基本情報技術者 2012年 春期 午前(科目A) 問71
問題文
①〜③の手順に従って処理を行うものはどれか。
① 今後の一定期間に生産が予定されている製品の種類と数量及び部品構成表を基にして、その構成部品についての必要量を計算する。
② 引き当て可能な在庫量から各構成部品の正味発注量を計算する。
③ 製造/調達リードタイムを考慮して構成部品の発注時期を決定する。
選択肢
ア:CAD
イ:CRP
ウ:JIT
エ:MRP(正解)
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資材所要量計画(MRP)【午前解説】
正解の理由
正解は エ(MRP)です。MRP(Material Requirements Planning)は部品構成表(BOM)と製品の生産予定(需要予定)を基に、各部品の総必要量を展開(explode)し、現在の在庫や引当可能量を差し引いて正味発注量を算出(netting)し、さらに各部品の製造/調達リードタイムを考慮していつ発注すべきか(time-phasing)を決定するプロセスを持ちます。問題の①〜③の手順はまさにMRPの基本処理そのものです。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを抽出:部品構成表(BOM)、必要量計算、在庫引当、リードタイム、発注時期。
- 各選択肢の機能を簡潔にイメージ化:CAD=設計、CRP=能力計画、JIT=引取り式生産・在庫削減、MRP=部品所要量計算と発注計画。
- 「BOM展開+在庫差し引き+リードタイム考慮」の処理を行うものを選ぶ。該当するのはMRPのみ。
- 消去法で確信を固め、選択肢を決定する。
選択肢別の誤答解説
- ア: CAD
説明:CADはComputer-Aided Design(設計支援)で図面作成や設計データ管理が主目的です。部品の必要量算出や発注時期決定の機能は基本的に含みません。 - イ: CRP
説明:CRPはCapacity Requirements Planningで、MRPの結果(いつどれだけ作るか)に対して工場や設備の負荷を計算し調整する機能です。必要量算出そのものではなく、手順①〜③と一致しません。 - ウ: JIT
説明:JITはジャストインタイム方式で在庫を最小化し必要時に供給する考え方です。発注や供給をどう行うかの哲学や方式ですが、BOM展開や在庫引当の計算プロセスを直接示すものではありません。 - エ: MRP
説明:BOMの展開(手順①)、在庫引当による正味発注量算定(手順②)、リードタイムを考慮した発注時期決定(手順③)を行うシステムで、問題文の手順と完全に一致します。
よくある誤解
- 「CRPとMRPは同じ」と考える誤解:CRPはCapacity Requirements Planning(能力/負荷計画)で、MRPの算出結果に基づく負荷調整が目的です。目的が異なります。
- 「JITは発注時期の決定も含む」とする誤解:JITは必要な物を必要な時に少量で供給する管理哲学で、BOM展開や在庫引当の計算を行う仕組みではありません。
- 「CADも在庫や発注を扱う」とする誤解:CADは製品設計支援ツールで、部品の設計データは持ちますが発注や需要・在庫管理の機能は基本的にありません。
補足コラム
- MRPの基本式(概念)は単純化すると次の通りです。
正味必要量(Net Requirement) = 総必要量(Gross Requirement) − 引当可能在庫(On-hand/Allocated) ± 安全在庫・既発注分 - 小さな例:製品Pが週10個、Pは部品Aを1個消費、在庫Aが週5個ある場合、週の正味必要量は 個。リードタイムが2週なら、2週前に発注するタイミングを決めます。
- 発展:MRPの出力を踏まえて設備や人員の負荷を見るのがCRPで、これらを統合してより高度に管理する概念がMRP IIやERPです。JITは在庫削減のための別のアプローチで、併用には供給安定性やリードタイムの短縮が前提になります。
FAQ
Q1. MRPとMRP IIはどう違いますか?
A1. MRPは部品所要量計算が中心ですが、MRP IIは生産能力や工場運営、コスト管理まで含む拡張概念です。
A1. MRPは部品所要量計算が中心ですが、MRP IIは生産能力や工場運営、コスト管理まで含む拡張概念です。
Q2. CRPは問題の①〜③のどこに関係しますか?
A2. CRPは手順①〜③で算出された発注・生産計画に対して設備や人員の負荷を評価・調整する役割を担いますが、必要量算出そのものは行いません。
A2. CRPは手順①〜③で算出された発注・生産計画に対して設備や人員の負荷を評価・調整する役割を担いますが、必要量算出そのものは行いません。
Q3. JITとMRPは併用できますか?
A3. 併用は可能ですが、JITは短いリードタイムと安定した供給が前提のため、供給側の条件が整っている必要があります。
A3. 併用は可能ですが、JITは短いリードタイムと安定した供給が前提のため、供給側の条件が整っている必要があります。
Q4. 「正味発注量」を計算する際に注意すべき点は何ですか?
A4. 引当可能在庫(手元在庫+入荷予定)と安全在庫、既発注分を正確に反映させることが重要です。不整合があると過剰発注や欠品につながります。
A4. 引当可能在庫(手元在庫+入荷予定)と安全在庫、既発注分を正確に反映させることが重要です。不整合があると過剰発注や欠品につながります。
関連キーワード: MRP、部品構成表(BOM)、在庫引当、リードタイム、発注計画、CRP、JIT、CAD、生産管理、需要予測

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