基本情報技術者 2012年 春期 午前(科目A) 問78
問題文
著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:アプリケーションプログラムは著作権法によって保護されるが、OSなどの基本プログラムは権利の対価がハードウェアの料金に含まれるので、保護されない。
イ:アルゴリズムやプログラム言語は、著作権法によって保護される。
ウ:アルゴリズムを記述した文書は著作権法で保護されるが、プログラムは保護されない。
エ:ソースプログラムとオブジェクトプログラムの両方とも著作権法によって保護される。(正解)
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ソースとオブジェクトの著作権【午前解説】
正解の理由
ソースプログラム(人が読めるコード)とオブジェクトプログラム(コンパイル後のバイナリ)は、どちらも著作者の創作的表現に該当します。著作権法は「表現」を保護するため、言語やアルゴリズムという抽象的な概念ではなく、具体的に記述されたコードや生成された実行可能ファイルが保護されます。したがって「ソースプログラムとオブジェクトプログラムの両方とも著作権法によって保護される」選択肢が正しいです。
解法ステップ
- 問題文で「著作権法による保護範囲」を尋ねていることを確認する。
- 著作権が「思想・方法ではなく表現を保護する」点を思い出す(基礎原則)。
- ソースとオブジェクトが「具体的な表現」であることから保護対象と判断する。
- 否定すべき選択肢(OSが保護されない、アルゴリズムや言語が保護される等)を順に除外する。
- 残った「ソースとオブジェクトの両方が保護される」選択肢を正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: アプリケーションだけ保護され、OSなど基本プログラムは保護されない、という記述は誤りです。OSもプログラムとして著作権の保護対象になります。ハードウェア料金に権利対価が含まれるという法的根拠はありません。
- イ: アルゴリズムやプログラム言語は原理・方法・記号体系に当たり、著作権で保護されるものではありません(表現化された記述は保護対象)。従って誤りです。
- ウ: 「アルゴリズムを記述した文書は保護されるがプログラムは保護されない」という逆の主張は誤りです。プログラム(ソース・バイナリ)は表現として保護されます。
- エ: ソースプログラムとオブジェクトプログラムの両方が著作権法で保護される、という記述が正しいです。
よくある誤解
- バイナリ(実行ファイル)は著作権で保護されない、という誤解:バイナリもソースと同様に「表現」の一形態として保護されます。
- アルゴリズム自体が著作権で保護される、という誤解:アルゴリズムはアイデア・方法にあたり、著作権の対象外です(ただし特許の対象となり得ます)。
- ライセンスや対価の支払い方法で保護範囲が変わる、という混同:著作権の保護対象は契約や料金の有無に依存せず、表現の有無で決まります。ただし利用許諾は契約で制約できます。
補足コラム
- 実務的には、ソフトウェアの利用可否は著作権法に加えてライセンス契約で細かく定められます。著作権が存在しても、利用許諾が与えられていればその範囲で使用可能です。
- アルゴリズムそのものは著作権で保護されませんが、発明性や技術的効果が認められれば特許によって保護される可能性があります。ソフトウェアの保護手段は著作権・特許・営業秘密など複数ある点に注意してください。
- リバースエンジニアリングや互換性確保のための複製については、国や判例、契約条項により扱いが異なります。実務では法令と契約の両面を確認することが重要です。
FAQ
Q: コンパイルしてできた実行ファイルは本当に保護されますか?
A: はい。実行ファイルはオブジェクトプログラムとして、ソースと同様に著作権で保護されます。
A: はい。実行ファイルはオブジェクトプログラムとして、ソースと同様に著作権で保護されます。
Q: アルゴリズムの記述(擬似コード)は保護されますか?
A: その記述が創作的な表現であれば保護されます。純粋に事実や機能記述だけの場合は保護されにくいですが、表現の独自性があれば著作権の対象になります。
A: その記述が創作的な表現であれば保護されます。純粋に事実や機能記述だけの場合は保護されにくいですが、表現の独自性があれば著作権の対象になります。
Q: 同じアルゴリズムを別の言語で書いたら著作権侵害になりますか?
A: 同一のアイデア(アルゴリズム)は保護されないため、別の表現(異なる実装)であれば一般に著作権侵害には当たりません。ただし原作のコードを実質的に翻訳・複製した場合は侵害となる可能性があります。
A: 同一のアイデア(アルゴリズム)は保護されないため、別の表現(異なる実装)であれば一般に著作権侵害には当たりません。ただし原作のコードを実質的に翻訳・複製した場合は侵害となる可能性があります。
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