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基本情報技術者 2013年 秋期 午前(科目A)15


問題文

キャパシティプランニングにおける作業を、実施する順序に並べたものはどれか。   〔作業項目〕  ① CPU増設、磁気ディスク増設、メモリ増設などを検討する。  ② 応答時間、システム資源の要求量などの増加から、システム能力の限界時期を検討する。  ③ 稼働状況データ、磁気ディスク使用量、トランザクション数などの基礎数値を把握する。  ④ 端末増設計画、利用者数の増加などを検討する。

選択肢

②, ④, ③, ①
③, ②, ④, ①
③, ④, ②, ①(正解)
④, ②, ①, ③

キャパシティプランニングにおける作業順序選択【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:基礎データの取得→将来負荷(端末・利用者増)を想定→限界時期を算出→増強手段を検討する順序が正しい。
  • 根拠:計画は現状把握→将来見積→ボトルネック発見→対策決定の因果順に進めないと無駄な投資や誤算を招くためである。
  • 差がつくポイント:基礎データの精度と成長シナリオの妥当性が時期推定の鍵で、誤推定は過剰投資か性能不足を招く。

正解の理由

正解は (③ → ④ → ② → ①)です。まず現状の稼働状況やディスク使用量、トランザクション数などの基礎数値(③)を収集します。次に端末増設や利用者増などの将来シナリオ(④)を想定して負荷増加を見積もります。それを元に応答時間や資源要求量の増加からシステム能力の限界時期(②)を算出し、必要ならCPUやディスク、メモリ増設などの具体的対策(①)を検討・実行します。順序は「測る→予測する→判定する→対策する」であり、論理的かつ効率的です。

よくある誤解

  • 「まず増強案を出してからデータを取ればいい」:逆で、対策の有効性と優先順位は事実に基づく評価が前提です。
  • 「限界時期の算出と対策検討は同時でよい」:時期推定が不十分だと対策のタイミングや規模を誤ります。
  • 「端末増設を考えるのは最後でよい」:増設シナリオは需要予測に直結するため早期に扱う必要があります。

解法ステップ

  1. 基礎データ収集(③):CPU使用率、メモリ利用率、ディスク使用量、トランザクション数、ピーク時の応答時間などを取得。
  2. 成長シナリオ作成(④):端末増設計画や利用者数の増加率、業務拡大時期など具体シナリオを設計。
  3. 限界時期算出(②):現在の利用率と想定増加率から、いつ資源が飽和するかを推定。単純モデルでは (容量差 ÷ 増加率)で概算。
  4. 対策検討(①):増設(CPU/メモリ/ディスク)、負荷分散、アーキテクチャ変更、クラウド移行などコストと効果を比較し実施計画を立案。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ② → ④ → ③ → ①
    • 誤り:先に限界時期を検討(②)してから基礎データ(③)を確認する順序になっており、根拠不十分な推定になりやすい。
  • イ: ③ → ② → ④ → ①
    • 誤り:基礎データ収集の後に直接限界時期を算出しているが、将来シナリオ(④)を考慮しないままでは誤った時期推定となる。
  • : ③ → ④ → ② → ①
    • 正解:現状把握→成長シナリオ→限界算出→対策検討の合理的な流れであり、計画の精度と無駄の軽減につながる。
  • エ: ④ → ② → ① → ③
    • 誤り:将来を先に想定しても基礎データがないと量的評価が不可能で、最終的にデータ収集(③)を最後に回すのは逆順。

補足コラム

  • 測定のポイント:ピーク時、平均、分布(中央値・パーセンタイル)を採ること。ピークだけでなくトレンド(週次・月次)も確認します。
  • 時期推定の実務例:現在利用率 60% 、年率増加 10% の場合、単純線形での飽和年数は (100-60)/10 = 4年。ただしリソース毎に閾値が異なるため個別評価が必要です。
  • モデルの高度化:トラフィックがバーストする場合はキューイング理論やシミュレーション、キャパシティプランニングツールを利用すると精度向上します。
簡単な計算例(時間 to saturation):
# 現在使用率 U0 (%)、容量100%、年あたり増加率 r (%) の場合
U0 = 60.0
r = 10.0
years_to_saturation = (100.0 - U0) / r
print(f"飽和まで: {years_to_saturation:.1f} 年")

FAQ

Q1: どの指標を最優先で集めればよいですか?
A1: CPU使用率、メモリ使用率、ディスク使用量、トランザクション/秒、応答時間(平均・95パーセンタイル)を優先してください。
Q2: 需要が予測困難なときはどうする?
A2: 複数シナリオ(楽観・普通・悲観)で評価し、短期はスケーラブルな設計(クラウドの垂直/水平スケール)を採ると安全側に寄せられます。
Q3: 増強案はどの程度の余裕(ヘッドルーム)を見れば良い?
A3: 業務の重要度とピーク性により異なりますが、一般には20〜30%のヘッドルームを目安に設計するケースが多いです。

関連キーワード: キャパシティプランニング、応答時間、リソース増強、ベースライン測定、トラフィック予測、ボトルネック分析、CPU、メモリ、磁気ディスク、負荷シナリオ
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