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基本情報技術者 2012年 春期 午前(科目A)77


問題文

図は二つの会社の損益分岐点を示したものである。A社とB社の損益分岐点に関する記述のうち、適切なものはどれか。
基本情報技術者 2012年 春期 午前(科目A) 問77の問題画像

選択肢

A社、B社ともに損益分岐点を超えた等しい売上高のとき、固定費の少ないB社の方がA社よりも利益が大きい。
A社はB社より変動費率が小さいので、損益分岐点を超えた等しい売上高のとき、B社に比べて利益が大きい。(正解)
両社の損益分岐点は等しいので、等しい利益を生み出すために必要な売上高は両社とも等しい。
両社は損益分岐点が等しく、固定費も等しいので、売上高が等しければ、損益も等しい。

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損益分岐点と貢献利益【午前解説】

正解の理由

正解:
A社とB社はどちらも売上100で費用100になり損益分岐点は等しいが、費用の構成が異なります。A社は固定費が70、B社は固定費が30です。総費用が100であるため、A社の100時点における変動費部分は30、B社は70になります。したがって単位当たりの変動費率(=変動費/売上)は、A社が小さくB社が大きい。利益は売上に対する限界利益(売上−変動費)の累積で増えるため、同じ売上高(損益分岐点を超えた場合)では変動費率の小さいA社の利益が大きくなります。

解法ステップ

  1. グラフから「収益線」と「費用線」の交点(100,100)が損益分岐点であることを確認する。
  2. 各社の固定費(費用線の縦軸切片)を読み取る(A社70、B社30)。
  3. 総費用が100のときの変動費合計を計算する:変動費合計 = 100 − 固定費。
  4. 変動費率(=変動費合計/売上100)を求め、限界利益率 = 1 − 変動費率を計算する。
  5. 同じ売上高で比較する場合、限界利益率の大きい方が利益が大きいと結論づける。
(数値例)
  • A社:固定費 F_A = 70,変動費合計 = 100 − 70 = 30 → 変動費率 v_A = 30/100 = 0.3,限界利益率 = 0.7
  • B社:固定費 F_B = 30,変動費合計 = 100 − 30 = 70 → 変動費率 v_B = 70/100 = 0.7,限界利益率 = 0.3
  • 利益(売上 S のとき) より、S が同じなら限界利益率の大きい A 社の が大きい。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「固定費の少ないB社の方が利益が大きい」—誤り。固定費は損益分岐点や初期負担に影響するが、損益分岐点を超えた後の利益増加は限界利益率が支配します。B社は変動費率が高く、同売上では利益が小さい。
  • イ: 「A社はB社より変動費率が小さいので、損益分岐点を超えた等しい売上高のとき、B社に比べて利益が大きい」—正解。上記の通り変動費率と限界利益率の差で説明できます。
  • ウ: 「等しい利益を生み出すために必要な売上高は両社とも等しい」—誤り。損益分岐点(利益0)では等しいが、任意の正の利益を得るための必要売上高は限界利益率に依存するため異なります。
  • エ: 「固定費も等しいので損益も等しい」—誤り。図から固定費は異なり(70と30)、したがって前提が間違っています。

よくある誤解

  • 固定費が小さい方が常に利益が大きい:損益分岐点を超えた領域では固定費よりも限界利益率が重要です。固定費が小さくても変動費率が高ければ利益は小さくなります。
  • 損益分岐点が等しければ以後の利益も等しい:損益分岐点が同じでも利益の増え方(傾き)は異なるため、同一売上で利益が一致するとは限りません。

補足コラム

  • 損益分岐点(BE)計算式は 。ここで は固定費、 は単価(ここでは売上/数量で単位当たり1とみなせる)、 は変動費単価です。
  • グラフの読み方:縦軸切片が固定費、原点を通る収益線は価格×数量(単価が一定なら原点からの直線)、費用線の傾きの違いが変動費率の差を示します。
  • 実務では、固定費が大きく変動費が小さい(高いレバレッジ)は売上増で大きな利益改善をもたらしますが、売上が減少すると損失も大きくなる点に注意が必要です(営業レバレッジのリスクとリターン)。

FAQ

Q1: グラフで「固定費」はどう読み取りますか?
A1: 費用線が縦軸と交わる点(縦軸切片)が固定費です。ゼロ売上時の費用を示します。
Q2: 変動費率はどう計算しますか?
A2: ある売上高での総費用から固定費を引いた値を売上高で割ります。例:変動費率 = (総費用 − 固定費) ÷ 売上高。
Q3: 両社が同じ損益分岐点でも、なぜ必要売上高が異なるのですか?
A3: 損益分岐点は利益ゼロの特定点での一致を意味するだけで、それ以外の利益水準での傾き(限界利益率)が違えば必要売上高は異なります。

関連キーワード: 損益分岐点、固定費、変動費率、限界利益、貢献利益率、CVP分析、営業レバレッジ、安全余裕率
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