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基本情報技術者 2013年 秋期 午前(科目A)52


問題文

ソフトウェア開発においてWBS(Work Breakdown Structure)を使用する目的として、適切なものはどれか。

選択肢

開発の所要日数と費用がトレードオフの関係にある場合に、総費用の最適化を図る。
作業の順序関係を明確にして、重点管理すべきクリティカルパスを把握する。
作業の日程を横棒(バー)で表して、作業の開始や終了時点、現時点の進捗を明確にする。
作業を階層に分解して、管理可能な大きさに細分化する。(正解)

##: WBS(Work Breakdown Structure)の目的は何か【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:WBSはプロジェクトの作業を階層的に分解して、管理可能な単位(作業パッケージ)にすることで成果物と責任を明確にするツールです。
  • 根拠:大きな作業を細分化することで見積りや進捗把握、担当割当が容易になり、スコープ漏れを防げます。
  • 差がつくポイント:WBSは「分解」が目的で、作業順序やガント表示、クリティカルパスの可視化は別の手法で補う点を押さえてください。

正解の理由

正解:
WBSはWork Breakdown Structureの名の通り、作業や成果物を階層的に分解して管理可能な大きさ(作業パッケージ)にするための構造化手法です。これによりプロジェクトのスコープが明確になり、見積り・責任分担・成果物ベースの管理が可能になります。WBS自体はスケジュール(開始/終了時点やバー表示)や順序関係を示すツールではなく、あくまで「何を作るか/何を行うか」を整理するためのものです。

よくある誤解

  • WBSを見ただけで工程の順序やクリティカルパスが分かると誤認するケース。順序はネット図(PERT/CPM)やスケジュールで示します。
  • WBSがそのままガントチャートだと考える誤解。ガントはスケジュール表示の手段で、WBSは要素の分解(構造)です。
  • WBSでコスト最適化(所要日数と費用のトレードオフ)を直接行えると思う誤り。コスト-時間最適化は別手法(クラッシング等)です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを確認:ここでは「WBS(Work Breakdown Structure)」が対象。
  2. WBSの定義を思い出す:「階層的に作業・成果物を分解する構造」。
  3. 選択肢を照合:分解・管理可能な単位にする説明に一致するものを選ぶ。
  4. 他の選択肢が示すツール(クリティカルパス→ネット図、横棒→ガント、費用最適化→クラッシング等)と区別する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 開発の所要日数と費用がトレードオフの関係にある場合に、総費用の最適化を図る。
    → 誤り。所要日数と費用のトレードオフ(時間-コスト最適化、クラッシングやトレードオフ解析)はスケジュール最適化の技法であり、WBSの主目的ではありません。
  • イ: 作業の順序関係を明確にして、重点管理すべきクリティカルパスを把握する。
    → 誤り。順序関係とクリティカルパスはネットワーク図(PERT/CPM)で扱います。WBSは「どの作業があるか」を示しますが、順序は示しません。
  • ウ: 作業の日程を横棒(バー)で表して、作業の開始や終了時点、現時点の進捗を明確にする。
    → 誤り。これはガントチャート(横棒図)の機能であり、WBSはガントの基になる作業一覧を提供しますがバー表示自体はWBSの機能ではありません。
  • エ: 作業を階層に分解して、管理可能な大きさに細分化する。
    → 正解。WBSの定義そのものであり、作業パッケージ化によるスコープ管理・見積り・責任分担の基盤となります。 ()

補足コラム

WBSは単独で使うより、WBSディクショナリ(各作業の説明)、組織分解図(OBS:誰が担当するか)、ガントチャート(スケジュール化)、ネット図(順序・クリティカルパス)と組み合わせて使うと効果的です。実務的には「100%ルール(WBSはプロジェクトのスコープを100%含む)」や「作業パッケージの適切な粒度(通常数日〜数週間の作業が目安)」を守ると管理しやすくなります。

FAQ

Q1: WBSはいつ作成すべきですか?
A1: プロジェクトの計画初期段階で作成し、要件やスコープが固まるごとに更新します。WBSはスコープ定義と見積りの基盤です。
Q2: WBSとガントチャートの違いは何ですか?
A2: WBSは「何を作るか/何をするか」を階層で分解する構造、ガントチャートはそれらの作業を時間軸に配置して進捗や開始・終了を示す図です。
Q3: 作業パッケージの粒度はどの程度が適切ですか?
A3: 管理可能で実行単位となる大きさが目安。一般に数時間〜数日では細かすぎ、数ヶ月では粗すぎるため、プロジェクト特性に応じて数日〜数週間程度がよく用いられます。

関連キーワード: WBS、作業分解、作業パッケージ、ガントチャート、クリティカルパス、プロジェクト管理
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