基本情報技術者 2012年 春期 午前(科目A) 問69
問題文
バランススコアカードの顧客の視点における戦略目標と業績評価指標の例はどれか。
選択肢
ア:持続的成長が目標であるので、受注残を指標とする。
イ:主要顧客との継続的な関係構築が目標であるので、クレーム件数を指標とする。(正解)
ウ:製品開発力の向上が目標であるので、製品開発領域の研修受講時間を指標とする。
エ:製品の納期遵守が目標であるので、製造期間短縮日数を指標とする。
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バランススコアカードの顧客視点【午前解説】
正解の理由
正解は イ です。戦略目標が「主要顧客との継続的な関係構築」である場合、顧客視点の業績評価指標は顧客満足や関係の良し悪しを直接表す指標が適切です。クレーム件数は顧客の不満や関係の劣化を反映する「結果指標」として、顧客との関係性を評価するのに適しています。したがってイの組合せは顧客視点と指標の整合が取れており正解となります。
解法ステップ
- 問題文から戦略目標の視点を特定する(ここでは「顧客の視点」)。
- 各選択肢の「戦略目標」と「指標」が同一視点にあるかを確認する。
- 指標が「顧客の成果(満足・関係維持)」を測る結果指標か、あるいは内部要因を示す原因指標かを判断する。
- 視点と指標の一致、かつ指標が目標の達成度を直接反映するものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 持続的成長が目標であるので、受注残を指標とする。
解説:受注残(バックログ)は財務・成長の尺度であり、顧客視点の「顧客満足や関係維持」を直接表す指標ではないため不適切です。 - イ: 主要顧客との継続的な関係構築が目標であるので、クレーム件数を指標とする。
解説:顧客関係の悪化はクレーム増加として表れるため、顧客視点に合致する結果指標であり適切です。 - ウ: 製品開発力の向上が目標であるので、製品開発領域の研修受講時間を指標とする。
解説:研修受講時間は学習・成長視点の「投入・活動」指標であり、顧客視点の評価指標ではありません(因果関係はあるが視点が違う)。 - エ: 製品の納期遵守が目標であるので、製造期間短縮日数を指標とする。
解説:納期遵守や製造期間は内部プロセス視点の指標であり、顧客視点の直接的な成果指標とは区別されます(顧客にとって重要ではあるが視点の分類が内部プロセス)。
よくある誤解
- 「数値が出せればどんな指標でも良い」:重要なのは視点に一致した指標かどうかで、視点と無関係な指標は評価につながりません。
- 「研修時間や製造期間は顧客視点の指標になり得る」:これらは主に学習・成長や内部プロセス視点の原因指標であり、顧客視点の成果を直接測りません。
- 「クレーム件数は常に悪い指標だ」:単独では誤解を招くため、顧客満足度や解約率、NPSなどほかの指標と組み合わせて評価すべきです。
補足コラム
バランススコアカード(BSC)は「財務」「顧客」「内部プロセス」「学習と成長」の4視点で戦略を可視化し、因果関係で結びつけます。顧客視点の指標は「顧客が感じる価値」や「関係の継続性」を測るものが中心で、代表例は顧客満足度(CS)、顧客維持率(リテンション率)、クレーム件数、NPS(ネット・プロモーター・スコア)、市場シェアなどです。研修時間や生産リードタイムは因果的に顧客成果に影響するドライバーですが、それ自体は別の視点の指標として扱います。
FAQ
Q1: クレーム件数は単体で十分ですか?
A1: 単体では不十分な場合が多いです。顧客満足度や解約率、NPSと組み合わせて定性的な分析も行うと効果的です。
A1: 単体では不十分な場合が多いです。顧客満足度や解約率、NPSと組み合わせて定性的な分析も行うと効果的です。
Q2: 「原因指標」と「結果指標」はどちらを重視すべきですか?
A2: 両方必要です。顧客視点では結果指標(満足・解約等)を主要に置き、学習や内部プロセスの原因指標で改善施策を支えます。
A2: 両方必要です。顧客視点では結果指標(満足・解約等)を主要に置き、学習や内部プロセスの原因指標で改善施策を支えます。
Q3: 顧客視点に納期遵守を入れてもよいですか?
A3: 顧客にとって重要なため関連付けは可能ですが、BSC上は「内部プロセス」視点の指標として明確に位置づけ、顧客視点の成果指標と因果関係で結ぶのが良い設計です。
A3: 顧客にとって重要なため関連付けは可能ですが、BSC上は「内部プロセス」視点の指標として明確に位置づけ、顧客視点の成果指標と因果関係で結ぶのが良い設計です。
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