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基本情報技術者 2013年 秋期 午前(科目A)56


問題文

SLAを策定する際の方針のうち、適切なものはどれか。

選択肢

考えられる全ての項目に対し、サービスレベルを設定する。
顧客及びサービス提供者のニーズ、並びに費用を考慮して、サービスレベルを設定する。(正解)
サービスレベルを設定する全ての項目に対し、ペナルティとしての補償を設定する。
将来にわたって変更が不要なサービスレベルを設定する。

SLAを策定する際の方針のうち、適切なものはどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:SLAは顧客と提供者双方のニーズとコストを勘案して現実的なサービスレベルを設定すべきです。
  • 根拠:過度な項目設定や固定化、過剰な賠償規定は運用負担や費用増、柔軟性欠如を招くため不適切です。
  • 差がつくポイント:測定可能で達成可能な指標と費用対効果、変更管理の仕組みを明記する点が合否を分けます。

正解の理由

正解:
SLA(サービスレベル合意)は、顧客の要求と提供者の能力・コストのバランスで決めるべきです。現実的かつ実行可能な目標値を定めなければ、達成不能となり運用上のトラブルや余計なコスト、信頼低下を招きます。よって「顧客及びサービス提供者のニーズ、並びに費用を考慮して、サービスレベルを設定する」ことが最も適切です。

よくある誤解

  • 「全ての項目にサービスレベルを設定すれば良い」という誤解:重要度や測定可能性を考慮せず設定すると管理が破綻します。
  • 「SLAは変更不要で固定すべき」という誤解:環境変化や運用実態に応じて見直す仕組みが不可欠です。
  • 「ペナルティを全項目に設定すれば抑止になる」という誤解:過度な賠償は契約交渉やコスト増を招き、実効性を損ないます。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード(SLA、方針、適切)を確認する。
  2. 各選択肢がSLA運用の現実性・測定可能性・コストの観点で妥当かを評価する。
  3. 実務で重要視される「顧客ニーズと提供者の制約(コスト含む)」を基準に最も妥当な選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 考えられる全ての項目に対し、サービスレベルを設定する。
    誤り。すべての項目に設定すると重要度や測定可能性の低い項目まで管理対象となり、運用負担とコストが増大します。SLAは重点項目に絞り、測定可能な指標を設定する必要があります。
  • イ: 顧客及びサービス提供者のニーズ、並びに費用を考慮して、サービスレベルを設定する。
    正解。実現可能で費用対効果のある目標を合意することがSLAの基本方針です。ニーズとコスト双方のバランスを取る点が重要です。
  • ウ: サービスレベルを設定する全ての項目に対し、ペナルティとしての補償を設定する。
    誤り。全項目に賠償を設定すると契約交渉が困難になり、提供者のリスクプレミアムで費用が上昇します。重要項目に限定し、段階的対応や改善協議の仕組みを設ける方が現実的です。
  • エ: 将来にわたって変更が不要なサービスレベルを設定する。
    誤り。技術変化やビジネス要件の変化へ対応するため、定期的な見直しや変更管理プロセスが必要です。固定化は長期的に非現実的になります。

補足コラム

SLAを有効に機能させるためには、以下の要素も併せて設計すると良いです。
  • 指標は可視化可能・測定可能なもの(可用性、応答時間、復旧時間など)に限定する。
  • 測定方法、計測周期、報告方式を明確に定義する。
  • 目標未達時の対応(是正計画、限定的な補償、段階的ペナルティ)を事前に合意する。
  • 定期的なレビューと変更管理(改定時の通知・合意手順)をSLAに組み込む。
    これらを取り入れることで、SLAは単なる書類ではなく運用上の有効な合意文書になります。

FAQ

Q1: SLAに全ての運用項目を入れてはいけないのですか?
A1: はい。重要度、測定可能性、コストを勘案して優先度の高い項目に絞るべきです。
Q2: ペナルティは全く設定すべきではありませんか?
A2: いいえ。重要な項目に限定したり、段階的な対応や是正計画を優先するなど、バランスの良い設計が必要です。
Q3: SLAの見直し頻度はどれくらいが良いですか?
A3: ビジネス変化や技術更新の頻度にもよりますが、年1回以上の定期レビューと、重大変更時の随時見直しが一般的です。

関連キーワード: SLA、サービスレベル、可用性、SLA管理、測定指標、契約運用、変更管理、費用対効果、ペナルティ設計、監視・報告
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