の対策で補う必要があります。
A1: いいえ。MACは偽装可能です。ARPによるMAC確認は「誰がそのネットワークに接続しているか」を確認する手段に適しますが、安全性は別の対策で補う必要があります。
Q2: ARPスプーフィングはどのように検出・防止しますか?
A2: スイッチでの動的ARP検査(Dynamic ARP Inspection)やDHCPスヌーピング、802.1Xを用いた端末認証が有効です。
A2: スイッチでの動的ARP検査(Dynamic ARP Inspection)やDHCPスヌーピング、802.1Xを用いた端末認証が有効です。
Q3: エンドポイントの詳細情報を取得するにはどうすれば良いですか?
A3: MDMやEDR、NACのエージェントを導入し、管理サーバーへ状態を報告させることで、ソフト構成やパッチ、定義ファイルの確認が可能になります。
A3: MDMやEDR、NACのエージェントを導入し、管理サーバーへ状態を報告させることで、ソフト構成やパッチ、定義ファイルの確認が可能になります。
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